こんにちは、草津温泉に住んでいる公太です。
日本三大温泉で恋以外の病は全て治す!とも言われる草津温泉。
泉質の良いお湯を求めて湯治をしに来る人もこの街には多い。
湯治宿は何軒かあるけれど、静かな環境でコスパが良いのが月洲屋。
今回は月洲屋にお邪魔して来たので紹介したいと思います。

月洲屋は湯畑から徒歩3分のところの、草津温泉でも特別閑静な地蔵区にある。
明治・大正・昭和と三つの時代に跨って造られた建物がそれぞれの歴史の手をつなぐ、日本風情溢れる木造温泉旅館。
全5部屋の和室に貸切風呂が一つ、完全自炊の宿には冷蔵庫(1室1台)に電子レンジ、オーブントースター、一通りの調味料、洗濯機など不便なく揃っていた(もちろん調理道具も)
お風呂には草津温泉で4軒ほどしか引湯されていない地蔵源泉を引湯。
これはとっても貴重です!
地蔵源泉は美肌にするのにとっても良く、浸かればつるりとするんだけれど、知らない人は真隣にある無料の共同浴場「地蔵の湯」に入ればすぐ実感できるだろう。
草津温泉の地蔵の湯のファンは非常に多く、共同浴場でも直接耳にすることはしばしば。
観光の中心である湯畑近くにありながら、「耳が良くなった」と実感するほど穏やかな地蔵区の風情は月洲屋の温泉にも良く表れていた。

お風呂は檜作りの貸切風呂でひなびたもの。
小さな湯治宿とは思えないほどに高い天井はがらんとした開放感を静かに味わえる。
無機質な換気扇が無く、高い窓から湯気を吐き出して、草津温泉の青空がちらちらと青く映るのが瞳に嬉しい。
熱湯とぬる湯に分かれた浴槽は46℃と42℃ほど。
砂時計が置いてあり、短く数回に分けて入る草津温泉伝統入浴法『時間湯』に似た事もできるようになっていた。

踏めば傾く板張りを折々パタパタと、足裏で本を読むように見て歩き入った湯壺は癒し力抜群!
重みのあるぬるりとした湯から香るのは、仄かに苦さを含んだ硫黄臭。
ぱしゃりと顔にかけた湯からは、氷の溶けた檸檬水のようなすっぱさがすうと香った。
ぴちゃぴちゃと落ちる湯はそっと落ち着いた胸の底まで優しく響く...

湯花は多く、湯中をふわりと仰ぐと真っ白に染まるのがまた風流!
熱湯のほうなんかは、底を踏んだ瞬間にぶわりと湯の花の波動が丸く広がって見えるほど。
巨人が大地を踏むと煙が広がるシーンとかありますよね?あれと全くと同じ感じ。
熱湯は確かに熱いけど、入っていても芯からゆっくりゆっくり温まるお湯で、顔がかぁっ!と燃えたりしない。
肌当たりもそうだけど、深い所にある神経が遅く段々ととろけて行くような感じで温まる、優しい湯壺の温泉だと思えた。
もちろん源泉掛け流し、艶っぽくつるりとした皮がすぐに出来上がる。
・浴室 2.6 m × 3.4 m (天井高 3.4 m)
・浴槽 1.4 m × 1.4 m
・脱衣場 1.4 m × 1.4 m
閑静がいつまでも横たわる浴室での温泉はほんとうに癒し。
心身共に健康を目指す湯治にはピッタリ!と言った感じで、しなやかな空気感が頭の上に落ちた。
浴室に降りる階段がぼろく少し危気と感じるかも。登り下りは手すりをしっかり掴むと多少安全。
部屋の中は畳敷きで綺麗に掃除されてある。
テレビやポット、トースターに調味料もあってここも不便はなさそう。
泊まる部屋にも寄るかもだけど、外の眺めは程よく樹木があるから目に緑緑しい。
どうでしょう?十分じゃないですか?

廊下も幅は狭いけど天井が高い。息苦しさは一切なく意外と開放的!
湯治目的で泊まるには十分な環境で、個人的には普通に泊まりたいとさえ思った...。
二、三泊くらいのお客を受け入れるのは正直難しそうだけど、湯治をしたい人は月洲屋がぜひお勧め。一週間くらいためしてほしいと個人的には思う。
ちなみにこの日、月洲屋のご主人と泊られてたご婦人の3人で話す機会がありました。
ご主人は気さくな方でお話しが好き。
草津温泉の歴史を良く知っていて、今まで聞いた事ないような話をたくさん聞かせてくれます。
月州屋が骨董・楽焼の販売から始まり、その後下宿業を経て旅館業になったことなど。
草津温泉の街の移り変わりの様子や人の流れ、またその結びつきなど、硬い紐を丁寧に解くように優しく教えてくれます(´▽`)
ご婦人は一人で泊まっているんだけど、もう40日泊まっているのだそう!
これまで何度も利用している常連さんで、月洲屋にはそう言ったリピーターの方がほとんどらしい...
その他、人によって利用目的は色々あるだろうからその時はご主人に応相談。
一週間くらいの中期的な期間から、何ヵ月と言った感じで長期的にも泊まれます。
月洲屋はコスパの良い湯治宿です。
看板に書いてある「勉強の旅館」は、ビジネスの「安くする」の意味で使われる「勉強します」からきているそう(長期宿泊者は応相談ですよ~)

しんとした湯治宿で話している時間は本当に心穏やかで、コーヒーを飲みながらしみじみとした心持ちで柔らかくなれました。
ご主人ともそうですが、他のお客さんとも喋る機会は滅多にないのでそれこそかけがえのない時です。
2021年7月頃には地蔵区で「裏草津」が新たに展開されるでしょう。
時代の流れや集客の考えもあって周りは次々新しく綺麗な建物ばかりになる。
けれど月州屋はこれからも残り続けてほしい...
じんと感じられるような暖かいご主人と建物を必要とする人はこれからもたくさんいる、と今回月洲屋を訪れてみて強く思いました。
【月洲屋】
- 群馬県吾妻郡草津町草津303
- 0279-88-3341
- 1名1泊 夏季(6~9月) 2500円
冬季(10~5月)3000円(灯油代として500円) - 2名1室 夏季(6~9月) 4000円
冬季(10~5月)4500円(灯油代として500円) - 長期宿泊応相談
- チェックイン・アウト時間:応相談
宿泊費は目安!
▼草津温泉伝統入浴『時間湯』とは?
▼【無料】草津温泉の共同浴場は19ヶ所(一般観光客が入れるのは4つ)
▼草津温泉の日帰り入浴はここに網羅!
▼静かな観光場所はこちらがおすすめ
▼草津と言ったらはずせないのが温泉まんじゅう
月州屋さん早く再開してほしいです。何度か草津温泉♨に滞在してますが、是非ぜひ湯治宿でゆっくり、ゆったり
滞在したいと願ってます!
月州屋さん よろしくおねがいします。