こんにちは。群馬県草津町在住の公太です(^-^)
草津温泉の色々な日帰り入浴について、日々体験したことを書いて紹介しています。
先日僕は『草津温泉ホテルヴィレッジ』というホテルの日帰り入浴をしてきました。
草津温泉は湯畑前が主要観光場所であるため、柔らかな風情漂うお宿が集結しています。
しかし温泉街をぶらりと散策していると、少し離れた高台や路地を入った場所にも、気になる旅館などの宿泊施設がぽつぽつあるんですよね。
そのような所は立地上、宿泊費が安く泊まりやすい所が多いこともありますが、「どんな温泉があって、どれくらい清潔感があるのか」少し気になる人もいるのではないでしょうか?
そこで今日は、草津温泉ホテルヴィレッジの日帰り入浴を紹介したいと思います。
触りだけ言ってしえば、非常に大きいこのホテルの温泉では、体にいつまでも滞在するような、肉が芯から温まる温泉が楽しめました。
家族で草津温泉旅行を計画している人や、友達・パートナーと草津へ遊びに行こうかな〜と考えている人は一つ参考にしてみてください。
記事内の情報は全て2020年9月30現在のものです。
目次
草津温泉ホテルヴィレッジとは

草津温泉ホテルヴィレッジは、湯畑の北東方向に大きく広がった、緑豊かな森の中にある大型温泉ホテルです。
高台に位置するホテルの周りは、まだ夏が色濃く残る深々とした緑と、秋の気配が漂う朗らかな景色を浮かべて、花鳥風月を親しませてくれました。
ホテル内外には色々な施設があって、露天風呂付の日帰り入浴の他、ボーリング場・ビリヤード・卓球場・ゲームセンター・カラオケ・アスレチック・テニスコート・ゴルフ・迷路・釣り堀・アーチェリー・サイクリング・レストラン・カフェなどなどがあります(隣のテルメテルメには温泉と温水プールも)
都市部にあるものをそのまま組み込んだようなものなので、特に小さなお子さんや友達同士などは、一日通して楽しく遊べる印象がありました。
※草津温泉バスターミナルや湯畑の送迎(20:20最終)もやっていました。
草津温泉ホテルヴィレッジのお風呂は「うたた寝乃湯(女湯はだんたん乃湯)」と呼ばれているのですが、草津温泉にある旅館・ホテルの中でもかなり上位に入るくらい浴場が広く天井も高いので、解放感があるお風呂と言えました。
石造りの大浴場には浴槽が内風呂に三つ、露天風呂に二つあります。
脱衣場の大きさも含めてそうですが、スーパー銭湯のような不憫の無い、かゆい所に手が届くような造りに似ており、日帰り入浴施設に引けを取ることもありません。
なので「大きな施設や解放感、一ヶ所だけで長く楽しめる様な便利さ」を求める人にはぴったりなホテルと言えます。
住所や地図など、詳しいことは最後の『まとめ』に載せてあります。
草津温泉ホテルヴィレッジのお風呂の魅力

草津温泉ホテルヴィレッジの温泉に入ると青く燃える焔のような、かあっとした熱が、体の芯に宿るのを深々と感じることができました。
大浴場には熱いお湯とぬるいお湯、二種類の浴槽があって楽しめます(露天風呂は二つの浴槽)
熱湯からぬる湯に入り、それから体がしっかり温まって出た時には、体に残る温泉をしっかり拭き上げた肉の底から、じわじわじわじわと火照るような感覚が込み上げ、汗がじっとりと出ました。
通常、一般的には健康の面から考えてぬる湯➡熱湯の順番で入ります。
それはかなり長い時間ほとばしる湯気のように皮膚から吹き上げ、心からほっとするような、また脱力するかのような、くたりとした緩い安心を掴むことができました。
ちなみに大浴場では、草津で主に6つ使われている源泉の中でも、湯畑源泉を引湯して使っています。
湯畑源泉は一番酸性の強い源泉ではありませんが、滑り気や硫黄の香りが強い特徴があり、それだけで温泉の雰囲気が強く漂わせてくれます。
つまりこのように、如何にも温泉らしい効果による王道な実感が得られる面が、個人的には草津温泉ホテルヴィレッジの温泉の魅力であり特徴だと認めました。
百聞は一見に如かずと言うように、この温泉の温かな感覚は入った人にしか分からないかもしれません...
日帰り入浴の時間と料金
露天風呂付の大浴場が利用できます(テルメテルメの温泉は別途テルメテルメで支払いが必要)
日帰り入浴でも20時まで入れるのは嬉しいですね。
草津温泉のホテルや旅館の日帰り入浴は、ほとんどが16時には終わります。そういった環境柄、時間に余裕がある貴重な日帰り入浴とも受け取れました。
日帰り入浴者の駐車場はある?

有り。敷地内の大型駐車場に停められます。
日帰り入浴の注意点
コロナ現在のお宿やホテルでは必ずしも日帰り入浴を毎日やっているとは限りません。
ホテルや旅館に行ったのはいいけれど、お断りされた...なんて話もちらほら聞きます。
そのような理由から対策として、日帰り入浴へ行く場合は事前に問い合わせすることで門前払いを避けられます。
実際コロナ前の草津温泉ホテルヴィレッジは土日も含めて日帰り入浴をやっていたそうです。がコロナの影響により今の日帰り入浴は平日のみになったそうです。
- 営業をしているのか?
- 営業をしているならば何時から何時の営業か?
以上二点を確認しましょう。
混雑具合
混雑する時間を知っていれば少しでも静かに温泉を堪能できます。
どうせならゆっくりと、そして落ち着いて温泉に入りたいと思うので、僕が入っていた時間を一つ参考にしてもらえればなと思います。
2020年9月30日(水) 15~16時
常時四人程度(5、60代の方がほとんどでした)
草津温泉ホテルヴィレッジは時間・規模的に当てはまりませんが、基本的にどこもチェックイン前、且つ11~13時のお昼時は空いている傾向があるので、草津で独泉したい方はそこを狙うと良いです。
草津温泉ホテルヴィレッジ 温泉体験談

僕が体験した草津温泉ホテルヴィレッジの温泉を鮮明に伝えるため、館内の様子をこと細かく書きます。
行く行かないを考える一つの判断材料としてご覧ください(本当に細かいので長文です)
※草津温泉ホテルヴィレッジは脱衣場と浴場の撮影が禁止されています。
入口~脱衣場

草津温泉バスターミナルから送迎のバスに揺られること約5分、バスから降りると辺り一面に広がった草津の大自然が、穏やかな秋の風に吹かれ、さらさらと鳴る葉の音が耳に優しさを叩きました。
突如として訪れる緩やかな自然の温もりは、青い空に漂う透き通るような空気を、以前から欲していたかのように肺の中にぐうっと押し込みました。
朗らかな心持ちでホテルの中に入ると、コロナ対策による検温と手洗い消毒が行われます。
館内は西洋の趣がある洋館で、かなり大きめの広がりの中に、清潔感とお洒落の色を静かに振りかざしていました。
左手にある受付で支払いを済ますと、少し距離のある地下一階の浴場までの道順を、優し気な声で丁寧に教えてくれます。
※横並びの写真はスマホを横にすると見やすいです。
ひたりと歩く足が柔らかく食い込むカーペットを、踊るような心持で踏みながらずんずん中に進んで行くと、和と一線を引く、アンティークなソファやテーブルが瞳を奪います。
途中にはビュッフェ形式のレストランがまだ動く事のない中に賑やかな晩餐の気配を、高々とした天井の下に、大きなガラス窓から入る陽と隣合わせにしながらしんと展開していました。
穏やかに赤く染ったカーペットを落ち着いた足で踏み地下一階への階段を下りて行くと、温泉顔を浮かべた青の暖簾と赤の暖簾が、はらりと軽く見えました。
浴場入口前には、自販機や無料の飲み水、4桁の暗証番号を自分で設定するデジタルの貴重品ロッカー(無料)があります。
「うたた寝乃湯」と「だんらん乃湯」と言う繊細な形の文字が、穏やかな間接照明の灯りの元に繊細に書かれ、これから先に訪れるであろう温かなお湯を、体に流れる血の中に、とくとくとした弾みで感じさせてくれました。
貴重品ロッカー 大浴場入口(手前 男湯)
はらりと垂れ下がる暖簾を頭に霞めて中に入ると、直ぐ目の前に仕切りが取り払われた三段の下駄箱があって、その奥に広々とした脱衣場が広がっていました。
脱衣場は全体的に茶一色の優しさで纏められていました。
床は涼し気な籐、仕切り無しのロッカーは木製の棚にプラスチック籠のセット、鍵付きのロッカーも木目調になっています。
4m×4mの長方形に近い形の脱衣場の真ん中に、鍵付きのロッカー20個(無料)を据え、その周りをコの字に通常のロッカー(56個くらい)が囲っています。
残りの一辺方向に洗面所が6個、長く横に並んでいます。
鍵付きのロッカーは40㎝角ほどでリュックも楽々入り使いやすく、籠タイプのロッカーを使っている人が多かったので、選ぶ場所と共に終始自由な印象がありました。
下駄箱と脱衣場を繋ぐ一本の通路途中に浴場への入口が、無数の滴を温かく付けて中を透かして見せています。
脱衣場の中にはベンチ椅子、ドライヤー、化粧水、乳液、育毛剤、ハンドクリーム、クシ、綿棒、ベビーベッド、足つぼ・足マッサージ機など、ありすぎるほど色々あったので不便の不の字も意識に差しません。
一言で言うとスーパー銭湯のようなもので、料金から考えるとごく自然と捉えることもできますが、大きなホテルならではの便利さと、清潔感がそこにはしっかりと共存していました。
浴場

びっしょりと結露の滴が付いた開戸を開けると、別世界のような空気で、熱い熱気が肌に塗られた後に、眼下には大きな大きな石造りの浴場が広がりを見せました。
奥の方から外にある自然の景色、その手前には横に伸びた浴槽、そしてきちっと並んだ洗い場が二段に渡って備え付けられており、それを伽藍堂の如く高い天井が傘を広げて、全体をすっぽり覆っています。
姿は見えませんが、壁で視界の切れた向こう側には人がいるらしく、シャワーの叩きつけるような水の音がさあぁぁぁと響き渡っています。
その背後では温泉の流れ落ちる音が、やんわりと辺りを包み込むようにじょろじょろと鳴り、反響を幾度も重ねながら耳を打ってきまた。
これらが一気に瞳に飛び込んできた時は、強い解放感を認めざるを得ません。自然心の中が押し広げられた後にできた空間を、得も言われぬほどの楽しい期待で埋め尽くしました。
天下に見下ろす浴槽は全部で三つありました。
浴場自体の大きさは12m×10mくらいあって、左手前の高いところに洗い場が5つ、階段を6段ほど降りた左手前に小さな浴槽、正面に横長の大きな浴槽、露天風呂へ繋がる通路を挟んで右奥に縦長の小さな浴槽、その手前には右の壁沿いに洗い場が12個、L字型に並んでいます。
床はかなり大きな灰の石タイルを畳み、縦横不揃いに切りつけられたくねくねとした線模様を、まばらに浮かべています。
表面には湯浴みにて散ったお湯や温泉が、きらりと輝く艶を辺り一面、大人しげに与えていました。
歩く足裏には草津温泉の滑りを帯びた石のざらりが、丸い刺激をそっと感じさせました。
壁は更に薄い灰色の、肌が綺麗な長方形の石タイルを何枚も何枚も高々と積み重ねて、伽藍堂へと繋がる天井へと手を伸ばしていました。
積み上げられた石タイルは真新しそうな顔に、壁に備え付けられた橙色の灯りが照らした先で灰を更に柔らかくし、穏やかな印象を持ち寄った結果として見せています。
正面にはめられた縦長のガラス窓二つは、爛々と照る陽光を、湯面に真っ白く落としているのが見受けられました。
縦長に伸びて入り込む陽は、薄ぼんやりとした橙色が照らす浴場を一部分だけ斬り込むかの如く勢いで、突入してきたようにも感じます。
がらんとした天井はおよそ5mくらいはあって、どっしりと重厚な焦茶色を、見上げた天下に満遍なく伸ばしています。
逆に天下から浮かび立つ白い湯気は高く逃げ出そうとして、焦茶につるりとした、しとやかそうな女性の影を湿っぽく張り付かせ、所々から滴を落としていました。
【源泉・浴槽の造り・大きさについて】
草津温泉ホテルヴィレッジで使われているのは湯畑源泉(PH2.1の酸性)
石造りの浴槽は三つの大きさ、そして二つの湯温で分かれています。
それぞれに入れる人数は、およそ15人、4人、3人と言った感じでかなり差がありますが、15人入れる方は広大な趣がありました。
浴槽縁は幅20㎝ほどの赤御影石をぐるりと敷き並べています。
縁の表面は、永遠と溢れ出る温かな温泉が白いくすみを運び、赤い御影を柔らかく表現しています。
角は丸く削られているのでぺたりと尻をつくと、肉にはほっとできるまで丸顔になった、石肌のざらざらが優しく当たりました。
浴槽の中には一周回すように濃灰を帯びた段々が一つ備え付けられていて、幅25㎝のところに黒くぽつぽつとしたまだら模様を、温かそうなお湯の中に美しく浮かべています。
底は軽石のように色の薄い、ひび割れた長方形の石タイルを畳んで、所々に補修の後を赤茶に浮かべては、この場所の長い時間経過をほんのりと匂わせました。
【色・湯温・指触り】
大量に溜められたお湯はきらりと輝く透明なお湯でした。
お湯は大海のように全体をゆらゆらとさせながら、その上に点在する月明かりのような照明を、何個も何個も美しく映しています。
落ちた灯りは永遠と立つ波によって、卵の黄身みたいにぐにゃりと形を曲げては、大人しそうな橙色を長く伸ばしていました。
お湯の中に左手をするりと差し込むと、約40℃の湯温を感じました。
それを見つけた時には大人しく入るにはちょうど良い湯温を思わず喜びました。
人差し指と親指の腹を擦り合わせてみると、ぬるりとした軽い滑り気の存在が分かります。
ほどなくしてうっすらと姿を消すその滑り気は、草津温泉らしさを掌で優しく踊らせました。
【お湯へ入った時の肌への刺激・浴槽の深さ】
温かきお湯にどぽっと足を突っ込むと、温かき湯温が皮にへばりつきます。
へばりついた湯温は皮をじわじわと温め、肉の中にゆっくりと潜り込んで来るようなものでした。
中にある一段に座るとへその上に湯面がきて、どっぷりと底の底まで腰を下ろすと、鎖骨辺りに湯面が長い纏まりを見せました。
深さは約58㎝です。
首の下にある肉全てが温かく支配されると、肉の表面にはぴりぴりとした趣が、体全体にかけて感じられました。
湯畑源泉らしい少し強めの酸性は、如何にも温泉らしい刺激をほんのりと浮かべて、湯浴みする内にある心を軽々とほぐしてくれました。
足の裏では軽石のようなきめ細かい刺激がゆっくりと前後しています。
しばらくその刺激を前進と後退の最中、浮き浮きとした心持ちで味わっていると、時期に足は暖かき天然をこしらえたように、だらんと真っ直ぐ伸びました。
この時、徐々に徐々に底の方にある体温が、表面にある体温との境界線にじわじわと近づいてくるのを感じました。
【香り】
芯が燃えていく最中、温泉を掌いっぱいに集めて鼻に近づけました。
両手に作られた小さな空間からは、強い強い硫黄の香りが、するすると鼻から頭にかけて流れ込みました。
それは砕かれた胡麻が、元より更に強く香るように、元の硫黄より輪郭を強めたような、濃い硫黄の姿形を示していたように思えます。
つまりこの温泉も、自然に転がっている石を擦り潰して、そこに鼻をやったような匂いの趣を頭に降らせました。
【味】
湯樋からのっぺりと流れる温泉を指に取ってから、ぺろりと舐めて味を確かめてみました。
すると舌先にはさっぱりとした酸味が軽い体重でそっと乗りました。
頬の肉を縮ませることも無く、また苦味やえぐみをもたらすわけでもない酸味は、意識の外へと足早に出て行くようなものです。
【肌触り】
じわじわと熱を帯びて漂う腕をそっと撫でれば、ぬるりとした温泉の衣をほのかに纏っているのが分かります。
穏やかな掌には、しとやかな人が持つ肌が温かく転写されていました。
それを意識に認めると、湯中に浮かぶ軽き身体には、更にほっとするような安心がぶらぶら巡り歩きました。

数分の間に血が生き生きとし、体中をぐるぐると勢い良く周りました。
分離したように感じていた沈んだ体温と上の方で温かく感じていた体温は、すっかり同じ具合に変化を遂げて、あいだにあった境界線は、綺麗さっぱり失ったように思えました。
温かきものが隅から隅まで巡る頃には、湯面からぽっと突き出た頭も強くぼうっと燃えるような熱を帯びたので、くたりとした熱き体が避難を求めているのを認めた後に、湯中の一段にお尻を再び並べました。
半身浴の様な形ですね。
肉と石の間に敷かれた皮には、浴槽底にある軽石のような石タイルよりも粒の大きな、それでも柔らかな石の肌触りが、にんまりと感じられました。
ちょうど良い幅の一段は、両足を乗っけた果てに、骨を抜かれた両足をちょうど良く並べて伸ばすことができます。
背中も全てぺたりと壁に頼ることができました。
体も意識も力をすっかり失うと、そこから眺める秋の空がまた一段と、優しさをたっぷり含む花鳥風月を感じさせてくれました。
これを捉える半分に落ちたまぶたは、朧気を灯した浴場でいつまでも穏やかな空を、いつまでも深いところに落とすことができたように思えます。
他に湯浴みする人たちの顔に視線を投げた時には、同じ幸せそうな緩い表情を、朗らかな気分で長々眺めることができました。
【露天風呂】

草津温泉ホテルヴィレッジには露天風呂もあります。
透明なガラスが入った開戸を右に押し開けると、正面に大きなお風呂が、右手には小さなお風呂が配置されていました。
目の前には風流な趣がある坪庭が広がっており、そこには温泉の足跡を浮かべる少し錆の色が乗ったような薄灰の石垣、石垣の上には竹垣が、優し気な柔肌のような色味を帯びて立っています。
石垣の足元には黒い岩がごろんと何個か積み重ねてあり、黒き肌上に、緑際立つ苔をありありと生やしていました。
更に坪庭には天然自然とは離れた、横に長い水が流れ落ちる滝の作り物が置かれていて、そこからは線の細い幾つもの白糸が、真っ逆さまに落ちています。
下に溜められた泉には、叩きつけるように落ちた無数の水がばしゃばしゃと豪快な音を鳴らしながら、着水地点に白いしぶきの塊を細やかに作っていました。
坪庭の端には、繊細な葉を付けた楓の木が花鳥風月をちらちらと穏やかに揺らしているので、思わず目はそこへ釘差しました。
滝を落とす洒落た作り物の天辺には、塀の向こう側で高々と生えた樹木があちらこちらで頭を出して、力強く緑を空に投げた景色からは、しんと美しい自然が、落ち着いた風流をこちら側へ届けてくれているのを認められました。
露天風呂は二つ、形はこれまた変形した形で、一つは7人ほど、もう一つは2人ほど入れます。
小さい方の石風呂は家族風呂のようにまん丸で、中には腰をかけられるような一段がくるりと据え付けられています。
軽やかな灰を一面に広げたお風呂の頭上には、柔らかき東屋風の屋根が高い所に向かいながら斜めに迫り上がって、上にあるガラリからは、草津の秋の空が眩しく穏やかな陽の光をほっそりと見せていました。
湯口から流れ落ちた温泉は、光の反射を受けた後に風に冷たく包まれ、もくもくと作り出した白い湯気を、目の前にゆらりと立ち上らせていました。
大きい方の風呂には、体はすっぽりと湯に温かく浸かりますが、寝湯のような、体を斜めに寝かし付けて湯浴みを楽しむ所が二つあります。
親子のように大小二つ並んだそれは、枕のような形の浴槽の縁から浴槽底にかけて、猫の背中の丸くしなやかな曲線を長く伸ばし、べったりと預けた体を優しく受け止めてくれました。
宝玉のように真ん丸い灰の湯口とそれに向かい合うように鎮座する円柱の湯口は、じょろじょろどぽどぽと二つ仲良く浴槽へ温かき湯を注いで、けたたましく落ちる滝の水に優しき音の華を添えながら、湯浴みする方の耳を喜ばせてくれました。
露天風呂の湯温は42℃ほど、内風呂にある二つの湯温の中間に位置しました。
お湯は相変わらずじんわりと温かい上に、百花繚乱の眺めである如き露天風呂なので、胸に宿る温泉心は、ますます爛々とした輝きを放つことができました。
源泉は同じなので肌への当たりなどは同じですが、やはり寒暖がもたらした湯気の白い世界は瞳に心地よく、斜めに天を仰いだ景色が朧気になる意識の暖かい頃には、特に美しく青と混じり合って見えたように思えます。
すっかり柔らかくなった体を外に出すと、恐ろしい程に火照っていました。
外に出た事で直に肌を撫でるように吹く風は、一枚のぶ厚い洋服の様な温泉衣を纏った肉の前で、むなしく、絶望するほどの無力を恥ずかしげもなく見せつけました。
いつまでもじんわりと流れ出てくる汗は、どくどくと心臓の音が耳を叩く意識の端で、つうと一つずつ落ちていく様子をゆっくりとした流れで描いています。
露天風呂ではぼんやりとしながら大分この熱さに心を傾けていました。
最早何分経ったのか分かりません。相当な時間を使って火照りを落ち着かせた頃に漸く、うたた寝乃湯に流れる温泉の魅力的な焔を、腑に落とすことができました。
全画面表示する場合はスマホでご覧ください。

休憩は至る所に椅子が置いてあるのでどこでも休めます。
おススメは受付横にあるお土産コーナー前、ガラス越しに外の景色を見ながら、ほっとするような心持で休むことができました(Wi-Fiも飛んでいるので便利)
草津温泉ホテルヴィレッジの宿泊料金(参考程度)
別館(ログハウス) タワー館(洋館)
余るほどの森林浴が楽しめる草津温泉ホテルヴィレッジ、湯畑から少し離れ、本当の意味で静かに過ごせる温泉ホテルだと思います。
食事や買い物、更に温泉街の往来を優し気に歩くける湯畑には送迎バスであっさり行けることから便利さを感じ、ここでゆっくり一泊してみたい気持ちが湧き上がりました。
ということで、できるだけ宿泊費を抑えれそうなじゃらんを使い、最低いくらで泊まれるのかを調べてみました▼
今現在は「Go To トラベルキャンペーンにより宿泊費が35%割引」、落ち着いたホテルに安くのんびりと泊まれるならばそれに越したことはありません。
※10月4(日)宿泊のもので一名予約、表示価格は税込みです(2020年9月30日調べ)
- 12,650円(タワー館)
- Go To適用後 ➡ 8,223円
二人(ログハウス)の場合 14,300円
Go To適用後 ➡ 9,295円 一人あたり4,647円
- 15,950円(タワー館)
- Go To適用後 ➡ 10,368円
二人(ログハウス)の場合 21,946円
Go To適用後 ➡ 14,265円 一人あたり7,132円
※大型ホテル故、タワー館(洋室)・ウィング館(和洋室)・シャトー館(ジャグジースーペリア)・別棟(ログハウス)の4種類に分かれています。
ホテル受付があるのはパブリック棟(本館)
じゃらんで草津温泉ホテルヴィレッジの宿泊を考える時の注意点(着目点)を出しておきます▼
- 一人宿泊の場合は土曜日の予約ができない、しかし料金が一律同じ(9/30現在、じゃらん検索での話です)
- 二名以上の予約はログハウスを選べば宿泊費をかなり抑えられる
じゃらんのGo To トラベルキャンペーンは、予約の際自動で35%割引されるようになっていました。
- 別棟にあたるログハウスは本館(タワー館)から気持ち離れている(送迎バスあり)
- ログハウスではバーベキュープランや、キッチン設備があるため自分達で調理をした食事を楽しめる
2020年10月1日以降出発の旅行は地域クーポン券が付いてくる【期間限定】
10月1日以降出発の旅行を予約している人は、旅行代金15%相当のクーポンが付いてくるので更にお得になります。
いよいよ東京都民も参加可能になったgo toキャンペーン、10月の草津温泉も既に予約がいっぱいな模様(ものすごい効果ですねw)
詳しくは下記サイトに書いてあるので見てもらうと分かりますが、ざっくりどんな物かと言うと、10月1日以降出発のgo toキャンペーン対象旅行で
- 旅行代金15%のクーポン(紙または電子クーポン)が貰える(媒体は予約先による)
- 15%は予約の総額から計算される(端数は四捨五入して計算される)
- 付与金額には上限がある(1名1泊あたり6,000円分、日帰りの場合は3,000円分)
- 使える日は宿泊の翌日まで、日帰りは当日のみ
- クーポンが使える場所は宿泊する県と、その周りの隣接県のみ
- 取扱店舗は本事業のホームページで公表するほか、店頭にロゴ入りステッカーやポスターの表示等を通じて確認
とまぁこんな感じです。
詳しくは『GoToトラベル「地域共通クーポン」を詳しく解説!10月1日開始』をご覧くださいませ。
これに便乗して宿泊費を上げている所もあるようですが、それでも通常時よりは痺れるくらいお得になっているのが実状です。本音を言うならば僕もこれを機に旅行しまくりたいですw
じゃらんからの予約した場合は宿泊施設にて紙クーポンが配布されます。チェックイン時に受け取る形です。
旅館は大体定刻より少し早くチェックインすることができるので、早めに到着してもらうのが良いのかなと思います。
※宿泊代金が3,334円未満の場合はクーポンが貰えないので、それだけ頭に入れておきましょう(3,333円×15%=499円と、四捨五入すると0円のため)
【耳より情報】東京から草津温泉まではバスで行くのが意外と早くて安い
仮に東京近辺に住んでいて車を持っていない人が草津温泉に行くとなると、交通手段は電車+バス、もしくはバスしかありません。
ではどちらが行きやすく楽なのか?
答えは『バス』です。しかも往復で換算すると電車より【往復約1600円】安く行く事ができます。
それでいてかかる時間は電車とほぼ同じ。
新宿駅からバスで行くとなると、「バスタ新宿~草津温泉バスターミナル 約3000円~ 4時間」で行く事ができます。
バスの中にはトイレもUSBも付いているので、よっぽど小さいお子様がいる状況でなければ、結構楽な環境であっという間に草津温泉まで行く事が可能。
ちなみに新宿駅から電車の場合最低でも、
①新宿駅~長野原草津口駅着(鈍行) 約3080円 3時間21分
②長野原草津口駅~草津温泉バスターミナル着(バス移動) 710円 25分
【計約3790円 3時間46分】※バスへの乗り換えが超上手く行った時の場合
これを新幹線にしても約30分早くなるだけ...しかも電車代が6000円に跳ね上がります。
長野原草津口駅~草津温泉バスターミナルのバスは『早くても12時台の20分置き』、その他は30分~1時間15分置きくらい。
かく言う僕も実家は埼玉県の草加市近辺なので、いつも実家へ戻る時はバスを使っています。
最初この事実を知った時は予想外の交通費だったことから胸が躍りました。
現地で車が無くて不便じゃないの?と思うかもしれませんが、草津温泉では実際車なんか無くても余裕で色んな所を周れるので心配もありません。これは実際こっちに住んでみて体感済みです。
なので車が無い人も車がある人も、バスの選択肢を考えてもいいのかなと個人的には良く思います。
もしハイキングなどでもっと足を伸ばしたいなら、バスは「じゃらん」や「ヤフー」から予約することができます。どちらも値段は特に変わらないので、使い慣れた方を使えばOKです。
※大阪・愛知・福岡からも同様に草津温泉までの高速バスが出ています。
普段全くバスに乗らない人はこう思うかもしれません(僕がそうでしたw)
大きくて迷いやすい新宿駅からバスタ新宿までの行き方が下記のウィラコレさんの記事に分かり易く載っています。新宿に慣れてない方にはかなり役立ちますよ▼
施設情報を含む、草津温泉ホテルヴィレッジまとめ
最後に施設情報含めて今回の記事をまとめます▼
- 湯畑から北東方向にある緑豊かな自然の趣が感じられる大型ホテル
- 湯畑から離れているので、本当に閑散としている場所で落ち着くことができる
- 露天風呂付の大浴場は広く解放感があり、スーパー銭湯のような印象
- 日帰り入浴は平日のみで土日祝日休みの人は利用しづらい、そして1000円と高め
- 湯畑やバスターミナルからは誰でも使える送迎バスが出ているので移動は簡単
- 営業時間が長いので時間に余裕を持って日帰り入浴ができる
※スマホの人は横にして見ると見やすいです▼
住所 | 群馬県吾妻郡草津町大字草津618番地 (バスターミナルから徒歩5分) |
駐車場(日帰り入浴者) | 有り |
料金(大人) | 1000円 ※小学生までは500円 |
営業時間 | 14:30~20:00 |
源泉(掛け流し) | 湯畑源泉 |
泉質 | ◎酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉) |
PH(水素イオン指数) | 2.1(酸性)殺菌・ピーリング効果 |
効能 | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症など |
設備 | 無料ロッカー・シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ドライヤー・シェービングフォーム・ハンドクリーム・化粧水・乳液・フェイスタオル |
その他 | ・コロナ現在は行く前に要問合せ(営業時間の確認)・露天風呂あり・フリーWi-Fiあり |
HP | 草津温泉ホテルヴィレッジ |
TEL | 0279-88-3232 |
眺望 | 坪庭・一面に広がる空・高々と伸びた木の頂部(紅葉も楽しめます) |
草津温泉バスターミナルからの行き方(送迎バスでの風景)▼
送迎バスの後部座席から撮っている映像なので、少し見づらいです(すみません)


泉質について簡単に知りたい方は温泉部さんの「【1分で分かる】泉質と効果効能(適応症)一覧まとめ!療養泉は普通とは違う?」をご覧ください。
草津温泉ホテルヴィレッジでは、花鳥風月を友として過ごすことができる自然味溢れる大浴場と、体の芯から温まることの出来る良質なお湯がありました。
草津温泉なので自然が多いのは当たり前ですが、このホテル周辺の緑は湯畑から見る同じ自然でも、頭から降り落ちて来る四季の量がまた一味も二味も違います。
その他、いつまでも体に纏わりつく燃える様な熱を与えてくれるお湯も、明らかに泉質が良いと感じられ、そういった両者の意味でも風流な温泉を楽しめました。
個人的にここへは「一人でもみんなでも来たい」、そういった温かな趣がありました。
以上、草津温泉ホテルヴィレッジの日帰り入浴紹介を終わります。
どうもありがとうございましたm(_ _)m
平日 14:30~20:00 1000円(タオル付)
小学生までは500円
※支払いは現金かクレジットカード