こんにちは、日本三名泉の地で有名な群馬県草津町に住んでいる公太です。
草津温泉は温泉の湧出量が多いため日帰り温泉がたくさんあります。なので湯巡りを楽しむにはとっても便利な観光地!
しかし多すぎるゆえどこのお風呂が良いのだろう...と迷う事もしばしば...
そこで今日は、温泉街の中心である湯畑からもバスターミナルからも近い「飯島館」の日帰り温泉を詳しく紹介。
飯島館は草津の湯の中でも特に貴重な源泉を使っている旅館なので、人とは違ったお湯を味わいたい人にピッタリ。
立地的に優れているので草津初心者にもぜひおススメです。
目次
草津温泉 飯島館の日帰り温泉は貴重館が多め

飯島館は湯畑から徒歩2分、草津温泉バスターミナルからは徒歩1分の場所に立った大正十三年創業の老舗旅館です。
草津の観光中心地である湯畑近くにあり立地の良い飯島館ですが、くすんだ白塗りの壁の感じが、昔ながらある温泉宿の趣をありありと漂わせていました。
木造りではないですが館内は赤のカーペットを清潔に畳み、その上に金魚や日本人形、行燈、不揃いな椅子などを纏まりなく泳がせる、如何にも小さなお宿らしい飾り付けが胸をそっと抑える空間で、時計の針をくるくると遠い昔へ巻き戻された気分になります。
▼以下実際の体験談
旅館入口~脱衣場
晩秋の肌をひやりと薄く撫でる風を冷たく感じながら、草津温泉バスターミナルを起点に1分程歩くと、ほっそりとした路地に飯島館はありました。
昔から特に手を加えていないであろうと思われる古い建物は、閑散や長閑の声を秋空へ向かってしんと発しています。
入口横にある横長の看板には、丸輪の中に黒塗りの丸を五つ並べた梅鉢のような黒い家紋が、温泉街の風情を路地に細長く透き通らせていました。
ロビー ロビー左奥にある受付
ガラスの引戸をがらりと引き内にある自動ドアから館内へと入れば、天壁のくたびれた白と床の赤が多く制するロビーが、懐かしさを思わせる香りをそっと広げています。
気配を察した仲居さんがすたすたとした足音と共に奥から現れ、いらっしゃいませと元気よく向かい入れてくれました。
昨日宵の内に訪れ日帰り温泉を予約しておいた事を伝えると左奥にある受付に案内され、そこで検温と支払いを済ませた後、再びロビー右にある風呂場の入口へと向かいました。

湯の文字が赤くぶら下がる暖簾をするりと抜けて、右にある開戸から脱衣場へ入ります。
白壁をくるりと回す脱衣場はこじまりとして、2、3人程度が用足しをできる広さでした。
右にロッカー、左下に休憩用のベンチ椅子、正面に浴場の入口があります。
壁付けのロッカーなので足元は伽藍と空いて、狭いながらも窮屈さを若干取り払われたような感覚があります。
その他脱衣場にあるものはドライヤーと綿棒があるくらい、洗面台は無く必要最低限と言った所。
頭に白く光った裸の蛍光灯やくすんだ色味など、長く使い込んできた時の流れが全体にありあり感じられますが、ロビーから脱衣場までは清潔感もあったお陰か、歩く足はほっとした色味を帯びる軽き落ち着いたものになりました。
貸切風呂内~

陽を明るく透かした擦りガラスの開戸を押して入った浴場は、草津温泉を想わせる硫黄の香りをふわりと、体の前から風と共に温かく被せてきました。
殺生石のような漆黒の岩をこしらえる石造りの浴場では、浴槽へ落ちる温泉が、ばしゃばしゃと湯を驚かせる音を耳へと響かせています。
正面にある明るい窓には、温泉街の往来を細長く歩く人々の影が行ったり来たりしているのが、日曜の穏やかな瞳にちらちらと斜めに映り込みます。
窓に掛かるすだれから漏れる細い陽の連続を折々川のように眺めました。
浴場は小ぶりの大きさで約3.4m×2.7m、左手前に洗い場が一つ、左奥に縦長の浴槽、右側に1mくらいの通路幅を設けてそこにも洗い場を縦に4つ、低めに設けています。
旧式ばった剥き出しの配管が、胸にうっすらとした旅館との近しい距離を温かく運んでいるようでした。
床に様々な大きさ、様々な色味を帯びた長方形の灰の石が、明け離れた午前中にはまだ乾いてつるりと畳んでありました。
面を取られた上を通る足裏は終始滑らかで、石造りと言えどもさらりとした踏み心地。掃除の手も行き届いており清潔感もありました。

壁は淡い白にぼこぼことした模様をまだらに浮かべ、所々に漆黒と錆びたような温泉風情を塗りたくっています。
左側に横たわるどす黒い岩が、白や灰、錆びの色をほんのり浮かべ、温泉顔をごろごろと色濃く腰辺りまで積み重ねていました。
白く伸びた壁はそのまま四方八方、高さ2.2mほどの天井までぐるりと一重に回っており、建物の内外共そうですが、白で多く支配しています。
天井から抜けた穴の先には良く晴れた天下に座す、斜めに行き交う往来側へ向かうがらりがあって、そこにちらりと眩しい秋空の白い顔が見えました。
白く踊る湯気は自然そこに吸い込まれるように、一丸とした纏まりを朧に流しながら、眼前で美しく動きます。

【源泉・浴槽の造り・大きさについて】
僕が入った貸切風呂では草津でも珍しい「綿の湯源泉」が使われています。
これは草津温泉の有名所で言えば、「草津ホテルの別館、ホテル櫻井」など数件くらいでしか使われていないものなのですが、希少なお湯とのことで今回それを堪能するために選びました。
それが全体的に灰掛かる、約1.7m×1.5mある浴槽へと熱く注がれています。
入れる人数は多くても三人。右手前の角を斜めに切り落とした長方形に近い石造りの浴槽は、幅10㎝くらいの浴槽縁が固く回してあります。
中に段々を一つ、手前側だけに設けてありました。
黒き岩の高い所から落ちるお湯がたっぷりと張られた湯を透明に突き刺して、上下に起こる波の波紋が浴槽縁の所で、薄い幕を外へとゆらゆら切り、石畳みを温かく滴らせる動きを見せていました。
午前の陽が明るく振る舞う浴場を白き湯気がふわりと優しく流れ、すうと天井の穴へ向かう足取りを全体で造り上げていました。
【色・湯温・指触り】
お湯の色は無色透明、透き通るような純粋で柔らかそうな温泉は、目を浴槽底までくっきりと貫き通します。
白き湯気の立つお湯に手を差し込むと、およそ45℃ほどのびりっとした湯温が皮膚に熱く刺さりました。
湯の中を通り抜けた手は早速艶々しくなり、爛々と降り注ぐ陽がきらりと皮を光らせます。
触れる綿の湯はくっきりとした滑り気で手を分厚く覆い、引き揚げた手からぽたりぽたりと綺麗に流れ落ちて行く感じ...
太く熱めを兆したお湯に出会った心は、如何にも温泉らしいと行った温かな心持ちになりました。
まぁまぁの湯温なので熱すぎて入れない人は、湯口の左上にある赤い栓を捻れば温泉を止められるので、お好みで調節して下さいとのこと。
【お湯へ入った時の肌への刺激・浴槽の深さ】
対峙した熱さをじっと見つめた後、ゆっくりと足を浸けていきました。温泉に触れる足の指からはびりびりとした感覚が脳天から熱く抜けていきます。
焰に投げ込まれたような肉を徐々に徐々に深く感じながら両足がすとんと遅く着地しました。
ぽつぽつと宿る熱を遠くに眺めながら、じわりじわりと体を段々へ預けていき、そこにお尻がぺたんと座る頃には、いつの間にか殺した息も大きくふうと外へ逃げ出しました。
段々に座ると胸の下辺りに湯面が来て、温まった石のざらりとした感覚が胴や足の肉に身をそっと寄せました。
温泉が広く当たるようになるとびりびりとした酸の存在は益々強く感じられます。
薄皮の下にある神経を小さく噛むような肌への当たりはこれぞ草津温泉と言えるようなもので、他の源泉よりもずっと立派な酸性でした。
綿の字を打ち消すような発見は文字の上での印象を朧気にし、短い時間の内にふわふわと空に流れたように思えます。
湯中に沈んだ足の指の間を湯の刺激が切り抜け、湯壺で右往左往する度、いつまでもいつまでも激しく通り過ぎるようなお湯でした。
浴槽底までどっぷりと浸かると鎖骨の辺りまで湯面に隠れたことから、およそ57㎝ほど。熱さで最初は足を伸ばせませんでしたが、みるみる肉がほぐれた後は、縛りを解かれて自然にだらんと湯中を漂いました。
【香り】
手に集めた透明なお湯を顔に多く近づければ、硫黄の香りがはっきりと鼻に入り込みます。
苦いようなえぐいような硫黄は顔面を埋め尽くす手の皮から、血が温かく踊る肉に染み込む勢いで香り、するりと鼻奥へ抜けていきました。
【味】
漆黒の岩を白で垂直に塗りつぶしているお湯の滝へと指をくぐらせ、温かくぺろと舐めてみました。
温泉にはすっぱい味が通っていて、酸味自体ははっきりとしていますが、ぼんやりとした足跡の、とても軽い凋落の表情だけが舌先にさらりと残りました。
【肌触り】
火を点火した深い肉が全体に兆す頃に肌をすっと撫でると、色の濃い温泉衣を着込んでるような柔らかい趣が掌に感じられます。
行き来する腕に容易く認められたぬるりとするものは、最初の頃に感じた指感触と同じで、くっきりと存在する温かな湯の姿は、たちまちのうちにそれを認めた意識をしんと落ち着かせてくれたように思えます。

ものの数分する内に体はぼうと熱くなり、湯壺から突き出た顔もすっかり艶を帯びました。
肉もくたりと芯からほぐれていたので、石畳みの上で温かく休みました。
仄かに湯気を発する濡れた肌の上を、下に向かう滴がつうと熱く落ちていきます。
足の先を中心とした熱は冷める情緒を見せぬまま、いつまでも長く深く居座ります。
不思議なことによほど酸が強いためか、引き揚げた皮膚にはびりびりとした刺激が滞在し続けていました。
相当な肌への当たりの強さと刺激を認められた綿の湯は、記憶の底深くへ重く沈殿します。
肌が弱い人には合わないかもしれません、酸が苦手な人には効きすぎるかもしれません。
幸いにも酸に親しむ肌を有していた頭の端では、行き交う往来の影をほんのりと目に映しながら、ばしゃばしゃと鳴り響く湯の音を心地よく耳に叩いていました。
お風呂は貸切風呂二つと大浴場二つ(男・女)があって、家族やカップルでゆっくり草津の湯を味わう事ができる仕様になっていました。他の浴場・浴槽には湯畑源泉が引湯されてます。
後日行った大浴場▼
駐車場はある?(車で飯島館へ行く時は)

車で草津温泉へ来た人は、無料で旅館の駐車場に車を停められます(宿泊者優先)
もし旅館の駐車場が埋まってしまった場合は近くの有料駐車場か、徒歩20分ほど離れた無料天狗山第一駐車場に停めて行きましょう。
ちなみに一番近いのは湯畑観光駐車場(徒歩1分)です、その他草津温泉街の駐車場を知りたい人は▼
飯島館、日帰り温泉まとめ
という感じで、温泉番付でも東の横綱と称される草津温泉の中から飯島館を紹介しました。
飯島館の日帰り温泉は一日三組限定と縛りがあり繁忙期は予約も取りづらいですが、大人気の草津温泉でも混み合うこともなく、鍵付きなので落ち着いてゆったりと入れるのが魅力ですね。
一口に草津温泉と言っても様々な源泉から成る色んなお湯が至る所にあります。それらは一見すると同じようにも見えますが似て非なる物、異なる趣があると僕は思っています。
草津に来た際はたくさん湯巡りをして自分の好みのお湯を見つけるのも一興。選り取り見取りの温泉旅行を暖かく楽しんでください。
料金で考えれば一人1000円で貸切風呂に入れるのも草津温泉街の日帰りでは珍しいです。ただ三人からはコスパが他店と並んでくるので御注意を。
住所 | 群馬県吾妻郡草津町大字草津447-8(湯畑から徒歩3分、バスターミナルから2分) ぐんまみらい信用組合向かいにあり |
無料駐車場 | 有り ※宿泊者優先、埋まったらパーキング停めましょう(直近は湯畑観光駐車場) |
日帰り温泉料金 (一人) |
大浴場 大人500円 子供250円(3~12歳) |
営業時間 | 日~金 11~15時 ※一日三組限定! |
源泉(掛け流し) | 湯畑・綿の湯 ※綿の湯は「貸切風呂」のみ |
泉質 | 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉) |
PH(水素イオン指数) |
湯畑 2.0 |
効能 | 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・うちみ・慢性婦人病・冷え性・ 皮膚病一般・健康増進など |
設備 | シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ドライヤー |
その他 | 要事前予約!受付時間は7~21時、当日の場合は7~9時。タオル無し。 |
公式HP | 草津温泉 飯島館 |
TEL | 0279-88-3457 |
眺望 | 無し |
温泉の泉質について簡単に知りたい人は➡温泉部さんの「【1分で分かる】泉質と効果効能(適応症)一覧まとめ!療養泉は普通とは違う?」をご覧ください。


飯島館の「素泊まり・一泊二食付き」二つの宿泊費をじゃらんで調べてみました。
草津温泉旅行をしたい人は参考までにご覧ください。
※11月29(日)の一名予約、二名予約の二通り、表示価格は税込み。
(2020年11月15日調べ)
- 8,680円
- Go To適用後 ➡ 5,642円~
二人の場合 15,360円
Go To適用後 ➡ 9,984円 一人あたり4,992円~
見ての通りですが宿泊は良心的な価格でやっていました。一人宿泊プランがあるのもお一人様には有難いことですね。
口コミはこちら➡「飯島館」
余談になりますが最新のお得情報として、JR関東バスでは2020年11月30日までの申し込みは、クレジットカードによるネット購入で30%offになっていました。
草津温泉街の観光は➡「モデルコース(草津観光協会)」
湯畑での食べ歩きは➡「草津温泉街の食べ歩きグルメ!立ち寄りたいおすすめ店8選(icott)」
日本三大温泉を無料で楽しみたい人は➡「草津温泉共同浴場、全19ヶ所まとめ【2020年コロナ後】」
二人の場合 10,360円
Go To適用後 ➡ 6,734円 一人あたり3,367円~