こんにちは、群馬県草津町在住の公太です。
先日、草津温泉にある共同浴場『千代の湯』にて時間湯というものを体験してきました。
草津温泉は日本三名泉の一つに数えられるほど良質なお湯を持ち、恋以外の病は全て直すとまで言われるお湯に浸かることができる温泉街です。
実際草津温泉には多くの湯治客が訪れ、アトピー性皮膚炎やリウマチなどで苦しむ人の身体を治して行くのですが、そのお湯の効果は医学的にもドイツの医師「ベルツ博士」が立証しています。
そのお湯の効果を最大限に発揮するために行うのが『時間湯』と呼ばれる湯治療法。
今日は草津の時間湯について説明し、その体験方法まで詳しく教えたいと思います。
無料で体験することができるので、草津温泉に来たら旅の1ページに時間湯を挟んでみてはいかがでしょうか。
観光の一環として温泉文化を楽しむ事はもちろん、病気で悩む人達にとっては新たな兆しが見つかる経験となるかもしれません。
草津温泉独自の入浴法、時間湯とは

草津温泉の時間湯とは、江戸時代から明治時代にかけて行われた体質改善のため高温の温泉に浸かる『湯治療法』です。
時間湯は草津温泉独自の入浴方法であるため草津でのみ体験できるのですが、アトピー、ステロイド皮膚症、うつ、不眠症など、外部・内部に巣食う様々な病気を撃退する効果があります。
効果の程は草津温泉を世界に広めたドイツ人医師の『ベルツ博士』が医学的に証明しており、医者のお墨付きとも言えるようです。
もちろん草津は泉質主義なので、源泉掛け流しもこれに一役買っているでしょう。
時間湯湯治療法と言われるくらいなので、湯治客に対しそのやり方や安全を指導する『湯長』と言われる人間も存在して行われてきました(湯長制度と呼ばれる)
湯長制度は2020年度に廃止されてしまいましたが、現在は主に観光客向けとして時間湯を、千代の湯・地蔵の湯で体験できます。
では時間湯では一体どんなことをするのでしょうか?これを次の部分で簡単にまとめました▼
入浴方法

時間湯の入浴方法はしっかりと決められたやり方、決められた順番などが決まっているので、ここに流れを書いておきます。
- 湯もみ 湯もみ板と言われる細長い板を使って湯をかき混ぜ、高温の温泉を48℃以下に冷ます(湯長制度廃止後の現在は44℃以下)
- かぶり湯 手桶を使い湯を体に掛け、熱さに体を慣らす。のぼせたり貧血の防止も兼ねています(足20杯➡下半身を清める➡頭30杯の順に行います)
- 湯長の号令で一斉に3分間入浴 現在湯長がいないので経験者がいれば経験者の号令の元に行います。いなければそれぞれが自分で静かに入ります)
- 湯長の号令に従いひたすらしんと入浴を続ける 合間合間に入る号令には「オ~」と言う返事を持って返し、のぼせなど体調不良などの確認などもこの時見ます。
- 入浴後、大きなバスタオルで体を包んで静かに座る 脱衣場で温かい水を飲み脱水症状を防いでから静かに体を落ち着かせます(汗は拭きとらないのが良いそうで、この間に汗をじっくり出します)
- これらを日に最大4回繰り返す
▼時間湯中は以下のような号令がかかる
一. したくが宜しければソロソロ下がりましょう。※浴客オーと返事(以下六まで返事は同様)
草津温泉 時間湯オフィシャルサイトより
二. 揃って三分~。
三. 改正の二分~。(一分経過)
四. 限って一分~。(二分経過)
五. チックリ御辛抱~。(三十秒前)
六. 辛抱のしどころ~。(十五秒前)
七. 最直(もうじき)です。(十秒前)※ありがたい
八. 如何(いかが)ですか。(五秒前)※効きました
さあ効きましたらソロソロ上がりましょう。※オー!
僕が時間湯を体験した時は経験者がいたので号令を掛けてくれ、時間湯の雰囲気をより鮮明に味わえましたが、これもタイミング。号令を掛けてくれる人がいないとちょっと味気ないかもしれません。
以上一連の流れを、底まで木造りの浴槽に熱く浸かって行います。時間にしたら30分もあれば終わると言った感じでした。
ちなみに時間湯をやる浴場は一つなので、男女共に来れば湯もみ以降は交代で行います。
一番最初は千代の湯の管理者が湯もみのやり方を丁寧に教えてくれました。
みんな一緒にざぱざぱと音を激しく立てながら、そして管理者が草津節を歌いながら、真っ白い煙を立てて湯もみを熱く行います。
草津温泉湯畑前の熱の湯でも有名な「湯もみショー」がやっていますが、時間湯体験は本気で湯もみをするので迫力と、手に掴むお湯の重みが違います。
ですが、この体に感じる湯の臨場感溢れる感触が時間湯体験の醍醐味だと個人的には思いました。
体験してみた印象

実際時間湯と言うものを体験しましたが、本格的な湯もみをできたことや、草津温泉で味わうことのない「熱の湯源泉」を全身で浴びることができたことから、とっても貴重な体験ができたと言えました。
お湯は絹のように柔らかい白濁湯、草津の酸性がもたらす肌へのぴりぴりとした心地よい刺激を、深めの浴槽で、口を閉ざした中静かに味わえます。
優し気な木造りの浴槽で、お尻をぺたんと着けば口まで湯面が達してしまいますが、44℃と言う少し熱めの美しい湯壺に真っ白く浸かる時間は、湯けむりに囲まれた温泉顔を浮かべる浴場で、得も言われぬ喜びとなりました。
今回は湯治客がいなく、特に和気あいあいとした雰囲気の中行えたので、終始朗らかな雰囲気がゆっくり流れていたように思えます。
とは言え湯長制度が無くなった現在では、湯治客がいても、昔ほどぴりっとした空気でやらないのかとも見えました。
初めて手にする湯もみ板も、見ているのと実際やるのとでは扱いが全然違く、最初は要領を得ないでぎこちなく湯を熱くかき混ぜていましたが、次第に慣れると、板から手に伸びる湯の重みが、浴槽に溜めた熱の湯と心を優しく繋ぐようにも感じられました。
草津温泉はただ観光に来てその辺の温泉にふらっと浸かるでも十分楽しいですが、時間湯やると、更に特別な気分をこしらえたような一日にできるなと思えました。
これが無料でできるのはほんとに嬉しいものですね。
時間湯は元々有料で行われていたもので、当時は560円/一回かかっていました。
時間湯を体験する方法(時間・場所・受付方法・持ち物)

草津温泉独自の時間を体験する方法を下記に記載します。
申し込み方法は至って簡単、当日の朝にでも電話して『時間湯をやりたい』と伝えたら、後は現地へ行くだけで済みます。
時間湯体験は4つの時間帯から選べます。電話した際伝えると良いでしょう。
9時~、11時~、13時~、15時~(長くて一時間程度)
【休館日/水曜日】
- 水
- 小タオル
- バスタオル
水は忘れても貰えますがタオルは必ず持って行きましょう。
時間湯は一人からでも申し込めます。

電話するだけで誰でも簡単に申し込めるので安心してください。
時間湯入口
正面、突き当りが時間湯の入口になります。5分前に着いたら必ずインターホンを鳴らしてください。
左右にある男女入口の扉に入れば普通に温泉にも入れますよ。
地蔵の湯で行う時間湯は、本格的な当時目的として時間湯をやりたい人が集まるそうです。
【時間湯についての余談】
有料ですが時間湯はテルメテルメという、湯畑から徒歩20分ほど離れた日帰り温泉施設でも行っています。
草津温泉街の観光については➡「草津温泉観光協会公式HP(おすすめモデルコース)」
草津温泉のグルメに関しては➡icotto(イコット)の「群馬の草津温泉♪絶品のおすすめランチ&名物グルメ11選」
場所は『千代の湯』と言う共同浴場で行います。電話して時間の確認を取ったら5分前までに行きましょう。
住所:群馬県吾妻郡草津町草津367-4(湯畑から滝下通りを徒歩2分)
Tel 0279-88-1320