こんにちは、群馬県草津町在住の公太です。
三日に一度は湯畑に出向いて温泉街を感じています。
先日草津温泉街の一角にある白根神社へ行ってきました。
白根神社はしゃくなげの群生地で、草津の名湯とぶらぶら散歩、自然をセットで楽しむ事ができる神社です。
お寺と言えば湯畑目の前にある光泉寺のほうが知名度があると思いますが、実はココ、広さも、紅葉も、静けさも、それより上であることを知る人は少ないと思います。
お寺なのでそういったことで判断するもんじゃあ無いと思うかもしれませんが、白根神社全体が花鳥風月を友とできる場所なので、今回観光地の一つとして紹介したいと思います。
草木を分けた道を細く歩く時間は長閑の一言で、喧騒を離れてほっとすることが簡単にできますよ。
本記事ではお寺の歴史や背景と言うよりも、白根神社の雰囲気をお伝えします。
目次
【湯畑から徒歩3分】散策可能な草津温泉の白根神社はとても静か

白根神社は、草津温泉湯畑の北西に見える高台に位置した神社で、湯畑からは、湯滝通りを40mほど進み、湯川テラスを過ぎた辺りにある右の路地へと入ればすぐ着きます。
徒歩3分くらいと言った所で観光中心地である湯畑からは非常に行きやすいです。
火山活動中の白根山を祀る神社で、元々は白根山頂にあったそう。
白根神社の御祭神は日本武尊(ヤマトタケル)と言う伝説の人物で、景行天皇(父)の命で東国に異民族討伐に出かけた際に草津温泉を発見したと伝えられています。
草津温泉の入口でもある草津運動茶公園(道の駅)付近に遥拝所(ようはいじょ)があったようですが、明治六年、郷社(ごうしゃ)になり、社殿が現在地である囲山公園内に建てられました。
この辺の話は小難しいので、詳しく知りたい人は「こちら」をご覧ください。
白根神社では毎年7月17、18日に祭礼を行うようで、その時には湯畑を囲むように的屋がずらりと並び、わらわら集まった多くの人の熱が湯畑を高々と盛り上げます。
しかしコロナにより2020年は中止、僕は未だ体験した事がありませんが、ゆくゆくは再開され神輿も再び担がれるでしょう。
祭りに関してはおでかけポコさんの記事を参考にどうぞ。
公園内はとても静か、閑散とした森の中には十返舎一九碑・諏訪神社・草津鷲湯碑・芭蕉句碑など、草津温泉の歴史を記す物がたくさんあるので、次にそれらを写真と共にさらさら紹介して行きます。
順を追って行くと下記のような景色がゆっくりと目に並んでいきますよ。
住所や地図等は最後の「まとめ」に書きました。
南門入口

湯畑を観光して行くと自然この南口から入って行く事になります。場所は滝下通りにある湯川テラス(足湯が目印)を少し過ぎた右手辺り(KAJIYAと言うバッグ専門店前の道を右に曲がりましょう)にあり、入った奥には松美定食も見えます。
神社の趣が漂う石階段がずらり高く続き、頭に振りかざされる草津の緑や、秋になれば紅葉をどっさりと浴びながらぱたぱたと昇ります。
見ての通り斜面から始まるので雪が積もる頃は足元に注意しましょう。
入口は南門の他、西の河原公園駐車場側や、桐島屋旅館の駐車場内にもあります。
階段を行き尽くすした右手には下記のような風景が静寂の内に広がり、奥へと続く石畳みがはたりと消えて見えます。
石段上、右手の風景 石畳みの右手にある東屋
涼しい草津の夏や10月のまだ暖かい日ならここで、ほろ苦いお茶を片手に、買ってきた饅頭やおかきを頬張るのが甘い幸せかと思います。
草津温泉には食べ歩けるものがちらほらありますよ。
拝殿少し前にある手水舎 拝殿へと続く道
上記左の写真は11月19日の14時頃撮ったものですが、暖かい西日がとても穏やかに全体を包んでいました。
右は11月3日の紅葉ですね。

南門から石段を高く上ってくれば拝殿までは割とすぐ着きます。
写真に少し移り込んでいますが、11月19日だと言うのに色づいたもみじが一つ、凛としとやかに佇んでいました。
冒頭にも書いた通り白根神社は森になっているのですが、特に紅葉が見事で、温泉街付近で見れる紅葉の中でも緑・黄・紅の移り変わりがとても鮮やかに見れます。
この場所は、湯畑に観光客が多くいても寺内の人が少ないので、静かに過ごす絶好の隠れ場所だと思いますよ。
拝殿

こちらが本命である拝殿、長い石段を昇り尽くしたら右に折れ、石畳に習って進むと森の中に鎮座しているのが見えます。
風情ある木造りに白く垂れ下がる旗、そして旗に左三つ巴が黒い渦を起こし、伽藍とした神社と、草津温泉の風情を浮かべています。
ここに居ると、訪れる観光客の打ち出すがらんがらんとした鈴の音が、時折空気を優しく震わせて、それを感じる取る胸をしんとさせてくれました。
天皇陛下即位記念碑・記念樹
▼拝殿の右には天皇陛下即位三十年記念碑、更に奥へ進むめば記念樹の松がずしりと腰を下ろして、身に着けた針を天に差すように上へ向けています。存在感抜群で遠く見つめてしまいました。
記念樹の背後にはだたっぴろい広場があって、ぽつんとある相撲場を陽が温かく照らしています。
催し物もできそうなくらい広大で、そこに居た若い人達は柔らかな秋空を青く仰いで寝ていました。
涼しい草津なら夏でも永遠寝ていられそうですね。

ここはしゃくなげの群生地で、初夏である四月下旬から五月上旬に来ることによって、また素晴らしい表情を身に着けてくれるようです。

見ての通り自然に生けるたくさんの者が緑の香りを色濃く放っていました。歩く度にするりするりと香る匂いが頭に心地良く、察知した胸の奥は思わず、風船のようにぐうっと膨らみます。
拝殿の左に見えるこの道をしゃくしゃく柔らかく踏んで行けば、草津町して文化財の「草津鷲湯碑」と「芭蕉句碑」があり、草津の歴史を垣間見ることができますよ。
草津鷲湯碑と芭蕉句碑
草津鷲湯碑 芭蕉句碑
古くから草津には法豊富な湯量故たくさんの共同浴場がありますが、その中でも鷲湯は最古の共同浴場で、多くの怪我や病気を治してきたようです。
現存する19ヶ所の共同浴場に鷲湯は無いため、今では入ることも味わうこともできませんが、温泉好きとしては、湯を指し示す感慨深いもので思わず見てしまうものでしょう。
芭蕉は俳人で、以下のような説明がありました。

夏の夜や谺にあくる下駄の音」 天保13年(1842)、俳聖芭蕉の150回忌を修めた草津の俳人一夏庵坂上竹烟によって建てられました。
『夏の夜や谺にあくる下駄の音』の句は、芭蕉が元禄4年(1691)京都嵯峨に、いた、門人去来の落柿舎で作ったもので、芭蕉『嵯峨日記』に収められています。
竹烟は湯治場草津温泉の夜の賑わいをこの句に感じたのでしょうか。
書は竹烟の師田川鳳朗によるもので、碑背は碑建立の趣旨が、同じく鳳朗の書で刻まれています。
通称『夏の夜塚板』と呼ばれています。
芭蕉句碑より引用
諏訪神社
芭蕉句碑から南門入口に当たる石段側に細く進んで行くと諏訪神社があります。
こじんまりとした神社が温かい橙色に包まれていました。
辿る道には細長い石段に秋の薄茶が低く横たわり、歩く足から晩秋の音がかさかさと鳴りました。
十返舎一九碑
再び拝殿に戻り、そこから群生地を右奥にずんずん進めば、滑稽本で有名な「東海道中膝栗毛」を世に出した十返舎一九の石碑に出会えます。
十返舎一九の作品の内容を知らなくても、その名前を知っている人は多いのではないでしょうか。
鬱蒼と生い茂る草木を分けた小道の中に、どんと大きな石碑が静かに置かれて眠っていました。
こちらももちろん草津の文化遺産です。
その他、入口付近にあった手水舎の辺りで、拝殿方向とは別に右に伸びる道があります。
両端から春夏秋冬の仮面を付けた樹木が高く覆い被さり、まるでトトロのような自然に作られた木のトンネルようになっていて、奥に続く道が天然にはたりと消えて見える様は、探検しに行く子供の好奇心を深く呼び込みます。
右手には草津の温泉街が葉の隙間から見え、西日がそこを暖かく貫いてきていました。

ここを真っすぐ進むと桐島屋旅館と言う、草津温泉街唯一の尻焼き風呂持つ(露天風呂も草津一小さい)お宿に繋がるのですが、この道沿いにも「高村光太郎碑」、「六角石憧供養塔(ろっかくせきどうくようとう)」、「三峯神社(みつみねじんじゃ)」などがあります。
眩しい西日に目を細め隙間の向こうにある草津の天下を見渡してみたり、頬に暖かい陽を撫でながら、終わった秋が横たわる土を踏みしめ見て歩くのが心地良く、緩い下り坂を優しい気持ちでそっと下っていきました。
高村光太郎碑 角石憧供養塔
いずれも一日の終わりを思わせる宵時の前に、しんとする風流な姿をありあり見せてくれました。
秋の終わりに行くのも落ち葉が美しく良いものですね。枯れ落ちたもみじも綺麗に敷き並べてありました。

白根神社の御朱印は松美で
白根神社の御朱印は南門の階段下にある松美(そば・うどん・定食屋)で貰ってください。
理由は分かりませんが白根神社から任されているそうです。
昼だけの営業なので御注意を。
【松美】
〔営業時間〕11:00-15:00
〔定休日〕火曜日
〔住所〕〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町大字草津384-1
〔アクセス〕草津温泉バスターミナルより徒歩7分
まとめ
それではこの辺で白根神社をまとめて終わります。
住所 | 群馬県吾妻郡草津町草津538番地(湯畑から徒歩3分) |
営業時間 | 日中 |
電話番号 | 0279-88-3768 |
駐車場 | なし(西の河原公園駐車場が一番近いです) |
おススメ時期 | 春夏秋(特にしゃくなげが咲く5月上旬か紅葉の10月下旬) |
公式HP | 文化遺産(草津温泉観光協会) |
備考 | ・備考入口は複数あり、湯畑側・西の河原公園駐車場側・桐島屋旅館側の3つがあります。 ・西の河原公園駐車場側から来ると階段を避けられます(冬季はこっちのが安全) ・草木や斜面が多いのでスニーカーが良いでしょう。 |
西の河原公園側入口(石段無し、冬季はおすすめ) 桐島屋旅館側入口(旅館入口の手前左)
このように白根神社では、草津温泉の歴史と自然を体全体で感じることができる穏やかな場所です。
ここへ来れば、春には紅紫色のしゃくなげ、夏にはみなぎる深い緑、秋には赤や黄の風流な紅葉、冬には白く眩しい雪化粧と、色んな時期の景色を、幅広く漂う草木の香りで持って楽しむ事ができるでしょう。
と言うのは綺麗な話で、個人的には紅葉の時期が一番好きです。
歩く足の一歩一歩が本当に柔らかくて、土を踏む足裏の気持ち良さに幸せをいっぱい感じました。
閑散としているので小うるさい日常から逃げるには最高の場所だと思いますよ。落ち着きたい人に是非おすすめです。
その他草津温泉の観光は「こちら(草津温泉観光協会)」
温泉街での食べ歩きは「こちら(icotto)」
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