【体験談】大阪屋の君子の湯は贅沢な造り、贅沢な景色【群馬県草津温泉】

君子の湯 

こんにちは。群馬県草津町在住の公太です(^-^)

草津温泉で外湯を楽しむ日々を過ごしています。


先日、大阪屋の「君子の湯」(日帰り入浴)に入ってきました。


草津温泉には、繊細で美しい自然の景色を望める温泉宿が何軒かあります。

草津でできる日帰り入浴は、旅館であろうと日帰り入浴専用施設であろうと、体験できる組み合わせに下記のタイプがあります。

  1. 内風呂のみ
  2. 内風呂と露天風呂
  3. 露天風呂のみ

貸切風呂は覗いています。

せっかく草津温泉に行くなら、心地よい自然を目に映しながら温泉に入りたいと思うのも確かですし、そんな温泉に入りながら温まりたくはないでしょうか。


そこで今日は、内風呂・露天風呂を備える大阪屋の日帰り入浴を細かく紹介します。

日本の木造建築技術と掛け合わされた露天風呂は、素人目でも中々感慨深い物なので、温泉景色が好きな人におすすめですよ。

それではどうぞご覧くださいませ。


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* 134 草津温泉(群馬) 大阪屋♨️2019.06.16 . ♨️湯畑源泉 — 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 — pH 2.0 53.9℃ . 宝川温泉からの帰り道🚗 硫黄泉が好きなわたしたちは 草津温泉に寄って行こうとなりました♨️ . 宝川温泉で見た『地温泉』のポスター♨️ そこに載っていた大阪屋を訪ねました😊 . 大阪屋は草津名物である湯畑の源泉を引いている 数少ないお宿のひとつです✨ 風情ある滝下通りに位置していて 湯畑から歩いて1〜2分です😊 . 大阪屋には男女別の内湯、露天と 男女入れ替え制の屋外岩風呂『岩戸の湯』があります♨️ . まずは内湯です♨️【❶〜❸】 赤御影石で造られています。 男湯は黒御影石だそうです。 . 10人サイズで無色透明です♨️ 強くはないですが硫黄の香りがします💗 また、レモン味がすごかったです🍋 酸性ですが、ピリピリとした感じはなく マイルドなスベスベ浴感です🙆‍♀️ . 次は露天風呂です♨️【❹〜❼】 露天風呂は檜造で4〜5人サイズです。 こちらはちょうどいい温度だったので 長湯しました♨️ . 露天風呂ということですが 横にすぐ岩がありほとんど開放感はないので 半露天風呂という感じです♨️ . 日帰り入浴の時間帯は『岩戸の湯』は女湯です♨️ 露天風呂からそのまま行くことができます👏 . 岩肌をくり抜いて造られたお風呂が2つあります♨️ . 1つは『癒し風呂』という名で デトックス効果の高いハーブが使われています🌿【❽】 . もう1つは『洞窟風呂』という名です。 6〜8人サイズでした😊【❾】 . 湯畑源泉に初めて入れて良かったです☺️ . #群馬の温泉 #草津温泉 #湯畑源泉 #大阪屋旅館 #温泉 #温泉旅行 #温泉旅 #温泉巡り #温泉女子 #温泉好きな人と繋がりたい #meguri_rest

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記事内の情報は全て2020年9月2現在のものです。


大阪屋とは

大阪屋の入口

大阪屋は草津温泉湯畑近くにある老舗の温泉旅館。

創業は江戸時代。

建物は木造四階建て、どっしりとした黒い柱や梁に、真っ白い壁を着込こんでいて、昔ながらの建築技術である「せがい出し梁造り」で建てられています。

大きく突き出した屋根、凛とした白黒の木造建築物の迫力、入口前に立つ一本松がしんと穏やかなのが特徴的で、昔ながらの古き良き趣をありあり感じさせます。

せがい梁だし造りとは、建物から突き出した梁部分に屋根を設けた造り(構造形式)のこと。

大きな屋根を突き出し大きく広い軒先を確保できるので、雨風・日差しが防げます。

詳しくは➡【古民家】伝統工法の船枻造りで大きな屋根を支える軒の役割とは?【動画あり】をご覧くださいませ。

一級建築士の與那原浩さんと言う方が記事を書いています。



また建物も大きく、立地も湯畑から滝下通りを徒歩1分ほどと良い。

入口には仲居さんが立っていて、訪れる人を素早く、優しく出迎えていました。



温泉に関して言うと、男女共に内風呂に露天風呂を兼ね備えています。

石と岩、檜造り、それぞれ質感が違うお風呂を楽しめるのが、実際体験してみて贅沢だなと感じました。

詳しくは『体験談』で話していますが、内風呂は大きく開放的なのでのんびり、それから美しい露天風呂に入れば、風流人になったかのような落ち着いた気分や気持ちになれます。

男湯【君子の湯】 女湯【白玉の湯】

男女入れ替えの岩風呂【岩戸の湯】

※日帰り入浴の時間帯、男性は岩戸の湯に入れません(今回の僕もそう)


源泉は湯畑から湯畑源泉を引き込んで使っています。

滑り気を有したお湯を使って湯浴みできるので、温泉を纏った後に撫でる肌ははっきりとしたつるつるを感じられました。



※住所や地図など、詳しいことは最後の『まとめ』に載せてあります。


大阪屋のお風呂の魅力

大阪屋の魅力は、他には無い迫力あるせがい出し梁造りと、露天風呂に広がる自然景色との美しい重なりです。

浴槽縁に首をもたげて見上げた「空と屋根との景色」、火照った体を風呂椅子に任せながら、真っ直ぐに眺めた「石垣・竹垣と屋根の景色」は、何れも自然と良く混ざり合って、この上ない美しさを瞳の奥に落としてくれました。

大きな屋根が作り出した影は、特に黒が良く目立ち、その黒が余計な物の気配をばっさりと覆い隠して、明るく降り注ぐ陽と、降り注いで表れた草津の緑を鮮やかに際立たせていました。

大阪屋ではそんな風景から激しい風流を感じられたのが魅力的に感じます。


日帰り入浴の『受付』時間と料金

日帰り入浴

13:00~15:00 1000円

湯めぐり手形による日帰り入浴

13:00~16:00 700円(子供500円)

宿に確認したところ、受付を済ました後の退出時間は決まっていないそうです。

のんびり、ゆっくり温まって行きましょう。

湯めぐり手形は限られた老舗旅館の日帰り入浴をする事ができる「専用の温泉身分証みたいな物です。

詳しくは➡「草津温泉でお得に湯めぐりすることはできる?体験を元に条件や方法を詳しく紹介。」をご覧くださいませ。


日帰り入浴の支払い方法は現金かクレジットカード。

草津温泉の日帰り入浴では主に現金の支払いが主流ですが、ペイペイ・クレジットカードが使える老舗旅館もたまにあります。

※貴重品がある人は受付時に預けるような形になります。


大阪屋の記念スタンプ

余談ですが、僕は手形使用者なので記念スタンプを押してもらいました。


駐車場はある?

※横並びの写真はスマホを横にすると見やすいです。

大阪屋の駐車場には宿泊客しか車を停められません。

車で日帰り入浴をしに来た場合「草津温泉にある有料、もしくは無料駐車場に車を停め」そこから歩いて来る必要があります。


僕としては無料の天狗山第一駐車場(徒歩20分)がおすすめ。

綺麗な自然の景色が広がる西の河原公園を歩いて来れるので、観光がてらには丁度良いと思いますよ。

もし安い有料パーキングに停めるなら

草津パーキング:草津温泉バスターミナル斜め前(徒歩8分) 100円/30分

アップルパーク:煮川の湯の奥側(徒歩6分) 500円/8~17時(上限ありでお得)

草津温泉周辺の詳しい駐車場情報は「草津温泉へ車で行く人へ。湯畑周辺駐車場まとめ【様子が分かる動画付】」をご覧くださいませ。


日帰り入浴の注意点

大阪屋はコロナ現在の今も、以前と変わらずの時間で日帰り入浴ができます。

ですが、いつルールが変わるか分からないので、行く前には必ず旅館へ下記の事を問合せてくださいね

  1. そもそも日帰り入浴自体をやっているのか?
  2. やっているならば何時から何時の営業か?


ドライヤーも備え付けてあるので、髪を乾かすことは可能でした。女性も安心ですね。


混雑具合

混雑する時間を知っていれば少しでも静かに温泉を堪能できます。

どうせならゆっくりと落ち着いて温泉に入りたいと思うので、僕が入っていた時間を一つ参考にしてもらえればと思います。

滞在時間と客入り具合

2020年9月2日(水) 13:00~15:00 本人含め四人

50~60代(皆さん20分程で入れ替わりました)

僕は休憩含め13時から2時間近くいましたが「客は僕含め四人」のみ。お陰で穏やかな時間を過ごせました。


観光客は夏休み中なのでそれなりに多かったです。


大阪屋 体験談

大阪屋のロビー

僕が体験した大阪屋の温泉を鮮明に伝えるため、中の様子をこと細かく書きます。

行く行かないを考える一つの判断材料としてご覧ください(本当に細かいので長文です)


入口~脱衣場

長く突き出た屋根の下を抜けて館内へ入ります。

そこにさっきまで、外で来客を迎えていた外国人の仲居さんがいたので、日帰り入浴をしに来た事を伝えた所、にこりと笑いながら「分かりました。こちらへどうぞ」と受付へ案内してくれました。

ロビーは草津温泉で巡ってきたどの老舗旅館(和風村加盟宿)よりも抜ける様な広がりがあって、目の前には何席もの待合場が設けられていました。

館内は赤ワイン色の絨毯が、辺り一面に柔らかく敷かれ、天井には、大きな障子窓を天井にはめ込んだ和風の照明が、点々と付いています。

頭上の壁紙には、何百羽も描かれた鶴が、一方向に同じ羽ばたきをばさばさと見せていました。

館内をぐるりと見渡せば、観光用の人力車、岩戸の湯に続く道に造られた庭園や、橙色に光る優しい行燈、ゆらりと煙が立ちそうな囲炉裏など、風情ある物たちの姿があります。

温泉街の材料が百花繚乱に咲き乱れる館内では、クラシック音楽が、細く長い息を吐く様にして流れて、和と洋をあちらこちらに散らしながらも、それぞれが持つ穏やかな静寂を調子良く混ぜていました。

大阪屋の大浴場入口
左手奥が男湯入口

支払いを済ますと、先程の外国人の仲居さんが浴場まで案内をしてくれます。

受付より奥に続いた道を柔らかく踏みながら、仲居さんの背中を追いました。

右、左、と二度曲がれば簡単に浴場へ到着します。手前に女湯、奥に男湯が見えました。

穏やかな案内が切られたので、しんとした廊下の中紫の暖簾を頭ではらりと切って、踊る足を浴場へと進めました。

脱衣場は長方形に近く、8m×4mほどの大きさがありました。

正面にロッカー、右手に洗面所、左手に大浴場があります。


脱衣場は、自然の香りを落とす天然素材で、床と天井を造っています。

床を籘で四角模様を描き、天井を綺麗な薄茶の板張りにして、入り込んだ体は、上下から温もりで挟まれた様に感じました。

しかしそれでも足に擦る籐は、夏の脱衣場へ、繊細と涼し気を軽やかに運びました。

脱衣場は大分広々とした上に、隅々まで清潔感があるので安心して使えます。


大浴場側の壁は大きなガラス窓になっていました。お互いの場所が悠々と見渡せる様になっているので、突き抜けるような開放感があります。

そして窓の向こうは、内風呂を通り越して露天風呂まで望むことができました。


ロッカーは木製三段、仕切りが無いタイプのロッカーで、荷物を入れる籠が16個並べられています。

洗面所は3つ、浴場にシェービングフォームは無いのですが、櫛、髭剃り、化粧水関係やドライヤーまで揃っているので、何不自由なく使えます。

また履いてきたスリッパが他の人と入り混じらないように、番号が刻まれたプラスチックのクリップが用意されていました。

僕は混ざってしまった所で特に気にはしませんが、こうゆう所には大阪屋の細やかな気配りが感じられました。


浴場

君子の湯

浴場の扉を引いて中に入ると、伽藍堂みたいに広がった大浴場に迎え入れられました。

浴場からは舞い上がる湯気が熱をふわりと運び、それが体に温かく触ります。

がらんとした景色の先には、ガラス越しの露天風呂が、生きる命を宿した鮮やかな自然の色合いを着込み佇んでいました。

湯船にどぼどぼと落ちる温泉が耳に優しく響き、その後ろでは、ぶうんと換気扇の動く音があります。


浴槽は黒御影石を畳んで造られ、あちこちでは白い湯気がふわりふわりと立ち上っています。

空間は、温泉街のぼんやりとした橙色と、くすんだ白色で照らされていました。

ぱっと見で清潔感が容易に捉えられ、どの場所でも容易にお尻や背中を付けられる印象を軽々受けました。

浴場は8m×7mほどの大きさ。

浴場全体は床と壁を石タイル、天井を木で造っていました。

左右に洗い場、正面には露天風呂があって、そこへの出入口が左奥に見えます。


床には石タイルが、几帳面を物語るように綺麗に張り並べてあって、温泉の通り道では、それが乾く暇もなく、きらきらとした顔をより強く浮かべています。

その顔の上を歩くと、足の裏にはざらりとした、石のでこぼこが感じられました。

あたたかく踏む足の、心はしんとして嬉しいです。

意外にも石タイルの滑り気が少なく、既に温泉で濡れている場所ですらざらりがはっきりと感じられたので、「日頃から良く磨かれているのだろう」と言う頭がぱっと表れました。


壁は少し灰がかった白タイルが、正方形の形を積み重ねながら天井へと伸びています。

壁に着いた照明の数が多かったので、浴場内はぱっと明るく、お湯に濡れた床の露は、更に清々しい面持ちを強めました。

露天風呂側の壁は大きなガラス張り、透けたガラスの先には、表に降り注ぐ陽と、備え付けられた照明が目に映ります。

透き通るガラスは、結露の滴をつうっと垂らして、それら全てを含んだ景色をこちらに送り込み、映るお湯の上から花鳥風月を愛でていました。


天井には、ニスを塗ったように艶を帯びた、柔らかな木の板張りがあって、脱衣場から伸びた太い丸柱が、その地の上をすっと真っ直ぐに這わせています。

大浴場の天井高も2.1mほど、天に対しての開放感はありませんが、だだっ広い浴場、そして露天風呂側の窓ガラスが、外の開放感を地続きの如く帯びているので、すっとするような広い気分を終始持つことができました。


君子の湯

【温泉について~】

大阪屋では湯畑源泉が使われています。

湯畑から溢れ出るその源泉は、短い距離で劣化する事なく大阪屋に運ばれ、最後に湯樋から永遠どばどばと落とされています。

浴槽は底面に至るまで全てが石造りで、形はL字型。

余裕を持って入れる人数は10人ほどでしょうか。

窮屈とは無縁の大きいお風呂でした。


幅18㎝ほどの石で出来た浴槽縁が、露天風呂側以外の三面に、ずらりと回っています。

表面には撫でる掌らに心地よい、でこぼことざらりが穏やかに共存していました。

浴槽内には出入りがし易いよう、中へ一段が設けられて、安心の笑みを浮かべています。

右の壁からは、にゅっと湯樋が顔を突き出して、勢いよく口から出たお湯を、真下にある石で出来た温泉の受け皿へ、どばどばと惜しげもなく吐いていました。

流れ落ちるお湯は、広がる浴場の心地よい反響音を纏いながら、優しく耳を叩きます。

湯船から生まれた湯気がふわりふわりと立って、右へ左へと、無邪気な子供の朧気を宙に描いていました。


【色】

そのお湯は、透明の中にほんの少しだけ白の濁りを含んでいるように見えました。

白濁しているのかいないのか、白濁と呼ぶのか呼ばないのか、見分けるのにはうんと迷う、それぐらいうっすらしたものです。

それが目の前にどっさり横たわっています。


お湯の上には、ガラス越しに落ちた露天風呂の灯りが、月のまんまんるを左右にぐにゃぐにゃとさせ、更にそれを引き伸ばしたようにして細長く座っています。

辺り一面に点いた灯りを丸ごと飲み込んだお湯は、海底の散乱を起こした光の様な、きらきらとした波紋の揺らぎを湯中に含んでいました。

ふと横に目を配ると、揺らぎの波は浴場の壁にまで上り、くすんだ白のタイルに、薄い光の衣を優しく着込ませていました。


【湯温・肌への当たり】

ちゃぽんと手を入れたら、湯温は約41℃と見て取れました。

そっと片足からお湯に入っていきます。

温泉に入るとじわっとした温かいものが、そっと対峙しました。

温かいものは、瞬時に集めた意識をほぐして送り返し、ふうと吐き出す息へ帰りました。


中に設けられた段々に座ったら、へその直ぐ上に湯面が来ました。

そのままゆっくりゆっくり体を沈めて行きます。

温かいものも、その速度に合わせる様に、ゆっくりゆっくり、身体全体に纏わり付いていきます。


浴槽底に腰を降ろした後には、体全体にぴりりとした、心地よい酸性が穏やかに訪れました。

それはお湯に浸かって、長く吐いた湯気のように静寂で、全体に張り巡らした意識の、追跡する肌の上に優しく与えられています。


浴槽の深さはおよそ52㎝、鎖骨の下辺りで湯面がそっと落ち着きました。

気持ち低めなところが圧迫感をするりと逃がしてくれます。

浴槽が広いので、足は縦横無尽に伸ばすことが叶いました。


【香り】

君子の湯は強い硫黄が良く香るお湯でした。

両手で救い上げたお湯をぱしゃりと顔にかけると、すっぽりと鼻を包んだ両手に在る空間から、鉄のように硬くて濃い硫黄の匂いがします。

それは、顔に滴る汗だかお湯だかを手で葬り去る度に、肌からえぐみをするりと鼻に届けるくらい強いもので、嗅ぎ取るのは容易でした。


【味】

湯樋からしこたま落ちる温泉を指にとってぺろりと舐めてみました。

味はレモンのような酸っぱさがあります。

口内で頬の肉が集まらないくらい控え目な酸味ではありますが、強く香る硫黄が、えぐみと苦味をそのまま鼻に波及させます。


【肌触り】

親指と人差し指の腹でお湯を揉んでみると、ぬるりとした、正に温泉らしい滑り気を、湯あみするものの内に見つけられます。

一に腕を撫でればぬるりと、二に腹を撫でればぬるりと、三に腿を撫でればぬるりとし、掌で撫でる度につるんとしたものを送り届けてくれるお湯です。

柔らかを着込んだ肌は優しいものだから、お陰で胸の深い所も、そっと頭を撫でられたようにしんと落ち着きました。


じわじわと熱くるなる肌は、お湯の中でざらりとした、石の心地良さを踏み付けて喜んでいます。

それはぺったりと付けるふくらはぎの裏で起こり、腿の裏で起こり、お尻の下で起こり、背中で起こり、頻繁にそれぞれが喜んでいました。

君子の湯

その時緩んだ目の先では、露天風呂に置かれた灯籠の橙色が、白い湯気の中で、朧月みたいにぼんやり光っていました。

熱で骨を溶かされじっとりとした肉だけになった体を、ゆっくり浴槽から引き上げた後は、心地よい御影の上にぺたんと置きました。

ガラス越しに大きく広がる露天風呂の景色は、優越の内に「天下」の文字を薄ぼんやりと映しました。

何かこう、風流人になったような気分です。

くたりとした体を手に入れた頃には、内風呂の中でその景色をゆっくり眺めるのがとても気に入り、多くの時間をそこに費やすこととなりました。

君子の湯


露天風呂

君子の湯 露天風呂

【景色】

露を帯びてしっとりとした体を携え表に出しました。

ガラス越しの隔絶を取り払った先には、火照った肌を何度も何度も撫でる、涼しい風が感じられます。

露天風呂では、光のもとに美しい影が広がっていました。


せがい出し梁造りによって、見事に突き出た大柄の屋根は、山上に咲き乱れる葉の、隙間から落ちてきた光を強く浴びて、屋根裏に出来た反対の黒い影を、おそろしいほどの強さと美しさで作っています。

目の前に積まれた石垣は、空からぽたぽた落ちた雨でまるっと湿り、そこのより強い黒光を纏った岩が、梁の下にできた影をより漆黒に魅せました。

岩肌に生きる苔の濡れた深緑は、ありありとした命の輪郭を美しく浮かべていました。

周りに生えるシダ植物も、風に揺れながら命の輪郭に潤いを与えていたようにも思えます。


屋根の切れ目に近寄って見上げた先からは、高く伸びる山肌に、高く伸びる木が生え、高き空に咲いた葉から一気に陽光が注ぎ込んできています。

陽光は屋根の漆黒とは真反対で眩しく、否が応でも目立ちました。


【温泉について】

花鳥風月の手前には、檜風呂がどっしりとした木の厚みと、柔らかみと、温もりを纏い鎮座しています。

大きさは1.3m×3mほどの長方形で、3人くらい入れます。

これもちろん湯畑源泉、そして源泉掛け流しです。


幅20㎝のごつい浴槽縁が、溢れるお湯で柔らかく濡れて、乾くことのない焦茶色をぐるりと回しています。

控えめな大きさと浴槽内に設けられた一段があるので、足はすんなりと伸ばせません。お湯の中で力無くだらんとした足は、軽いくの字を描きました。

しかし浴槽底まで檜になった露天風呂の中では、余りある暖かみで溢れており、随分胸が安らぎます。


君子の湯 露天風呂

【色】

少なき影の中に浮かぶお湯は、綺麗な無色透明を誇っていました。

手に救い取れば、指の隙間からするりと落ちて行きます。


またお湯にはこんな色もありました。

周りには美しく立てられた竹垣、その竹垣と並ぶ硬い白壁、黒い屋根、黒い岩、繊細に揺れる葉が有ります。

これらの隙間からは、闇を切るほどの強烈な陽が露天風呂に落ちていました。

陽光はお湯と混ざり合い、見惚れるほど綺麗な白濁の白を生み出します。

湯樋から落ちる温泉の波動で揉まれたお湯は、霧のような、立ち上る湯気のような質感で、優しい白でした。

その白濁に湯樋から来る波が、湯葉のような柔らかいしわを与えて、優しい微笑みを作っていました。


【湯温】

湯温はおよそ42℃、内風呂よりも1、2℃高く、浸かる身体は内風呂よりもさらに良く温まります。


【音】

この場所に漂う音は穏やかです。

湯樋から流れ落ちる温泉は、ぴちゃぴちゃと穏やかな音を、赤子の顎に垂れ落ちるよだれの如く姿で浴槽へ落としています。

流れ落ちる温泉の音は、浴槽縁に仰向けに頭を支えて、ふわり、ふわりとくらげのように抵抗力無く漂わしている時に、するすると耳に心地よく入りました。

しんとした中に立った石の灯籠が、その口の中から優しげな橙色を外に投げるのと同じで、しんとした静寂が漂う露天風呂の中では、この音が遠く、優しく、投げられ続けていました。


また風に揺られ擦れ合う緑は、さらさらと優し気な音を鳴らし、葉の隙間から、そっと草津の夏の風を運び込みます。

君子の湯 露天風呂

【最後に】

透き通る湯の中の軽き体で天を仰いだ時には、軒先に張り出された黒き大屋根が、百花繚乱の空を真っ二つに切る景色を望めました。

青天の霹靂とも言えるべきこの景色は、左目に屋根の黒、右目に山の緑を同時に映していました。

目を少し下にずらすと、漆黒の屋根が女湯の方へ、一騎当千のような強さを浮かべながら、奥へ奥へと走っています。

強き黒は、間に立つ竹垣の端でぱたりと切れて、じっとりと熱くなった体に付いた瞳から、その姿を見失っていました。

露天風呂では折々、この人が作り出した強い物と、自然が作り出した強い物を見ることができました。

君子の湯で一番胸に残ったのは、この景色に強い風流を感じたことです。


こうした時を経て穏やかな身体が旅館を去る際は、穏やかな仲居さんの顔が背中に捺されました。


内観含む大阪屋の雰囲気(まとめ)▼


大阪屋の宿泊料金(参考程度)

大阪屋の客室
中屋敷(10畳) 公式HPより

せがい出し梁造り、数寄屋造りと昔ながらの趣が強く表れた大阪屋。

温泉はもちろんのこと、客室でも落ち着けそうなことから、ここで眠れば終始癒しの時を過ごせそうです。

今現在は「Go To トラベルキャンペーンにより宿泊費が35%割引」、都合がつけば宿泊もけっこうお得。

そこで、できるだけ宿泊費を抑えれそうなじゃらんで宿泊相場を調べてみました▼


9月12(土)二名宿泊。表示価格は税込みです。

素泊まり
  • 34,200円
  • Go To適用後 ➡ 22,230円 (11,115円/一人)
一泊二食付き
  • 52,800円 
  • Go To適用後 ➡ 34,320円 (17,160円/一人)

※食事は基本部屋の中。コロナ感染防止になり安心です。

2020年9月3日調べ。

上記は土曜日の検索、老舗旅館と言えど、キャンペーン適用すればここまで宿泊料が落とせます。

個人的には建物の造りといい温泉の造りといい、格式が高いお宿なのでお得な料金かなと思いました。


じゃらんのGo To トラベルキャンペーンは、予約する際自動で35%割引されるようになっていました。

予約操作が楽ですね。

大阪屋宿泊時の注意点
  • 客室の眺望は二種類➡滝下通り(道路側)と庭園側の
  • 全室禁煙
  • 岩風呂(岩戸の湯)は男女入れ替え制


施設情報を含む、大阪屋まとめ

最後に大阪屋の施設情報含めてまとめます▼

大阪屋は
  • 湯畑近くで好立地(バスターミナルからは徒歩約6分で来れる)
  • 風情ある建築技術がお風呂にも良い形で表れているので、露天風呂の景色が美しい
  • 露天風呂付の数少ない和風村加盟宿。しかも大浴場がかなり大きい
  • 日帰り入浴が1000円でちょっと高い
  • 退店時間が決まっていないので、受付後はゆとりを持ってお風呂に入れる


※スマホの人は横にして見ると見やすいです▼

住所 群馬県吾妻郡草津町356 (湯畑から徒歩1分)
駐車場(日帰り入浴者) 無し(近くの有料パーキング・もしくは無料の天狗山第一駐車場へ)
料金(大人) 1000円/一人(手形使用時は700円)
受付時間 13:00~15:00(手形持参者は16時まで)、共に退店時間に決まりは無し。
源泉(掛け流し) 湯畑源泉
泉質 酸性-硫酸塩・塩化物泉(酸性低張性高温泉)
PH(水素イオン指数) 2.1(酸性)殺菌・ピーリング効果
効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、
関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、
冷え性、切り傷、慢性皮膚病、慢性婦人病、虚弱児童、
疲労回復、健康増進など。
設備 無料ロッカー・シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・髭剃り・Wi-Fi
その他 ・露天風呂あり(日帰り入浴時岩風呂に入れるのは女湯のみ)・創業は江戸時代
HP 大阪屋
TEL 0279-88-5706

草津温泉バスターミナルからの行き方▼

大阪屋の外観

大阪屋の日帰り入浴では、昔ながらの風情を感じる木造建築技術が、綺麗に自然に溶け込む様子を、素人目ながらありあり望んで楽しめました。

大きく張り出された屋根によって作られた影は、余計な物を削ぎ落として、外に広がる自然と、そこに差す柔らかな光を引き立たせてくれました。

大阪屋の露天風呂は、光と影、陰と陽、裏と表が強く目の前に表れ、その強弱の落差で持って、景色を望むこちら側を心から楽しませてくれていたと思います。

一般の入浴料は高めですが、この美しさが見れるならば何度でも入りに来たいと感じました。



以上、大阪屋の日帰り入浴紹介を終わります。

どうもありがとうございましたm(_ _)m

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