【貸切・自家源泉】草津温泉、泉水館の日帰り温泉紹介

泉水館の桐の湯

こんにちは、日本三大温泉がある群馬県草津町に住んでいる公太です。

毎日草津の温泉をもらって暮らしています。

先日、湯畑近くにある『泉水館』と言う旅館の日帰り温泉に行ってきました。

通常一般的に日帰り温泉に行くと言うと、ほとんどの人が大浴場の内風呂や、そこに合わせて備え付けれらた露天風呂へ行くと思います。

それゆえ時には大勢の人と一緒になる確率も高い訳ですが、中には貸切風呂で一人、もしくは気心知れた仲間やパートナーと、ゆっくり、そしてのんびりと、温かいお湯に浸かりたい人も多いんじゃないでしょうか。

特に最近はコロナ問題もあり、今まで以上に混雑具合をシビアに考えると思います。

そこで今日は、草津温泉街で貸切風呂のみを扱う『泉水館』の日帰り温泉を紹介します。

草津で贅沢な湯浴みを行いたい人必見です。

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記事は2020年10月16日現在の情報を元に作成しました。

【草津温泉】泉水館の日帰り温泉にまつわる基本情報

泉水館の建物外観

まず最初に泉水館とは何か?

そして日帰り温泉はいつ、どのタイミングで、いくら払えば入れるのかを、最低限必要な情報と共に詳しくお伝えします。

泉水館とは

泉水館は群馬県の草津温泉にある、大正4年創業の老舗旅館です。

湯畑から西の河原通りを西へ(スキー場方面)5分ほど歩くと、右手に建っています。

建物は草津温泉街の情緒溢れる白塗りの壁と、瓦を屋根に畳んだ木造二階建て、棟門の奥にちらりと映る、手入れの行き届いた庭が見る目にとても穏やかであり、また風流です。

2016年にはリニューアルオープンしてしてあるので古臭い、ということは一切なくて、老舗らしい趣をしっかり残しつつの綺麗な旅館でした。

日帰り温泉は三つあり全てが貸切、そして全て柔らかな質感の檜風呂です。

お風呂に入っている間に誰かが中へ来るような気がかりは一切ありません。自分達だけの時間を静寂のうちに楽しめました。

「うん、まぁ、世の中に貸切風呂は五万とあるし、草津にだって他に貸切風呂はあるよ」という声が聞こえますが、しかしそれよりも特筆すべきは使われている源泉で、『君子の湯と呼ばれる自家源泉』が檜風呂に温かく注ぎこまれています。

自家源泉と言うくらいなのでもちろん泉水館しか味えず、要するに、一種のブランドのような特別な温泉が楽しめるんですね。

温泉の当たりや質感、手触りなどは後半の体験談で詳しく説明しています。

つまり少数な貸切風呂もさることながら、そこに自家源泉という独自が重なっているので、草津温泉でも、貴重な日帰り温泉を提供している温泉宿と言う訳です。

※住所・地図・電話番号等は最後のまとめ参照、公式HPも貼っておきました。

営業時間・料金【日帰り温泉】

日帰り温泉

平日 10~16時   土日祝+繁忙期 10~14時

・60分 ➡ 1500円(貸切料)+ 500円 / 一人(入浴料)

例)一人の場合は2000円 二人の場合は2500円 三人の場合は3000円

・30分 ➡ 1000円 / 一人

・延長料(30分)➡ 1000円 / 一人 

基本毎日やっていますが、水曜日は定休になることが多いとのこと。しかしそれは客足次第。 

あくまでお風呂の使用が優先されるのは宿泊客で、満室、もしくは予約されているとその人たちが出終わるまで入れないので、事前に問い合わせて予約できるか聞いた方が良いです。

その他
  • フェイスタオル、貸しバスタオル それぞれ200円

※支払いは現金かクレジットカードが使えました。

料金を見て気づいたと思いますが、泉水館は一人で入ればかなり高く付いてしまう、高級日帰り温泉です。

一番大きな萩の湯は5人くらいでも入れそうでしたが、それでも一人あたり800円になります。

なので、安く済ませるにはどうする?時間を気にせず長湯するにはどうする?
の解答を言ってしまえば、「泊まって好きなだけ入る」が正解になってしまいます。

ただ、それでも檜風呂の入り心地は個人的には草津で一、二を争う良い温泉と言えます、ここでしか入れない自家源泉は泉水館限定、という他の人がほとんど知りえない温泉の大きな価値があります。

なので長湯はできませんが、こだわりのある檜風呂風呂に入りたい人や、本当に泉質にこだわる温泉通なら高くはないのかぁと思いました。

駐車場

泉水館には残念ながら、日帰り温泉客用の駐車場はありません。

旅館の駐車場に停められるのは、あくまで宿泊客のみです。

ただ、草津温泉街にたまにしか来ない人や初めて来る人は、近くに駐車場があるのか分からないと思います。

下記の記事に湯畑付近の駐車場は網羅してあるので、よろしければお使いください▼

距離で考えると、個人的には無料で停められる「天狗山第一駐車場」がおすすめです。

草津温泉 駐車場

草津温泉へ車で行く人へ、湯畑周辺駐車場まとめ【様子が分かる動画付】

【コロナ対策】日帰り温泉をする際の注意点

時にコロナの状況次第で草津の日帰り温泉は、急に営業時間の変更があったり、日帰り温泉自体を中止したりもします。

無料の共同浴場がいい例で、19ヵ所ある共同浴場も今は三つしか入れません(その他に入れるのは草津町民・区民のみ)

なので必ず行く前に電話をして、宿屋や施設の日帰り温泉がやっているのかを聞きましょう。

泉水館で味わう草津温泉の魅力

ざっくりですが、泉水館のお風呂の魅力を伝えます。

詳しくは体験談に載せていますが、何せ細かすぎて長文なので、読むのが億劫な人はこちらを参考にしてください。

泉水館の貸切風呂の魅力は、檜造りのお風呂がもたらす、肌や心への暖かさと、綿のように白濁して揺れる、如何にも温泉らしい美しきお湯です。

浴場の扉を開けるとそこで待ち受けるのは、頭の天辺から足のつま先まで優しさを感じる檜風呂です。

柔らかな木材は鮮やかに乱れる濃淡をあちこちに深々と散らして、触れればみしりとしなりそうな趣さえあります。

湯浴みをしながら檜に触れる背中や足裏、お尻の肉はとても穏やかで、草津温泉街の一角にて、ほっと心を預けることができました。

そして底面まで檜の浴槽にたっぷりと注がれた、寒天の様な透明感を漂わせる美しき白濁湯は、風流さえ感じます。

細かい湯花や塵のような湯花が何千と泳ぐ湯壺に体をとぷんと浸けると、しっとりとした温泉衣がそっと全身に着せられます。

熱くも無く丁度い湯温で、ゆっくりと肌へ吸着する草津の自家源泉は、転がした手の内に穏やかな滑り気と、深い底の底にぼうと感じる様な焔の気配を、温かく灯してくれました。

【詳細】泉水館の日帰り温泉体験談

泉水館の建物外観

ここからは毎日草津温泉に入っている僕が、泉水館の温泉についてどういった刺激を受けて、一体何を感じたのかを体験談として書きます。

かなり細かく鮮明に書いているので相当長分ですが、その分はっきりとした情景でお伝えできると思います。

時間がある人は目を通してもらい最終的な判断をこれで行って下さい。

入口~脱衣場

ごくりと飲み込みたくなるような晴れ渡る青空が、秋の冷えた風を天下に拭き下ろす金曜日、細長い西の河原通りでは、弾んだ足取りを持つ黒い頭が、徐々にちらちらと目立ってきていました。

白塗り壁の堀と手を結んだ棟門が、屋根上に泳ぐ瓦にも含んだ草津温泉情緒を天下に重く散りばめて、ずしんとした、「元湯 泉水館」と書かれた木の看板は、往来の行き尽くした先で、威風堂々と壁に張り付いています。

明らかな陽の元に、暖かい橙色を両手に掲げた棟門を跨げば、内側ではまだかまだかと紅を待ち望む緑のもみじが、その切っ先を五方向に伸ばして、ちらちらと美しい秋の出で立ちで庭に立っています。

泉水館の建物外観

顔に噛みつく秋晴れを冷たい風の裏に感じながら、正面にある、静寂の趣がある玄関扉を横に引きました。

気配を察知したご主人がおやと様子を見に来たので、日帰り温泉の旨を伝えると、門左手にあるお土産屋で受付をお願いしますと言ってくれました。

敷地内にある通路で繋がったお土産屋へ行くと、そこで先週話をしたお父さん(ご主人のお父様?)と出会ったのですが、ありがたいことに、向こうも見覚えある趣をした目を投げてくれたので、にこやかな笑みで迎え入れてくれました。

お父さんは風呂の用意をしてくると言いながら美しい庭の中へ姿をはたりと消したので、奥様らしき人にお会計を済ましてもらうと、三つの貸切風呂を選ばせてくれました。

貸切風呂はそれぞれ「桐の湯」「萩の湯」「千寿の湯」とあり、簡単な風呂の説明を受けた後に、僕は桐の湯を選びました。

会計を終えるとそのままお風呂まで案内をしてくれたので、親しみが背負った背中を暖かく見つめて後を追いました。

※横並びの写真はスマホを横にすると見やすいです。

「桐の湯」「萩の湯」は離れになっていて、宿泊者が寝泊まりする場所との間を灰の踏み石を畳んで、その周りに軽石を散らした、行儀の良い小道が切っています。

小道の左右では、ちらちらと風流な葉を付けた楓や足元に咲く黄緑色の草が、頭のてっぺんから足先にかけて、行儀よくお辞儀をして出迎えてくれました。

真っ白い壁にくっきりと埋め込まれた焦茶の引戸を過ぎると、こじんまりとした玄関に辿り着き、右手に見る先には「萩の湯」、そして正面に「桐の湯」と書いてあります。

二、三歩で行き尽くすほど短い廊下は、有り余るほどの暖かみをこしらえた板張りの壁がぐるりと全体を囲って、重厚な趣の内にとても隠し切れない柔らかな腰を、どっしりと下していました。

そこで僕が入らない風呂である、「萩の湯」の用意をしていたお父さんと出会うと、お父さんが「こっちのお風呂を選んだんだね」と穏やかにいいながら、掃除の手を一旦止めて、もう一方の僕が入るお風呂の使い方を一通り教えてくれました。

寸分の狂いも無いほど壁と同じ色使いである、光った茶の引戸の向こう側は脱衣場で、それは階段を数段降りた所にあります。

圧倒的な檜が支配する脱衣場と、引戸の向こう側に姿を現しかけている浴場は、胸を貫くような優しい自然の温もりを、一瞬で感じさせました。

ふと源泉について尋ねると、なんと自家源泉の言葉が口から飛び出し、青天の霹靂とも言える知らせがその瞬間、胸を真っすぐ突き刺しました。

射貫かれた心はぽっかりと穴の空いた所に歓喜をどばどばと注ぎ込まれ、あっという間に満水になりました。

星のような目をそこかしこにきらきらと放り投げていると、「脱衣場には源泉について書かれたものがあるから後で読んだらいいよ、鍵を掛けて入ってね」と言って、静かにその場を閉じてくれました。

桐の湯の脱衣場

脱衣場は天井が高く、周囲を泳ぐ檜の香りが、肺の膨らむたびに鼻の穴にするすると入り込みます。

朗らかな茶色で覆い被さる天井は3.4mくらい、窓に向かって斜めに落ちたなだらかな屋根が、天高き場所で伽藍としています。

階段を降りた先にある壁の高い所には横長のガラス窓があって、遮られて薄くなった草津の陽が、青白く脱衣場に差していました。

脱衣場自体はさほど大きくもなく、3.2m×1.7mくらいの長方形で、階段を下りた先に洗面所が一つ左壁に備え付けられています。

洗面所の向かいには浴場があって、そこから右に折れた壁には腰上ほどの高さで手前に出っ張った、幅40㎝ほどのロッカーの形ではない、ただただ剥きだした、広い横長の物置きスペースになっていました。

ただ逆にこの形無い形が広々としていて、自由に長く手荷物を置ける荷物置場は、のちのち、易々と手に馴染みました。

静寂のうちに階段をとんとんと踏み鳴らして行く足が軽く両耳に響き、掌に擦る手摺が、温もりを猫のように擦り付けます。

閑散とした優しさを耳に打ち終わる頃には、朗らかな茶で染まる、暖かい木の床を柔らかく踏みました。

目の前に並んだ木の壁が手を優しく添えることを穏やかに誘います。

脱衣場にはドライヤー・剃刀・シェービングフォーム・化粧水・乳液と、湯浴みするのに必要なものは全て揃っており、行き届いた掃除の手が表す清潔感は、安心と肩を並べました。

浴場

泉水館の桐の湯

きいと木がしなる音と、がたがたとガラスの震える音を細かく立てながら、薄ぼんやりとしたガラス窓を横に引くと、高い所から、目を細める様な鋭い陽光が瞳の奥に差し込みました。

と同時に風流な檜と白濁が、閃光のような速度で、目から足先にかけて駆け抜けます。

顔と胸を熱気がふわりと温かく通り抜け、脳天から自分好みである物に出会った時の、喜びの雷がぴと激しく落ちました。

強烈な陽が配られる檜は、光と影の中で様々な濃さに作られる茶を、満遍なく浴場全体へ広げています。

浴槽の縁のみが黒く湿って、隣では肉のようにピンク掛かる床が、草津温泉で明けた日の、未だ動かぬ湯浴みの過去の装いを、にんまりと低く並べています。

湯面すれすれに流れ落ちるお湯が小さき波紋を薄く伸ばし、息を殺した白き湯からは、仄かに煙が立っています。

鴉雀無声な浴場を、浴槽縁の側面から突き出る配管から流れ落ちる、二本のお湯のみがこっそりと畳みかけ、ちょろろろろと小さき音が耳元へ遠く運ばれました。

浴場は約3.4m×3.4の正方形、左手に洗い場が二つ、右奥に浴槽が縦長に伸びて、手前に人一人が座れるほどの隙間がそっと空いています。

浴場入口には小さな段々が一つ作られているので足元に注意してください。

一面が草津の湯花で白っぽくなった床は見るからに軟らかく、浴槽の縁付近で肉のような色合いに変化した檜が、崖っぷちのような形無き形の模様を、ぐにゃりとお湯の横に並べていました。

檜の白と茶の濃さが様々に散らばった、纏まりのない風合いこそが風流でした。

壁は横長の板張りが縦に高く高く積み上がり、所々に物をぶつけられた傷や、切り落とされた枝の残り香を黒い天然として浮かべ、その暖かい自然の趣をくるりと回しては、四角の浴場を作っていました。

右隅には背丈ほどの箱型が縦に長く備え付けれられ、行き尽くして切れた箱の口上は、終始湯気を吐き出していること想起させる黒い湿り気が、板張りを細長く塗りつぶして、高い天井にぽっかりと空いた湯気抜きの方が、それを深く飲み込んでいました。

シャンプーなどを置き揃えた台も全て木造で、目先に備え付けれらた鏡に落ちる腐食の錆びが、老舗の古い趣を心地良く並べていました。

浴場の角には、一面の檜と相性が良い、座り心地抜群の木製の小さな風呂椅子が、薄茶色の手桶と共に優しく鎮座していました。

頭より上の場所には横いっぱいの窓が、四角い格子の中にガラスをはめ込み、ガラスを貫くほどの陽の明るき世界の中で、草津温泉の秋空に流れる細やかな葉の影絵を、強烈にちらちらと映しています。

屋根と窓が出会った場所にほっそりとした空が青く割り込んで、清々しさのみなぎる秋を、暖かく描いていました。

頭上に解き放たれた伽藍堂では、中心から左右に向かって緩やかに落ちた屋根が高々とあって、その真下を垂直に走る四角い梁が、脱衣場に向かって宙を真横に斬っていました。

一目でほっとするような檜は、おりおり視界から柔らかく入り込み、深く落ちた先で兆した青天の霹靂は、最後まで心の中心に居座りました。

泉水館の桐の湯

【源泉・浴槽の造り・大きさについて】

泉水館では自家源泉である『君子の湯』が使われています。それは昔、草津十二湯と呼ばれる、江戸時代からあった、草津の名湯十二ヵ所の内の一つなんです。

【草津十二湯】

江戸時代から草津の名湯十二ヶ所を指して言われていたものです。 滝の湯、松の湯、熱の湯、白旗の湯、千代の湯、鷲の湯、地蔵の湯、御座の湯、君子の湯、金比羅の湯、凪の湯、煮川の湯の十二湯、現在では無くなり石碑だけ残るところもあります。

泉水館公式HPより

浴槽は約2.2m×1.7mで浴槽の底まで全て木造りです。

湯花の白と本来の檜である茶が混在する、幅17㎝ほどの浴槽縁が、暖かきお湯を包囲しています。

入れる人数は三人ほど、丁度良く体が収まるようにこじんまりとしていて、心落ち着く大きさです。

泉水館の桐の湯

正面側の縁からは、低く敷かれた湯樋よりのっぺりとしたお湯が、指一本分ほどの隙間で低く湯壺へ流れ込み、僅かな空に浮かぶ温かきお湯を、透明に見つめました。

湯口に顔を並べればちょぽちょぽと、線香花火のように小さく聞こえるお湯がするりと意識に入り込み、胸をそっと温めます。

窓とは反対側、つまり隣にある萩の湯との堺の壁側の湯中には、段々が一つ設けられていて、そこへ座れば、へその真上に湯面が落ち着くくらいの高さでした。

泉水館の桐の湯

【色・湯温・指触り】

温泉の色は底が見えぬほどの白濁で、寒天の如く透明感、綿の如く美しき白さ、そして絹の様な見た目の柔らかさと艶っぽさがあります。

大福の粉を散りばめたようとも言えるのですが、風流と思えるほどの白に心は見惚れ、そこへ行きつく視線は自然釘を差されたならば、止まった時の中でぴたりと鎮座しました。

草津温泉で見られる白濁湯の中でも、おそろしいほど白く突き抜けて美しいお湯は、いとも簡単に心を鷲掴みにして、絞られた体から喉を伝って出てきた言葉は、驚嘆にまみれた実直なものだったと言わざるを得ないでしょう。

突き破るのをためらうようにして恐る恐るお湯に触れると、41℃に達しないほどの優し気な湯温が、そっと皮膚に吸着しました。

直ぐに安息の色をふんだんに浮かべる温泉だと思いました。

ほっとしたままに身を任せ、憑りつかれたようにお湯を何度もじゃぶじゃぶと手で切っていると、指の腹に滑り気が残りました。

滑り気は、自宅の様にいとも簡単に敷居をまたいでは皮の上に腰を重く下ろし、暫く離れることもなさそうな、強い滞在の色味を掌全体に広げています。

正に温泉に入りに来たな、と言わざるを得ない柔らかき波が連続して訪れていたので、浮き立つ心に過大に映し出されたものではないかと、はっとして透かして再びに見るにやはりそれは真で、本式の柔らかさも、初手から変わらないまま腑に落ちました。

【お湯へ入った時の肌への刺激・浴槽の深さ】

誘い込まれる白の湯に片足からとぷんと入ると、じわっとした温かみが皮膚を駆け抜けました。

白に落ちて姿を消した足は柔らかく床を捉え、しんなりと迎え撃つ天然物は平たい足裏へと、滑り気の膜が広く敷かれたような感覚を跳ね返しました。

抵抗の色も一切表に出さないような丁度良い湯温なので、勢いそのままにざぶざぶと体を湯壺に全て漬けました。

ぷっつりと霞に消えた体は軽く湯中を漂って、全身を温かい温泉が長く包み込んでくれました。

じわりじわりとした熱が、ゆっくりと外からやってきては列を成して、繁盛の趣が見える肌の内では、赤い血も温かく巡っているのが長閑に感じられます。

瞳を横切るぼんやりとした湯けむりを一旦閉じたら、両腕と胴回りに纏わり付いた泉水館の温泉が、甘く噛みついているのが心の端で捉えられました。

草津温泉らしいぴりとした湯の趣が、今にも切れそうな幕の如く薄くふわりと舞い落ちて、穏やかに肩を並べていました。

水平に近い形で目に近づいたお湯は、ゆらんゆらんとした大きな動きを次第に緩めてきて、終いには鎖骨辺りで白く鎮座しました。

深さはおよそ58㎝ほどで、犯されることのない喉元はほっそりと湯上に浮かび、出入りする生暖かい空気も速やかで楽だと感じられます。

はるか遠い先からのんびりと盛り上がる体温は、自然それを察知する体をぶらぶらと伸ばしました。

奥底で気配を消していた湯花が豪華に舞い上がり、ちらちらと湯中で軽やかに踊る姿を見るのが得も言われぬほどの喜びで、幾千の湯花を友とした暁には、身も心ほみるみる内にほぐれて行きました。

【香り】

瞳に並べていた湯花を両手に集めて飲み干すように顔にぱしゃり、そしてまたぱしゃり、そんなことを浮き浮きと繰り返している内に、温泉に身を隠した硫黄の香りが仄かに鼻先へやってきました。

注意深く鼻先で解剖してみると、透明感のある軽やかな薄切りの硫黄で、遠くに浮かぶ陽炎の如く距離でそれをうっすらとちらつかせてからは、後ろ髪を引くことも、控えを取ることもままならぬ、あっという間の速度で、もやの深い、向こう岸へ渡って行きました。

【味】

しんと流れ落ちて来るきらきらと輝く君子の湯を、行儀よく並べた指に取ってぺろりと舐めると、檸檬のような酸味がふわりと口内に広がりました。

非常にあっさりとした酸味で、つまむことも引くこともない癖の薄い味は、えぐみや苦みと決別した酸っぱさなので、顔のしわも寄らず眉もひそめず、喉の方からそのままするすると鼻先へ爽やかに抜けて行きます。

【肌触り】

中心でとくとくと動く心臓の音が耳に優しく響く頃、湯壺のうちに見え隠れする左の掌で、右腕を遅く撫でました。

ゆっくりと皮膚を転がる手の内には、重くのしかかり、厚く広がった丸い手触りが、ぬめぬめと感じられました。

ぬめりを有する白濁の衣は湯壺に浸かった体全体に引き伸びて、温泉風情溢れる事を見い出した頭は、ぷかぷかと浮かぶ緩い趣の船を、気の向くままにえいえいと楽しく漕ぎました。

湯中を進む足が膝あたりではたりと消えていましたが、朧に消えた足先と、ぼんやりと見える胴から、焔がぼうと灯っています。

火照った体を少し持ち上げ、ちゃぷちゃぷと鳴る音に耳を柔らかく誘われながら、段々にぺたんとお尻を預けた後、右足だけを段々に長く並べて細い息をふうと吐きました。

首をこくんと後ろに折って、高々と見る伽藍堂には、音の消えた茶色の世界だけが緩やかに広がって、金曜日の天下に落ちた草津温泉の賑やかな往来も、突き抜けた先にあるがらりから映る、青の空に遠く溶けて消えていました。

泉水館の桐の湯

左目の角から差す、爛々と照る光が白濁に着地した時、乱反射を起こした美しきお湯はきらきらとしとやかに揺れ、そこから反射したものは右目の角に映り込む壁の上で、海底に揺れる波紋の如き揺らぎを透明に転写させています。

ぼろりと剥がれ落ちそうな目で静かにそれを眺めている時には、窓から終始降り注ぐ陽が、光の道筋をより鮮明に描いて、数千にも及ぶシャワーを宙に浮かべているのが、ありありと分かりました。

雲一つない草津の秋空が、白くみなぎる陽光を暖かく振りかざしている間は、窓の外に揺れる枝葉の影も、減り込むほどガラスにくっきりと表れています。

窓の上でちらちらと揺れる影絵を、腹の下で湯花がちらちらと浮かぶお湯を飲み干しながら、暖かく見つめ続けていました。

しんとした瞳でふと段々を長く見ると、真っ白い塵が大量に蓄積されていたのを見い出したので、思いのままにそれをぶんと手で薙ぎ払いました。

突如として湯に繰り出された荒波は、塵を容易く舞い上げ、面白い程の白き煙が湯中で作られた矢先、それを捉える心はくたりとした所を抜け出して、端から端に鎮座していた湯花を、大人げなく蹴散らして行きつく先まで進みました。

白き道が行き尽くした頃に、少し透明を帯びていたお湯は、その面影を残すことなくまた別の、白一色に綺麗に染まりました。

泉水館の桐の湯

豪華絢爛たるお湯と無我夢中で戯れていると、いよいよもって体が燃え朽ちたので、その後は浴槽の隣にある隙間に体を傾け、尻の肉に檜をそっと感じながらぼうとしていました。

ふやふやになった皮膚の上を、どこからか入り込んで来る、高い山を過ぎ行く秋風が、冷たい足跡を残して通り抜けます。

しかし内側にある肉は温かく、それをふいと無視する力を得ていました。

じっとりとした柔肌からは、後から後からふつふつと汗がめどなく滲み出て、そこからうっすら白い湯気が、夜の蓋を空けた山の、暁暗に転がる靄のように立っていました。

真っすぐにぶん投げた足を、無意味に直視したりもしていました。

忘れている時間は足早に過ぎて行きます。

時間を忘れている事すら自覚できないまま朧雲が漂う世界でぼんやりとしていると、隣の萩野の湯に入っていた夫婦が、外に出るような音をぴしゃりと立てたので、漸くはっと我に返りました。

はっとする頃には、約束の時間もあっという間に過ぎ去っていました。

【おまけ】宿泊情報

泉水館の客室
公式HPより引用

すっかり時間を忘れてしまっていた泉水館の日帰り温泉、草津温泉にある檜造りのお風呂で一番かもとすら思えた桐の湯、あっという間に時間切れになってしまったので、かなり後ろ髪を引かれたまま退散となりました。

日帰り温泉の入浴料を考えると絶対に泊りで来た方が良いと思ったので、試しに泉水館の宿泊費を調べました。

参考程度ですが泉水館の宿泊情報をここに載せておきますので、草津温泉に泊まりで来る人は目安にしてください。

OTAは価格設定が良心的であるじゃらんで検索をしてあり、go toトラベル価格でここに書いておきます。

一名予約、二名予約の二通りを調べました。表示価格は税込みです2020年10月16日調べ

素泊まり 10月30(金)
  • 25,300円
  • Go To適用後 ➡ 16,445円~ 

二人の場合 30,800円

Go To適用後 ➡ 20,020円 一人あたり10,010円~

一泊二食付き 12月14日(月)
  • 52,800円
  • Go To適用後 ➡ 34,320円 一人あたり17,160円~

一人宿泊は二食付きが無く、素泊まりのみでした。

調べて見て分かりましたが、泉水館はなかなかの高級宿、しかも4室しかないのですぐ埋まってしまう人気宿だという事が分かりました。

これは色んな意味で簡単には泊まれないですね。

しかし、やはりそれでも大分先まで埋まっている事を見ると、唯一無二の自家源泉・老舗旅館・1日4組限定・2016年に綺麗に改装、湯畑まで徒歩数分、と惹きつけるものがたくさんあるので、予約も集中しているし、埋まってしまっているのは当然なのかもしれません。

これは個人的にも夢のような温泉宿の仲間入りをしましたね。

運よく泊まれた方...是非心行くまで君子の湯を楽しんで下さい。

ちょっと余談ですが、東京近辺から草津温泉へ来る人は意外とバスで来るのがおすすめ(知らない人が多い)

どれぐらいお得かは下記の記事に載せました(クーポンについても軽く書いています)

草津温泉ホテルヴィレッジの浴場入口

草津温泉ホテルヴィレッジの、べったりへばりつくような熱が宿る日帰り入浴体験【群馬県】

最新情報として、JR関東バスでは2020年11月30日まで申し込みは、クレジットカードによるネット購入で30%offだそうです

これは本当に安いです、僕は10月埼玉に戻る時にこれを使いました。

まとめ

最後に今回の記事をまるっとまとめて終わります。

泉水館の温泉は
  • 天井の高い檜造りの貸切風呂を提供している老舗旅館
  • 料金の設定上、60分コースを二人以上で使用するほうがコストに合う
  • 君子の湯と呼ばれる貴重な自家源泉を使っている、草津温泉の限定宿
  • 落ち着いた湯温で白濁していて、檜の柔らかい温もりが溢れている。

※スマホの人は横にして見ると見やすいです▼

住所  群馬県吾妻郡 草津町草津478(湯畑から徒歩5分、バスターミナルから約10分)
無料駐車場 無し
日帰り温泉料金 ・60分 ➡ 1500円(貸切料)+ 500円 / 一人(入浴料)
・30分 ➡ 1000円 / 一人
・延長料(30分)➡ 1000円 / 一人
・フェイスタオル、貸しバスタオル それぞれ200円
営業時間 平日 10~16時(閑散期) 土日祝+繁忙期 10~14時
※水曜日は定休になることが多い
源泉(掛け流し) 君子の湯(源泉名ぽっくないけど源泉名です)
泉質 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)
PH(水素イオン指数) 2.2(酸性)殺菌・ピーリング効果
効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症
設備 シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ドライヤー・髭剃り・洗顔フォーム・化粧水・乳液
その他 ・全て貸切風呂(3種類あり)・水曜定休日率高め
公式HP 泉水館
TEL 0279-88-2216
眺望 桐の湯は特に無し、他二つは分かり次第追記します。

温泉の泉質について簡単に知りたい人は➡温泉部さんの「【1分で分かる】泉質と効果効能(適応症)一覧まとめ!療養泉は普通とは違う?」をご覧ください。

泉水館の外観

泉水館の日帰り温泉では、豪華絢爛とも言えるような檜と白濁湯を、暖かく味わうことができました。

手触りや湯温、保温された体の熱具合、入り心地など、個人的には本当に好みの日帰り温泉でした。

それは得も言われぬほどの喜びを手にしたとさえ言えます。

貸切風呂なのでどうしても値が張りますが、あれだけ幸せに湯浴みをできたので満足感が勝ちました。

もっともっと、といつまでも入っていたくなる欲を駆られるような、悪魔的な檜風呂が泉水館にはあります。

心行くまで温泉に入りたいがために絶対泊まりたいと思ったのは、今の所、草津では泉水館が初めてです。

そんな衝撃的な日帰り温泉がここにはありました。

本日の日帰り温泉は以上です。

どうもありがとうございましたm(_ _)m

観光をしたい人➡「【2020年】初めてでも安心♪草津温泉王道観光スポットと観光のポイントをご紹介!」

湯畑周辺食べ歩き➡「草津温泉街の食べ歩きグルメ!立ち寄りたいおすすめ店8選

隣にある西の河原公園内の大露天風呂について詳しくは▼

西の河原露天風呂

西の河原露天風呂ってどんな所?行き方・料金・様子などの体験を詳しく紹介【群馬県草津温泉】

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