こんにちは。草津在住の公太です(^-^)
群馬県の草津温泉には、無料で温泉に入れる共同浴場と言うものが19ヶ所あります。
昨日はその中の一つ、白嶺の湯を体験してきました。
温泉にタダで入れるのは嬉しいけど、無料って聞くと何か心配、設備は大丈夫なの?って考える人もいると思います。
でも、無料共同浴場は皆が思っているほどお粗末じゃあありません。
今はコロナで町民・区民しか使えませんが、今後永久にそれが続く訳でもないと思います。
しっかりとした共同浴場のマナーを持っていれば、今後またそのお湯をもらえるでしょう。
なので、この機会に体験した白嶺の湯の事を詳しく書き、皆さんにお伝えします。
先々の草津旅行の楽しみの一つとしてご覧くださいませ。
なお、情報は全て2020年7月10日現在のものとなります。
※詳しい住所や地図は最後に載せています。
目次
白嶺の湯 体験談
白嶺の湯は、草津温泉から南東方向に歩いて10分ほどの所にあります。
観光で賑わう店々や人の出入りのあるバスターミナルを南東へ過ぎて行き、車が通る道路から閑散とした住宅街にひょいっと入った所に白嶺の湯はありました。
道路からはちょっと見にくくて、ぱっと見気づきづらいかと思います。

白嶺の湯 外観

外からパッと見ると、「うわっ!こんなところにこんなのあるの?」という感じで、一眼見た瞬間から「綺麗で清潔感のある建物だぁ」と思いました(2019年に改修済み)
その外観は、温泉街からその一部だけをするっと抜き取ってきて、そこにすとっと置いた感じ。
その身には、まるで京都の一部にでもなっているかのような静寂な静けさを一挙に含んでいて、思わず赤の鳥居を差したくるような建物だともしみじみ強く感じさせました。
雰囲気がより増すので。
建物は木造一階建てで、人の笑顔のような柔らかみのある茶色をその身に着せて、閑静な住宅街に花をぱっと咲かせるような雰囲気を浮かべています。
左から見ても右から見てもその温もりは安定的で頑なに変わりません。
想像以上の建物に胸が躍りますね。
白嶺の湯 内観

柔らかさと優しさが半々に分かれた木製格子の扉に手をかけ、ガラガラと小刻みにガラスを震わせながら引戸をくぐると、すぐ右側が下駄箱になっていました。
ついこの間置いたばかりかな?と見間違うような出で立ちで、淡い茶色を使った高さ150㎝くらいある四段の下駄箱。
この日は雨で傘を手に持っていたのですが、傘立ては無かったので、その下駄箱の右側面にそっと立て掛けさせてもらうことにしました。
目の前にはまたすぐに引戸があるので、同じような要領で引戸を開け、中に歩を進めます。

次の間に入ると、そこは良く出来た木造の脱衣場で、外観の木の温もりをそのまま寸分の狂いもなく持ち得ている様子を中にはらんでいます。
頭の先から足の先まで、四方八方が薄く明るい茶色の弾力が、何の疑いも無いくらいひしひし肌に伝わり、入った瞬間から大変な心地良さを感じました。
床にはそよ吹く風をふんだんに匂わせる涼し気なゴザが引かれ、足裏から避暑を心の端で感じさせてくれました。
それはさらりとこちらの胸の内を、気付かないくらいの小さな囁きを持って静かに通り過ぎたようにも思えます。
また脱衣場には、多少の違和感はあるけれど、茶屋の前や東屋の中を思い起こすような木のベンチ椅子が置いてあり、ゆっくりとした息をそっと吐いているのが見受けられます。

ロッカーは12人分あり40センチ角ほど、口が大きいので広く使いやすく、新しく、色も見事なまでに周りの木に溶けたかのような、それとも周りから分裂したかのような雰囲気で馴染んでいます。
清潔感ももちろんあり、掃除は隅々まで行き届いていたようで埃や塵などもありません。
気持ちよく使えます。
※脱衣場は共同浴場にしては広くて、四人くらい入れます。
また脱衣場には、トイレ、洗面器、鏡まで付いていて設備も不足無し、そして長方形の大きな窓がしっかりと外の太陽をその内に入れて灯りを取っています。
浴場と脱衣場はガラス扉で分かれていて、外からも中からもその様子はよく見て取れるから、貴重品にも目が届きやすくて、これなら安心だと思えました。
とは言え貴重品は出来る限り持って行かないようにしましょう。
浴場内に荷物をかけるフックなどはありません。
白嶺の湯 浴場内

一切の時間経過を感じさせない真新しいガラスの引戸を軽く引いて中に入ると、浴場内の温泉がもわっと全身を一挙に撫で、さっそくその温かさを胸にしっとりと感じられました。
温泉の風ですね。
浴場内は使いやすい長方形で比較的広く、2.2m×4mほど、床は石造り、色は真っ白を下に落として、浴場内を床から広く明るく彩っています。
温泉の湯口は勢いよくどぼどぼと温泉を浴槽に運び、湯面からはうっすらと温泉らしい湯気を立たせていたのがそっと風流を感じさせました。
周りの壁は床下1mくらいまでは床と同じ白が立ち上がっていて、そこからは、薄く柔らかな肌を持つ板張りに変わり、温もりを天井高くまで振り巻きながら駆け上がっています。
また、壁には外からの柔らかな光を大きく取り込む長方形の窓が一つ付いていて、浴槽から灯りを瞳に落とす景色を作るのに最高の役を持ち得ていました。

天を仰げばそこには悪戯になる物が一切無く、伽藍堂が思い切って奥へ広がり、抜群の開放感をこの目に差すことができました。
吹き抜けた天井は12mぐらいはありましょうか。
女湯側とも一緒くたに交わってぐるりと解放を回しております。広い...。
高い高い吹き抜けには木製のガラリが4つ並んで、そこから燦燦と陽の光を横に模様を取りながら浴場に浴びさせています。
通過した光は、宙に隠れたかのように儚くなった湯気の姿をこの目に捉えさせます。
光によってその姿をあぶり出された湯気はふわふわとし、その様子はまるで無邪気さを振りかざす子供のように見えたので、心に喜びを与えるようにその景色を楽しむことができました...。
さて意識を下に戻します。
浴場内には桶が5個・風呂椅子が3つあり、シャンプーや石鹸はありません(共同浴場はどこも無し。また強酸性の為必要ありません)
浴槽は、浴場へ入って左側にある女湯と仕切り壁側に長方形の形をとっており、大きさが3m×1.5mぐらいありました。
入れる人数は、最大でも大人4人ほど。
浴槽縁は、強くたくましいどっしりとした木縁が、20センチほどの幅を保ちながら、グルリ悠々と回っています。
縁上は重厚ある色味の上にゾッとするほどの滑らかを落とし、それは一度撫でるたびに心地よさを掌に幾度となく感じさせました。
僕はこのぬるりとした肌触りと、柔軟な弾力を持つ浴槽縁がよく好む傾向があるんですね。
なので、今日もそこに腰をかけることは密かな喜びであり、実際その場面も少なくありませんでした。
浴槽内は、周りの床と同じく真っ白を有しており、手前の短い辺の部分には出入りのしやすいよう15㎝くらいの一段が設けられています。
隣の壁にはL字の手すりも付いていました。
これにより格段に湯船を利用しやすい意識を容易に手繰ることができたと記憶しています(実際にとても安全で使いやすかったです)

白嶺の湯は湯畑源泉を100%源泉かけ流しで使っています。
お湯は混じり気のない綺麗な無色透明で、外からの燦燦とした光を雨のように浴び、キラキラとした輝きをその湯面に浮かべています。
また、その輝きは多種多様なので、見てるこちら側を飽きさせることは無く、心をぎゅっと掴まれたかのように見惚れ眺めました。
それを手で触ってみると、お湯の温度が手の先にじわっと移りこんで感じられます。
この日のお湯の温度は43℃ほど(日によって違う)
草津温泉にしてはいささか落ち着いていて、安心を心持ことができました。
透き通ったお湯を嗜むようにそっとすくいあげると、ぬるぬるとした滑り気がささやかに肌にとることができました。
その滑り気は柔さかと暖かさを奥深く含み、肌に幸せをそっと塗ったように感じさせます。
落ち着いているとは言え43度くらいはあるので、体のことを気遣い、何度も頭から掛け湯をしてから湯の中に入りました。
多くの意識に触れないよう恐る恐るそっと足を入れると、浸けた足の先から湯畑温泉の包み込むような温もりがじわじわと距離を詰めるように伝わってきました。
気持ち良いです。
それは体を意識の外から刺激し、幸せな気分を遠くから運んできたように感じられます。
足を着床させることで、しっかりとそのお湯が持つ肌への感触を感じることが叶います。
白嶺の湯は入った時の湯あたりが、他の共同浴場と比べてもとても控えめで、柔らかく感じました。即座に。
強酸性なので、深く探れば中程にピリッとした意識を持つけれど、白嶺の湯は、悪戯に肌を刺激せず、ゆっくり落ち着いて無意識に触れていられるような印象。
これはとてもとても気持ちが良いお湯だ、と偏に優しさを感じました。
そして、浴槽底は気持ちざらっとした肌触りが、足の裏に心地良さを細く長くもたらしました。
音を殺すようにゆっくりと浴槽底まで腰を据えると、みるみる内に体が温められていく様が意識にはっきり根差します。
じわりじわりと、確実に芯や底から体を温められました。
また、全身を浸けることで柔軟な滑り気はその姿をより濃く心に塗りたくりました。
全て浸かった右腕の上に左の掌をゆっくり撫でると、全体が強い滑り気が包んでいることが分かるんですね。
簡素ですが、以下にも肌に良いだろうという意識を持つことが、この時難なくと叶いました。
とてもとても気持ち良かったことを今でも意識に強く持ち続けています。
これと同時に硫黄の香りもぐっと鼻先に近寄ります。
手の内に収めるように白嶺の湯をすくい嗅ぎ取ると、そこには朗らかな硫黄の匂いがふわっと感じられます。
汚れのない、これまた癖のない自然な硫黄の香りで、するすると控えめに、そして心地よく鼻の奥から頭の奥へと入り込んできました。
それは空気のような自然と隙間のような軽さで、嫌味などが一切ない感じ、長く心地よくその匂いの中を泳いでいられるような印象を持てました。
味も、それに肩を並べるように穏やかです。
酸味といえば酸味ですが、とても滑らかで、角が立ったところが全く無いような滑らかさをこの時口の中に捉えました。
あまりに癖が無いので、思わず何度も何度も確かめてしまったのですが、やはりそれは飾り気なくさらっと静かな酸味でした。

その他、浴槽の深さは約50センチほどで、湯面は鎖国あたりにそっと落ち着きます。
これぐらいだと喉元には窮屈さを感じず、気分良くお湯に入ることができますね。
個人的に好きな高さです。
また、浴槽底に腰を下ろし、壁に背中をべったり付けた状態で足をまっすぐ伸ばしても、まだ20センチほどのゆとりが足先にありました。
なので、足の長い人でも安心してゆったりのんびりできると思います。
他には、浴槽の中から「北」へ望んだ目の前の窓明かりは中々に良いものだと思います。
ふんだんに陽の光を届けてくれる大きな窓に顔を向けると、目を閉じていても、瞳の奥をパッと照らすような細やかな兆しにも似た優しい光を心の端に見て取れました。
それは、温まった体と共に目を閉ざし、更に意識まで閉じたとしても、暗い先から届くような強さを感じられ胸の奥を照らします。それがとても心地いいんですね
それぐらい、癒しの強さと柔らかさを胸に落としてくれたように、窓からの陽には感じました。
文字に書く以上の速さでそんな事を感じている間に、体はみるみる内に熱を帯び、全身の筋肉は意識を失いだらんと横になって、火照りを次に迎えます。

そんな時に気持ちよく体を休めさせることができたのが、湯口側に伸びた床の上でした。
この場所に背中をぺたりと付け座り、ぼーっとする時間は、それはそれは深く落ち着けたので、極上のように感じることができました。
背中やおしり、足裏には、適度にざらっとした壁や床の肌触りを感じられ、また視線をくいっと上に向ければ、天高く伸びた天井と、そこに入り込む陽光を目と心に差すことができます。
更に、その光の差す場所にうっすらと上った湯気を掴むこともできます。
この湯気は、ふわふわと意志を持たないように立ち上っては、穏やかにすっと消えていきます。
その様子をぼーっとした体と共に眺めていると、頭の中の憑物を、一枚ずつぺりぺりと剥がして外に運び出すような感じに見えて、落ち着きをもたらしてくれます。
白嶺の湯では、これを床の上でしっとりと眺めているのがとても良い気分でした。
一人の時にやりましょう。足を伸ばすとそれなりに場所を取ります。

また、目の前にある浴槽縁の下に目をやると、浴槽から溢れ出た温泉が雪解けで出来た屋根の細い氷柱のようにぽたぽたしてみたり、つーっとしてみたりしながら落ちる様子も伺えます。
それは山の中や控えめな滝、雪国の家の前で立って見ているような場面を頭に浮かばせるので「なるほど、これは安らぐなぁ」、という心持ちにもさせてくれました。
これによって些細な楽しさをまた一つ味わえましたね。

右の耳元では、湯口からどぼどぼと流れる落ちるお湯の音が、兄弟のようにいつまでも寄り添います。
それは最初から最後まで耳の遠くに残り、その存在を無意識ながらも深く印象に残したように感じられました。
実は今日は音に心をそんなに傾けられなかったのですが、きっと何処かで心地良かったと感じていたんだと思います。
やはり、音も温泉がもたらす感情の揺らぎの一つだなと、細々とですがこの時確認できました。
そんな一連の事を、白嶺の湯で僕は感じることができました。
ここに来れれるのは主に地元近所の人で、混むこともありません。
個人的に白嶺の湯はとても居心地が良く、清潔で、しっとりした時間を過ごせる場所だなと強く感じました。
また来たい。そう思える良い共同浴場ですね。
白嶺の湯 周辺宿泊施設
おまけとして、白嶺の湯近くの宿泊施設を紹介します。
大切な人と泊まると良い思い出になるかもしれません。
草津温泉バスターミナルからも近いので、湯畑共にアクセスは良いです。
【昔心の宿金みどり】
清潔感があり見た目の雰囲気がお洒落な旅館。
温泉は湯畑(大浴場)・万代鉱(露天)と二つの源泉が楽しめる、欲張りなお風呂のようです。
これまた少し奥まったところにあるので、喧騒とは無縁の閑散宿で、ゆっくりと落ち着いて過ごすことは可能なのではないでしょうか。
住所 | 群馬県吾妻郡草津町大字草津162 |
駐車場 | 無料 |
温泉(湯畑・万代鉱源泉) | ・内湯1(男女)・露天風呂1(男女)・貸切露天風呂2(45分3000円) |
送迎有 | 草津温泉バスターミナルまで送迎有。バスターミナル到着後要連絡。 |
チェックイン | 15:00より |
チェックアウト | 10:00 |
部屋数 | 総部屋数32室:和室29室 / 和洋室3室 |
公式サイト | https://www.kanemidori.co.jp/ |



予約は「じゃらんやるるぶ」が手数料が安くて良いかと思われます。
トラブル時の心配がある方は、補償や対応に信頼のあるJTBを使ってもいいかもしれません。
施設情報を含む、白嶺の湯まとめ

では最後に白嶺の湯をまとめます。
- 白嶺の湯は湯畑から南東に歩いて10分ほど(通りからは中に入っているので目立たない)
- 建物は改修されたばかりで綺麗、そして清潔感が強くある
- 肌に対するお湯のあたりはとても柔らかく、硫黄の香りもほんのり、そして無色透明
- 共同浴場の中でも浴場・脱衣場は共に広くて、解放感がある
- 天井は高く光を取り込むガラリも大きいため、浴場は明るい雰囲気
今日は白嶺の湯を紹介しましたがどうだったでしょうか。
僕が白嶺の湯を実際体験してみて感じたのは、とても綺麗で清潔感があった事と、草津温泉の中でもお湯が恐ろしく柔らかかった事です。
白嶺の湯を初めて見た時は、とても無料の共同浴場には見えませんでした。
まるで今年建てられたばかりのような清潔感と、無料とは思えない風流を感じられる凝った建物には正直驚きました。
この近所に住んでいる人や地区の方が心底うらやましいと思ったくらいです。
それはまた、共同浴場に慣れていない人が入りやすい雰囲気とも感じました。
木の温もりを感じられる外観、使い心地のいい広い脱衣場と浴場は、ゆったりと心を落ち着ける手伝いをしてくれる、とてもとても良いものです。
また、強酸性の草津温泉にしては湯あたりも異常に優しい上、滑り気のあるお湯なので、肌に触れているだけでも癒されました(とは言え長湯は禁物です)
もちろん露天風呂ではないので、深い緑や川などを目の前に望むことはできませんが、白嶺の湯にはこれに勝るとも劣らない、解放感溢れる高い天井や、地元の方との深い関わりを味わえるんですね。
個人的には、そう言った点がとても気に入ってます。
それが無料で味わえるのも、泉の如く湧き出る草津温泉と、ココを管理してくれている地元の方の日々の努力の賜物だと思います。
本当にありがたいとしか思えません。
そんな感じで今日も新鮮な体験をすることができました。
ありがとうございます。
【白嶺の湯】
住所 | 群馬県吾妻郡草津町草津210-21 (草津温泉バスターミナルから歩いて3分) |
駐車場 | 無し |
営業時間 | 8:00~19:00 |
料金 | 無料 |
清掃時間 | 7:30~9:30 |
源泉 | 湯畑源泉 |
効能 | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症 |
禁忌症 | 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、皮膚、粘膜の過敏な人(特に鉱泉過症の人) |
最低限必要な物 | 小タオル(シャンプー等は無く、また強酸性のため必要無し) |
周辺宿泊施設(一例) | |
HP | 草津温泉観光協会サイト |
忘れ物の問合せ |
草津町温泉課(0279-88-7182) 草津町交番(0279-88-2100) |
※上記は2020年7月10日現在のもの

白嶺の湯は以上です。どうもありがとうございましたm(_ _)m