こんにちは、群馬県草津町在住の公太です。今日は、
・草津で温泉を調べると「白旗の湯」って出てくるけどここって一体どんな所なの?
・温泉入りたいから気になるなぁ...中の様子や入り方を知りたい。
今回はこんな疑問に答えるため、白旗の湯を詳しく紹介します。
共同浴場に初めて行く人は勝手が分からず不安だと思うので、絵を挟んで雰囲気が分かるようにしておきました。YouTubeで動画も見ることができるので、この記事を見て白旗の湯に行ってみましょう!
草津温泉旅行に来た人達は白旗の湯から入って行く人もけっこう多いですよ。
草津温泉の湯巡りは王道の白旗の湯からスタート【檜風呂を楽しもう】

白旗の湯は草津温泉の観光の中心である湯畑前に建つ共同浴場です。天下の名湯草津温泉の中で最も古く、最も質の良いとされる白旗源泉を引湯している共同浴場であり、温泉風情溢れる白濁の湯がゆっくり味わえます。ちなみに白旗の湯は源頼朝が発見し使っていたと伝えられてきました。
観光の立地がとても良いため目に付きやすい上、草津の温泉をネットで検索しているとすぐ出て来るので、泉質主義の草津で湯巡りするのにあたって白旗の湯から入り始める人は大分多い印象が在住者の僕にはあります。

草津温泉では主に6つの源泉を使っています。
共同浴場なのでもちろん無料、小さいタオルさえ持って行けば誰でも入れますよ。
優し気な木造建築の建物内にはお風呂しかありません。洗い場もありません。白旗の湯には檜風呂があるのですが、共同浴場には珍しく浴槽が二つあって、それぞれ熱湯とぬる湯に分かれているのが特徴。草津温泉特有のぴりとした酸性の趣や煮える様な湯を苦手とする人もいますが、通の人はこの熱いのが大好きだったりするので喜ばれます。
以下僕が実際は行った時の様子を詳しく書いておきますね。
初めての白旗の湯体験

正面から見て「左が男湯」「右が女湯」となっていて、男湯の入口横には、一緒に来た女性を待つための木製ベンチが、ちょこんとかわいらしい姿で置かれています。
田舎のおじいちゃん家の玄関を思わせる、ガラスが入った木製の格子玄関を引いて中に入ると、左手に2段構えのオープンな下駄箱がるので、そこに靴を入れて下さい。この時すでに草津温泉特有の硫黄の匂いが辺りに立ち込めています。たまりません。

足の裏に木のぬくもりが伝わるすのこから、下駄箱の背後へクルリと回り込むように足を進めると、そこに二段七列の木で出来たオープンロッカーがありました。ロッカーはおよそ50㎝角あり、ロッカーの中身を出さなくても物の入れ替えができるので、とても楽だし便利です。

更にこのロッカーは浴場の目の前、且つ口が浴場側に向いているので、誰かに物を盗まれるなどの心配がなく、大きな安心感もありました。
そこで服を脱ぎ小タオルを手に持ったら、180度振り向いて浴場へ進みます。と言っても、先ほど言った通り浴場は目の前だし、壁もしきりも何もありません。床で分かれているだけと思ってもらっていいです。
まず浴場は床も含めて全て木造り、左と右に浴槽が一つずつの計二つで、プラスチックの「しろはた」と書かれた桶と手桶があり、小タオルをかける壁フックがおよそ6個と時計・水道があります。鏡やシャンプー・石鹸はありません。とうより草津のお湯は最強の殺菌力を持っているので必要ありません。
天井は三角屋根でズドンと高く吹き抜けていて、低い所で5m、高い所で10mくらいはあります。これにより浴場の面積を無視してかなり解放感がありました。
左の浴槽は約4m角で深さは60㎝、お湯は温泉らしい白く濁った「白濁の湯」、お湯の温度は44℃と言ったところ(日によって少し違います)
気づいたと思いますが、浴槽が小さいのでのんびり入れる人数は4、5人程度で、各々が体育座りで並んでも6人くらいが限界です。僕が行った時は全部で10人のお客がいて、白濁の湯の中には5、60歳くらいのおじさんが二人先に入っていました。
2人の顔はすでに天に召されたように顔面の筋力がゆるゆるに脱力していました。どこか遠い所へ行けた様で幸せそう。

ちなみにこの日(2020年6月20日の平日)13:30の客層は60歳前後が9割で、後はたまに20~50歳の人が入ってくるくらい。主に地元の人が多くいるようなイメージです。
それでは早速温泉に入ります。
タオルはフックに落ちないようにかけ、その辺にあるプラスチックの桶で浴槽の温泉を汲み、座りながら体を静かに流しましょう。掛け湯と呼ばれる行為ですね。
体の汚れを浴槽に持ち込まないのと温度に慣れるためです。体感42℃なので人によっては熱すぎると感じますからね。
浴場は小さい面積だし隣には人がいるので、他のお客さんにお湯がかからないよう注意しましょう。バシャバシャやると「チッ」っとした顔をするか、優しい注意を他のお客さんから受けます。
もんもんと湯気が立ち上る浴槽の中に入ると、木の材質による肌触りが足の裏に優しく伝わり、かなり心地よいです。
温泉は気持ちヌルっとしていて、肌に纏わりつくのがいい感じ。一瞬で体全体を白濁が包み込み、体と心を温めていきます。
腰を浴槽底に下ろして壁に背中をもたれれば、更におしりと背中に木の暖かいぬくもりを存分に感じられます。僕は細身でおしりに肉がついてないのですが、木特有の弾力が自重による負荷を完全に消し去ってくれました。
湯面に顔が近づき硫黄の香りがますます鼻に入るので、温泉気分もじわじわ高まります。頭の先から足の先まで、全てが温泉に入っているような気分でホッとしました。贅沢です。
そのまま上を見上げると、10m以上はある高い高い吹き抜けが解放感を更に高めてくれました。それによってここが小さな共同浴場だと言うことを自然と忘れさせます。
外からは太陽の光が乳白色のガラス壁を通過し、場内をほんのり明るく照らしていました。光で明るくなった四角い格子ガラスが、目を全く刺激しない丁度良さで光っているので、個人的にそこに「お昼寝時を自分の部屋で過ごす」ような安心感を強く感じましたね。
所々ガラスが緑っぽく汚れていますが、それもまた長い年月を生きてきたことを思わせるので心が風情にまみれて妙に和みます。
こうしている間に、体が芯からじんわりじんわりあったかくなります。極上空間と至福の時です。そして僕はこう思いました。
「なるほど。これは天に召されたような顔つきになるのも無理ないな」
「僕も今あのおじさん達と同じように、ゆるゆるしてとろけた顔をしているのだろう。すまん、おじさん。僕も同じになったよ...」とね。
こんな感じで体が温まったら浴槽を出て休憩します。
休憩は柔らかな木でできた床に座って行います。先住民族スタイルの床暮らしって感じですね。
壁にもたれてあぐらや立膝の姿勢を取り、火照った体を源泉の湯気が立ち込める中で、ゆっくりゆっくりと冷まします。
たまに出入りするお客さんが開けた玄関から風が入ってくるのですが、これがまた気持ちいい...自然に入ってきて体に当たる風は、扇風機の何倍も涼しく感じますね。
そうこうしている間に湯口から浴槽に入る源泉のジョロジョロというお湯の落ちる音と、その浴槽から溢れ出て流れるお湯の音(4つくらい)が、催眠術者の声のようにするすると耳に入ってきます。するとかなり眠たくなります。これがまた心地良すぎます(笑)
その心地良さはとても無料温泉のロケーションに居るとは思えませんでしたね。身銭を切らずこれが体験できるのは恵まれているとしか言えない。
そんな感じで僕は出たり入ったりを4回繰り返し一時間近く白旗の湯にいました。
次に右側にあった浴槽。
こちらは約1.5m角で温度は47℃、無色透明サラサラで硫黄の良い香りがします。ゆったり入れる人数は2人くらい。
結論を言うと、こっちのお湯はしびれるくらい熱いです。2人入っていること自体珍しいので小さくてもなんてことないです。ゆっくりできます(熱さに絶えられるならばですが)
体の悪いものを全て浄化するくらい熱いので、僕は3、4分くらいしか入っていられませんでした(笑)。だって47℃ですからね(日本三名泉の名はここでも伊達じゃないw)。ただこの熱さが殺菌作用をもたらすので、肌にめちゃくちゃ良く効くらしいです。
ちなみに、この浴槽に入る前はまたまた頭から十分「かけ湯」をして下さいね。
地元のお父さんが大学生に教えていたのを聞いていたんですけど、体全体を熱さに慣らしてから入らないと、人によっては倒れるらしいです。どうやら「首から上」と「首から下」の体温差が急激に出て、血管が広がり血のめぐりも差が出るんだとか。
そうするとどうなるのかと言うと、血管に負担がかかってぶっ倒れたりするみたいです。これはお年寄りよりもむしろ「浴槽を出た時の踏ん張りが効く若者」に多いらしく、入り終わった後脱衣所で倒れるんですって。お年寄りは逆に踏ん張りが効かないから、自然と休んでから出るので大丈夫なのだそう。
昔はこれによって毎日救急車が来ていた!
っていう話を、僕が何の準備無しに熱い湯に入り終わった後で聞きました(おじさんありがとう!笑)

他にも白幡の湯は
- アトピーなどの皮膚炎に良く効き肌が綺麗になる、そしてそれは湯が熱いほどいい。
- 細胞を活性化して早く治すヒートプロテインショックの効果がある
- 余命3年の人が白幡の湯に入ることによって6年間生きた。
- 草津温泉の強酸性の泉質の中で生きていられる生物は、「藻」の一種類だけ(イデユコゴメと言うらしい)。
- 白幡の湯は昔混浴だった。
などなど色んな事を大学生たちに教えてくれていました。
でもこうやって詳しく教えてくれる地元の人がいるのはいいものですよね。小さい浴場で人との距離が近い分、「心の距離」も縮まりやすいって感じで。
すぐ仲良くなり楽しくもなります。
裸同士っていう特殊な環境の影響もあるんでしょうけど、大きなホテルの温泉では、まずこうならないですからね。これも共同浴場の魅力の一つですよ。
そんな話をしている間に、隣から若い女性がはしゃぐようなキャッキャした声も聞こえました。
これまた天井付近の壁が横に抜けているから、声が入ってくるんですね(これも解放感の一種)。何かあると言う訳ではありませんが、温泉の壁越しに響く女性の声はいつもと違い特別なので、それだけで気持ちにパッと花が咲いた気分になれました。
僕は特に大丈夫でしたが、むしろ熱すぎて浴槽から出るときの方が痛く、足がほんとに上げられないという感じでした(笑)。肌は入る時よりも出るときの方が痛いんですね。ただ、強酸性でこの熱さは間違いなく肌と健康に良さそうなので、白幡の湯に行った時は、是非熱い湯にチャレンジしてみてほしいです。
温泉に入り終わって出るときは、体を良く拭いてから脱衣場に行く事が重要です。
と言うのも、脱衣場の床の木と浴場内の床の木は材質が違うので、温泉で濡れると木が痛んでダメになってしまうのだそう。こうした心地よい有料のような温泉を無料で使えるのも、無償で解放・管理して下さっている草津の皆さんのお陰なので、それを忘れずマナー良く・正しく使うことが大事です。
温泉に入るとタップリ汗をかくので、入る前も大事ですが、出た後はしっかり水分補給をしましょう。すぐ近くにセブンがあるのでそこの「水」がおススメです。
白旗の湯から出た後に飲んだセブンの水は、どこの水よりもおいしく感じました。ジワァっと五臓六腑に染み渡る感覚がありましたね。
その後ボーっと眺めた湯畑の風景は最高に良いです。気持ちも穏やかになっているのでしばらく別世界へ行けますよ。

白旗の湯 施設情報まとめ
それでは最後に白旗の湯をまとめます。
- ロッカーが広く浴場から見えるので荷物を管理しやすい
- 天井が高くかなり解放感がある
- 木造りのぬくもりが肌に心地よく心身共に落ち着く
- 二種類の温度の温泉が楽しめる
- 床に座れるので気持ち的にかなりリラックスできる
- 白濁の湯がヌルっとして肌に心地よく綺麗になる
とこんな感じで白旗の湯は無料で入れる温泉とは思えない程素晴らしいところでした。
共同浴場へまだ行った事がない人は身構えちゃうかもしれませんが、言うなればただのお風呂で洗い場がない銭湯みたいなものです。
狭い空間に対し無言で入っていることも多いので何となく入った瞬間の妙な空気を感じ取ることもありますが、特に何も気にする必要はありません。みんな何も気にしていないし、軽く挨拶だけしておけば内心は印象良く受け取られます。
なのでまずは気軽に白旗の湯を覗いてみましょう!一度入ればそこから草津の楽しい湯巡りが始まりますよ。
※スマホの人は横にしてみると見やすいです▼
住所 | 群馬県吾妻郡草津町大字草津112−1 |
営業時間 | 5:00~23:00 |
清掃時間(入浴可) | 5:30~6:30 |
料金 | 無料 |
効能 | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症 |
禁忌症 | 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、皮膚、粘膜の過敏な人(特に鉱泉過症の人) |
最低限必要な物 | 小タオル |
HP | 草津温泉観光協会サイト |
忘れ物の問合せ |
草津町温泉課(0279-88-7182) 草津町交番(0279-88-2100) |
【清掃・営業時間(2020年6月19日現在)▼】

白旗の湯が分かる動画もあったので貼っておきます(撮影者様に感謝)。
1分42秒から1分50秒の間▼
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