松村屋の離れたくても離れられない日帰り入浴体験【群馬県草津温泉】

松村屋の浴場

こんにちは。群馬県草津町在住の公太です(^-^)

草津温泉で日々湯めぐりをしています。


先日、松村屋の日帰り入浴をしてきました。


草津温泉はその豊富な湯量と濃い泉質から、

日本三名泉

日本三大温泉

天下の名湯

と言われている日本屈指の温泉街です。

なので宿も多いこともさることながら、色んな所で『源泉掛け流しの温泉』が楽しめるようにもなっています。


そんな草津温泉へ遊びに来た時、「一体どこの旅館の温泉がいいのだろう?」と疑問に思うことはないでしょうか。

草津へ頻繁に来ている人ならまだしも、これだけ温泉があるのですから、たまに来るくらい人が簡単に見分けられるはずもありません。



そこで今日は僕が先日体験してきた、松村屋の温泉を細かく紹介したいと思います。

草津温泉を代表する老舗旅館なので、泉質やお風呂の造りに対する信頼があるのはもちろんのこと、いつまでも入っていたくなるようなぬる湯で湯浴みができました。


草津温泉への旅行を考えている人の参考になればと思います。


記事内の情報は全て2020年9月12現在のものです。


松村屋とは

松村屋の外観

松村屋旅館は湯畑から滝下通りを1分歩いた所にある、木造三階建ての老舗旅館です。

建物は日本伝統建築技術である「せがい出し梁造り」を使っているため、雨避けや日差しのための屋根(軒)を突き出しているのが特徴です。

滝下通り一帯は同じ建築様式の風情ある建物が多いので、ずっしりと重みのある黒い梁に真っ白で柔らかみと清潔感のある白壁が多く目立ちますが、その中でも松村屋は、窓にはめられた繊細な木製格子が見目麗しく風流を感じさせます。

横に長い松村屋は、細やかな格子や手摺が一直線に並び、視線を奥へ奥へと、鮮やかの元に心地よく伸ばしているように見えました。


松村屋の内風呂は「延寿の湯」と呼ばれ、大きな石の肌触りが体に心地良い石風呂。

源泉は湯畑源泉をすぐ近くの湯畑から引いて使っています。

古き良き時代の草津温泉を再現するための老舗旅館でもあるので、お風呂の湯温や静寂、それらが醸し出す温もりは一級品、とても幸せなお湯が味わえた先に、穏やかな時間を過ごすことが出来ました。


※住所や地図など、詳しいことは最後の『まとめ』に載せてあります。


松村屋のお風呂の魅力

松村屋の魅力は、延寿の湯に張られた「ぬるめのお湯」から与えられる、体に粘りつくような温かさです。

39℃でするりと入りやすい湯舟は、その心地よい湯温によって、意識の外から気づかぬ速度で体をじんわりと温めてくれました。

ゆっくりゆっくり積み上げるように上がった体温は、かあっと熱くなりすぎる事のない、しんとして、ゆるりと長く滞在するような熱を静かに帯びることができました。

老舗旅館の中でもどっぷりと長湯をして、芯からほぐされるにはこれ以上ないお湯だと思います。



日帰り入浴の時間と料金

日帰り入浴湯めぐり手形でのみ可)

11~17時 700円(子供500円)

上記は仲居さんに聞いた目安です(※時間にこれと言った決まりはないようなので)

客入り状態によって変わるそうなのですが、宿泊客がいないと閉館しているので、なるべくなら土日祝・祝前日などに行くと入りやすいです。

湯めぐり手形は、限られた老舗旅館の日帰り入浴をする事ができる「専用の温泉身分証みたいな物です。

詳しくは➡「草津温泉でお得に湯めぐりすることはできる?体験を元に条件や方法を詳しく紹介。」をご覧くださいませ。

日帰り入浴の支払い方法は「現金」。ペイペイとクレジットカードの使用は不可。

草津温泉の日帰り入浴では主に現金の支払いが主流ですが、ペイペイが使える老舗旅館もたまにあります。


松村屋の日帰り入浴は『手形のみ可能』なのでご注意を!


松村屋 記念スタンプ

余談ですが、僕は手形使用者なので記念スタンプを押してもらいました。


駐車場はある?

※横に並んだ写真はスマホを横にすると見やすいです。

松村屋の駐車場には宿泊客しか車を停められません。

車で日帰り入浴をしに来た場合「草津温泉にある有料、もしくは無料駐車場」へ車を停め、そこから歩いて来る必要があります。


僕としては上限付きの『アップルパーク』が良いかなぁと思います。

松村屋まで徒歩6分、9時間500円なので、一度停めればそのまま湯畑などの観光がゆっくりできますよ。

安い有料パーキングに停めるなら

草津パーキング:草津温泉バスターミナル斜め前(徒歩9分) 100円/30分

アップルパーク:煮川の湯の奥側(徒歩6分) 500円/8~17時(上限ありでお得)

草津温泉周辺の詳しい駐車場情報は「草津温泉へ車で行く人へ。湯畑周辺駐車場まとめ【様子が分かる動画付】」をご覧くださいませ。


無料駐車場に停めるなら「天狗山第一駐車場(徒歩20分)」がおススメです▼


日帰り入浴の注意点

コロナ現在の松村屋で温泉に入れるのは、『宿泊客か手形を持った草津町民のみ』です。

手形を持っていたとしても身元の確認ができないため、受入れているのは町民のみとの事でした。



このように、いつルールが変わるか分からないので、行く前には必ず、旅館へ下記の事を問合せてくださいね

  1. そもそも日帰り入浴自体をやっているのか?
  2. やっているならば何時から何時の営業か?

※実際日帰り入浴の使い方が変わっているお宿もあります。

松村屋にはドライヤーが備え付けてあるので髪を乾かすことは可能でした。女性も安心ですね。


混雑具合

混雑する時間を知っていれば、少しでも静かに温泉を堪能できます。

どうせならゆっくりと、落ち着いて温泉に入りたいと思うので、僕が入っていた時間を一つ参考にしてもらえればと思います。

僕はお風呂に一時間入っていましたが、終始一人の独泉状態。

お陰でゆっくりとした時間を過ごせました。

滞在時間と客入り具合

2020年9月12日(土) 11:30~12:30時

入浴者は本人のみ(独泉)

観光客は夏休み中なのでそれなりに多かったです。

ちなみに、入浴後も一時間ほど浴場入口付近で休んでいましたが、お風呂に入っている人は誰もいませんでした。


貴重品がある人は受付に預けることも可能。

浴場と脱衣場はガラス一枚でお互いの場所へ目が届きますが、心配な人は預けましょう。


松村屋 体験談

松村屋の受付

僕が体験した松村屋の温泉を鮮明に伝えるため、中の様子をこと細かく書きます。

行く行かないを考える、一つの判断材料としてご覧ください(本当に細かいので長文です)


入口~脱衣場

純白の暖簾をはらりとくぐった先には、辺り一面茶に覆われた柔らかき世界がありました。

頭から白色の灯りが落ちる館内には、正面に昔ながらの情緒溢れる囲炉裏や大黒様のような石像、温泉街の橙色の間接照明と黄色に咲いた繊細な花が、風流をぼんやりとした姿で優しく浮かべています。

まだ宿泊客も訪れない昼時の旅館はしんとしていて大人しく、右にある、踏めばみしりとなりそうな階段が、上に向かいながら右左と折れて見失った先に、安らぎを無言で語っているように思わせます。

左手にある受付には誰もいません。


ドラが天井から垂れ下がっているので、なんだろうと不思議そうに眺めると、「受付不在時はドラでお知らせください」と書いてあったので、まだ音の程度が分からないドラを軽く叩きました。

館内にごぉぉぉんと音を響かすと、受付の奥から仲居さんが出てきてくれたので、入浴の旨を伝え支払いをささっと済ませました。

僕は湯めぐり手形での入浴だったのでそれに記念スタンプを押してもらったのですが、丁寧に押したスタンプを「こんな感じです」と気配りを聞かせた上で見せてくれました。

仲居さんは少しふくよかな人で、顔の上には温もりの面を付けているように感じたから、瞬時にほっとするような気持ちが差しました。

松坂屋の廊下

そのまま仲居さんがお風呂まで案内をしてくれる素振りを頭の上に落としたので、廊下の奥に差し出した手から引かれるように館内の奥へすたすた歩きました。

踏む足に合わせてどんどんと鳴る床は、優しい木の奥に深い厚みのある情のようなものを持っているかのように感じます。

全体の雰囲気はどこか懐かしく、幼いころに行っていた福島にある父の田舎みたいな大人しさがありました。

足が進むごとに温泉への期待も密かに高鳴り、胸の内にある脈がとくとくと高鳴りました。


暖かな温もりを踏んで進むと、すぐ先へ「おとこ ゆ」と書かれた暖簾に当たったので、そこで案内はさらりと切れました。

弾む胸を持った体を木製格子の開戸へ手をかけた後、吸い込まれるようにして中へ押し込みました。


永楽の湯の脱衣場

ぱたんと開き戸を閉めた瞬間空間は隔絶され、辺りは強い静寂に包まれて更にしんとなりました。

脱衣場は広々としており清潔感があります。

壁に張り並べられた檜の香りがふわりと鼻へ優しく訪れ、自然の姿がありありと浮かび上がります。

足の下では涼しげな籐がそっと踏まれて、軽き感触がそこにいました。 

洗面所の上にある窓の外からは、朗らかな陽の光が格子越しに暖かく落ちて部屋をぱっと明るく照らし、清々しい気分を生み出しました。


脱衣場は約5m× 2mの長方形。

左にロッカー、正面に洗面台、右に透き通るような木製の格子があって、ガラスの奥には浴場が見えています。

ロッカーは木製四段、衣服と荷物を入れる籠が6個置いてありました。

仕切りの無いタイプですね。

9個くらいは余裕で置けそうですが、少ない籠で間隔保持をしていました。


洗面所は二つ、ドライヤーと綿棒があるくらいで閑散としています。

髭剃りと化粧水が置いてある所もありますが、個人的には十分で不自由は感じません。

天井は約2.1mほど、一般的な高さなので開放感があるわけでは無いですが、真っ白く塗られているので圧迫感からは解放されているようにも思えました。


床を一段下りて、浴場を透かして見せる引戸をがらがらと引いて中に入ると、中には広いお風呂が置かれた石風呂が広がっていました。


浴場

松村屋の浴場

温もりある焦茶色の壁に、どっしりとした石の床、明るい陽を取り込む大きなガラス窓、窓の外に緑緑しい坪庭、そして壁に造られた大きなタイル画が目の中に飛び込みます。

湯口からは落ちた温泉がちょろろろろと穏やかな音を響かせ、高鳴りを見せていた胸をそっと抑えました。

背後では換気扇の音がぶうんと鳴っているのが聞こえます。

浴場の湿気を含んだ檜はより一層深みを増した香りを漂わせ、嗅ぎ取る鼻にするすると入り心を喜ばせました。

自然の深い香りを嗅ぎ取った体は、もっとそれを欲しがるかのように肺をぐうっと膨らませ、体内の奥へと檜を運びました。


浴場の大きさは約5m×4.4m。

右に洗い場があってそこの壁にタイル画、左手には浴槽があり、外にはガラス越しに坪庭が広がっています。

窓の下半分は擦りガラスでぼんやりとしていますが、上の方は透き通っていて、外の景色が良く見えるようになっていました。


床は長方形の大きな大きな灰の石を敷き並べていて、所々に入った亀裂が長い時間経過を想起させます。

石と石の隙間にある固形化したぼつぼつが、温泉の通り道であることを人知れず物語っていました。

剥き出しの肉で石をひたりと踏むと、足の裏にはざらりとした石肌が心地良く伝わってきます。

お湯に濡れれば石の顔もみるみる艶っぽくなり、肌もぬるりとした妖しい物へ化けました。

不揃いにでこぼことした表面は、足をぺたぺたと進める度に違った刺激が穏やかに送られるので、踏む足は所々で喜びました。


壁は膝丈くらいまでが石、その上は重みのある焦茶色の檜が板張りにされており、木の温もりを浴場へぐるりと回しています。

石は温泉の影響により所々黒ずみ、浴槽周りの石には温泉が乾燥して固形したものが、白の上に錆びの色を加え点々と温泉顔を浮かべています。

重厚な檜は掌で少し押せばみしみしと音を立てそうな雰囲気があり、自然の強いしなやかさも大いに含んでいる様にも感じました。

またお湯で濡れた場所や壁に付いた照明の白色で照らされた場所は顔色を変えた、人間で言う所の黄人・白色・黒人のような個性を暖かみの奥に出しているようでした。


永楽の湯

洗い場側の壁には『草津温泉十七滝』と書かれた壁一面の大きなタイル画が飾られていて、にこやかな顔をして湯浴みする男女の姿がありあり描かれていました。

滝湯を浴びる者、手拭いで体を拭く者、浸かりながら談笑する者、脱衣場で着替える者、その表情は見てるこっちも思わず微笑んでしまうくらいみんな朗らかで、唇の両端が上がった顔からは、今も昔もお湯に入る喜びは変わらないのだろうと思わせます。

この太陽みたいな柔らかなタイル画を湯舟の中から眺めているのが、後々緩い幸せとなり得ました。

しかしその笑顔の側面では、お湯の利権争いや独占欲、そこから生まれる血みどろの戦いもあったのかしら、と思う時間も少なからずありました。

これは先日図書館で草津温泉に関する古い文献を見ていたからでしょう。


反対側の壁には、約3.4m×2mくらいの大きなガラス窓が浴場へ爛々とした陽を照らしています。

下半分が擦りガラスなので外の景色は上側しか望めませんが、上の方には優し気な色の竹垣、灰の積み重なった強固な石垣、石垣の上からは霧雨で濡れたツル性の植物が、しっとりとした濃い緑の影を雨と共にぽたりと降らせていました。

窓の切れ目からは屋根伝いに落ちる雨が白糸のような細さで何本も何本も落ちているのが見え、女性の濡れ髪のような艶っぽさとしとやかさを静かに漂わせたその景色は、花鳥風月を友としました。


天井の高さは2.5mほど、一般的な天井よりも少し高いです。

真っ白で覆われた天井は、純白を頭の上に掲げていたので伽藍とした広がりを見せ、そこからはそっと解放感を味わうことができました。

永楽の湯

【温泉や浴槽について】

永楽の湯で使っている源泉は湯畑源泉。

皆さんもご存知の通り、湯煙が舞い上がっている湯畑から湧き出ています。

徳川吉宗が、中に沈んで見える湯枠から温泉を江戸まで樽に入れて運ばせたことから、『徳川将軍御汲み上げの湯』なんて呼ばれていたりもしますね。


浴槽は約3.4m×2mの長方形、浴槽縁を木で、内側は浴槽底まで石タイルで造ってあります。

ゆったり入れる人数は6人程、なので和風村加盟宿の中では大きい浴槽です。


浴槽縁は幅17㎝ほどの柔らかな薄茶色をぐるりと一周回しており、がっしりと浴槽を型取っています。

朗らかな薄茶は最近造られた肌のようにつるりとして綺麗で、触ると色の優しさ以上に硬くしっかりとしていました。

実際お尻を乗せればその硬さが強く反発してくるような感覚がありました。


出入口には約27㎝ほどの段々が一つあってそれがL字型に沈められており、幅広く半身浴ができるようになっています。

そこに腰を掛ければ湯面はへそと胸の間くらいにそっと落ち着きました。


浴槽底は段々と同じ薄い灰色の石タイルが、大きめの顔を几帳面に並べています。

但し浴槽底と段々のタイルは肌触りが全く違く、浴槽底の方が、段々よりもざらりとした中に滑らかな肌を持ち合わせていました。


永楽の湯

坪庭側には、木製の箱で造られた湯樋が縁沿いに半分くらい伸びており、端の部分で90度突き出た湯樋からちょろろろと、温泉が静かに音を立てながら浴槽内へと注ぎ込まれていました。

突き刺すように集まりを見せるお湯が落ちた湯面には、細かい泡がぶくぶくと底から浮き上がり、暖かさの内に、草津温泉の酸性の刺激を思わせる炭酸のような態度を見せています。

湯面からは目を凝らして漸く見えるほどの白き湯気が、換気扇に造られた風の道をゆらりと行進しながら舞い上がっているのが薄ぼんやりと見えました。


【色】

湯舟に溜められた温泉の色は純粋とも言える無色透明。

遠くから見ると、中に畳まれた灰のタイルの影響で碧掛かって見えます。

手にすくい取れば、ガラス越しに落ちてくる陽光と照明の白い光が重なり、爛爛とした姿が瞳の中に落ちました。


溢れんばかりに溜められた温泉には、坪庭にある草津の深い緑や雨の空、淡々と積まれた石垣とそれを遮る窓枠が朧気に映り込み、湯口より落ちた温泉の波紋がそれを、ゆりかごのようにゆらゆらと揺らしているのが見えました。


【湯温・肌への当たり】

色々な個所に色々な暖かみや風流を穏やかに感じながらも、さっそく浴槽へ入りました。

片足からとぽんと浴槽へ足をそっと入れると、肌上にはぬるめのお湯がそっと身を寄せてきました。

湯温は39℃、かなり低めに調整されています。

そのままもう片方の足をとぽんと入れ、勢いに任せて浴槽底まで腰をどっしりと下ろしました。

大きな肉がどぼんと入り込んだ湯舟では、驚かされた湯面が海の様な波を立てて、大きな揺らぎを繰り返しました。


いざどっぷりと湯の中へ身を投じると、胴の周りと手の甲にはぴりりとした些細な刺激が感じられます。

落ち着いた酸性の刺激はぬる湯ということもあって、意識をそこに集めなければ中々察知できない程とても静かであり心地よいものでした。

柔らかきお湯は空気の様に穏やかで、湯に浸かる者の意識にも熱さによる急激な変化の神経を配ることはなく、随分と自然な流れで着地した意識からは、体の底で湧き上がる熱の在り処を簡単に見つけられませんでした。

ただぬる湯の良い所は気が張る場面が一切にないので、だらんとした気分になるのが驚くほど早くて安らぎますね。

そのせいなのか、浴槽の縁へと首をもたげた軽き体は、何度も湯面をふわふわと対抗無く漂いました。


【香り】

お尻が底まで到達すれば、鼻へと近づく湯面が自然と硫黄の香りを頭の上に運びました。

ふわりと鼻先に遣ってくる硫黄を手にすくい取って深く嗅いでみると、お湯の中には不純物を含まないような、あっさりとした硫黄の香りを見つけられました。

長く意識に滞在することもない香りは、うっすらとした輪郭で湯気のようにやってきては、意識の端からするりと出て行きます。

そのやんわりとした硫黄臭はぬるいお湯と相性が良く、静寂な物腰が混じり合った先には、穏やかな温泉気分が蝶のようにゆっくり舞い上がりました。


永楽の湯

【味】

湯口から流れ落ちる温泉を指先に取り、舐めて味を確かめてみました。

ぺろりと触った舌からは、甘酸っぱい梅干しに似た酸味を感じます。

深い苦みやえぐみ、そこからくる強い硫黄の香りなどは無く、舐めるほどに味の輪郭を崩していく線の細い酸味でした。


無論頬の肉を凋落させることも無く、含んだ口内が舌に向かって引っ張れるようなしぼみもありませんでした。


【肌触り】

お湯を手に取って親指と人差し指で擦り合わせれば、ぬるりとしたお湯の感触を仄かに掴めます。

その滑り気は4、5回擦り合わせれば無くなっていくくらいの存在で、それが湯舟全体に広がっていました。


湯中に沈む体を荒々しく掌で撫でたくらいじゃ分かりませんが、研ぎ澄ました神経でもって穏やかに皮を撫でれば、皮の上に滑り気の衣が着せられていることが分かります。

衣は腕の上、腹の上、腿の上と、どの部位に触れた時にもその存在を掌越しに感じることができます。

控えめではありますが、正に温泉らしい滑り気は肌を喜ばせ、湯に浸かるこちらの胸をとんとん弾ませてくれました。


目に見えぬ絹を纏ったことに気づく頃には、体の芯も大分熱くなっていました。

浴槽に触れるお尻や沈みこんだ手、壁にべったりもたれた背中には、僅かに動く体に合わせてざらりとした、心地よい石の肌身を感じることができました。

時折大きく動く体は大きな荒波を湯面に立て、ゆさゆさと身体をゆすっては、不揃いな石の肌触りを肉から心へ優しく届けます。


ぬる湯によって恐ろしくゆっくりと温まった身体には、ゆっくりとしたぼんやりが山のように積もり、積もったぼんやりの内には、外に映るしっとりとした坪庭の風流が朧雲と共に落ちていました。

天下に落ちる雨は風に切られ霧の如く降り、屋根の切れ目から天下に向かう雨は糸の様な細さで流れる姿を不揃いに切って落としています。

朧気な意識をこしらえ火照った体には、この景色が綺麗に染み渡ってくるように感じられました。


朦朧へと変化した耳にはゆっくりと眠りの足音が近づき、その歩みが頭を確かに踏んだ頃には、瞼と顎もこっくりこっくりと眠気を重くみせました。


永楽の湯

気づいた頃には朧月の様な視界になりふとすれば体も大分温まっていたので、浴槽から重き体を引き上げ浴槽縁へくたりと座って足を伸ばしていました。

この時外に出された肉の中には、随分と穏やかな熱が閉じ込めれている様に感じました。

草津温泉の熱いお湯に入った後の噴き出す熱さではなく、流れる血が丁度良く温めれ、それが体中緩やかにとっくんとっくん巡っているような感じで、長く体を離れることがない柔らかな熱を纏っていました。

うたた寝していたので長湯をしていた訳ですが、ぬるま湯による、ぬるま湯らしい熱を体に帯びることができたんだと思います。



三つ回る換気扇が浴場に絶えず風をそよそよと運びます。

秋の風情を思わせ走りゆく風は、じんわりと熱くなった体の上を、足取をはっきり残しながら過ぎ去りました。

立ち上がって坪庭をぼんやり眺めていると、眼下に広がった湯面が大海原の様に大きく揺れ、深い呼吸をしています。

湯面に落ちた坪庭の花鳥風月は呼吸に合わせて、ぐにゃり、またぐにゃり、と曲がって魚眼の世界をそっと浮かべていました。


気が付けば指先や足裏の皮膚は、100年の時を超えしわしわにふやけています。

時間が過ぎる速度を感じる間もなくあっという間に時は過ぎていました。

個人的に永楽の湯では、時間の概念を忘れてゆっくりできたように思えました。


内観含む松村屋の雰囲気(まとめ動画)▼


松村屋の宿泊料金(参考程度)

肉親の家の様な香りが強い松村屋、田舎のようにのんびりと、俗世から切り離された様に時を忘れるならばここで一泊したいものです。

今現在は「Go To トラベルキャンペーンにより宿泊費が35%割引」、かつてない程の宿泊料で最近はこれを使い外泊する人が大分増えてきました。

そこで、できるだけ宿泊費を抑えれそうなじゃらんで松村屋の宿泊相場を調べてみました▼


9月26(土)宿泊のもので二名予約。表示価格は税込みです。

素泊まり
  • 19,800円
  • Go To適用後 ➡ 12,870円 (6,435円/一人)
一泊二食付き
  • 30,800円 
  • Go To適用後 ➡ 20,020円 (10,010円/一人)

ちなみに二名予約は32,000円

Go To適用後 ➡ 20,800円 一人あたり10,400円

2020年9月12日調べ


じゃらんのGo To トラベルキャンペーンは、予約する際自動で35%割引されるようになっていました。

予約操作が楽ですね。

宿泊時の注意
  • 館内完全禁煙(目の前の地蔵の湯前に喫煙所あり)
  • エレベーターは無し


施設情報を含む、松村屋まとめ

最後に施設情報含めて松村屋をまとめます▼

松村屋は
  • 宿泊客か手形持参者しか温泉に入ることができない
  • お風呂は坪庭付きの石風呂(露天は無し)
  • 浴場が大きく解放感がある
  • ぬる湯なので熱いお湯が苦手な人でもじっくりと湯浴みを楽しむことができる


※スマホの人は横にして見ると見やすいです▼

住所 群馬県吾妻郡草津町大字草津365 (湯畑から徒歩1分)
駐車場(日帰り入浴者) 無し(近くの有料パーキング・もしくは無料の天狗山第一駐車場へ)
料金(大人) 700円/一人 湯めぐり手形でのみ入浴可
営業時間 11~17時(日によって変動するので要確認)
源泉(掛け流し) 湯畑源泉
泉質 ◎酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)
PH(水素イオン指数) 2.1(酸性)殺菌・ピーリング効果
効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症など
設備 無料ロッカー・シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ドライヤー
その他 ・コロナ現在は行く前に要問合せ(営業時間の確認)
HP 松村屋
TEL 0279-88-2323

草津温泉バスターミナルからの行き方▼

松村屋の外観

延寿の湯には、熱いお湯が苦手な人でもするりと入れるようにと管理されているぬるいお湯がありました。

ちょうど良い湯温は、肌に優しい酸性の刺激を滑らかに与え、全身にするりと滑るような薄膜の温泉衣を纏わせてくれます。

掌に掴んだ手触りは、胸の上でも心地よい感触を長く置いてくれたので、じんわりとした暖かな喜びを暫く感じられました。


出たくても足を繋がれたように一向に出られない ...

そんな感覚に陥った温泉時間でした。


以上、松村屋の日帰り入浴紹介を終わります。

どうもありがとうございましたm(_ _)m

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