こんにちは。草津在住の公太です(^-^)
今日は草津温泉にある無料共同浴場「翁の湯」を紹介します。
最近は無料共同浴場へ行くのがすっかり楽しみになっていて、前日の夜なんかは「明日はどんなお湯に会えるんだろう」とワクワクしながら床に着いています(幸せですね)
と言うのも、共同浴場へ行けば行くほど、様々な浴槽・景色・お湯など予想していなかった驚く物が目につくからです。
そしてこれは、経験上全てが良いものではないけれど、良いものが多いです。
おかげで、今ではすっかり有料の温泉に入らなくても「無料の温泉がいい」と深く思えるようになりました。
これはハッキリ言えますが、無料共同浴場はタダなのでお得です。
もちろん、その先には好き嫌いや、合う合わないはありますけどね。
でも無料で温泉に入りたいと思う人は多い...と僕は常々思っています。そして無料だからしょぼい...と高を括る人も多いと思っています。
でもそんなこともありません。
共同浴場も見る所をしっかり見れば、その端端に良い部分がしっかりちりばめれらています。
昨日は「翁の湯」と言う所に行きました。
そして思った通り「強く良い所、弱く悪い所」を見つけたので、今日はそれを含めて翁の湯を、様々な方向から詳しく切って鮮明に伝えしようと思います。
温泉で病気を治したい人、疲れを癒したい人、温泉巡りをしたい人、そして共同浴場を知らない人などは参考にしてみてください。
目次
翁の湯の場所
翁の湯は、群馬県草津温泉にある湯畑から「西へ歩いて10分」ほどの坂途中にあります。
西の河原公園の入口を背にして坂を上ると3分ほどですね。
坂を上った途中にあるので、真冬で雪が積もる頃だとちょっと行きにくいかもしれませんが、それが無ければ湯畑から近く、容易に行く事ができると思います。
少ない温泉宿と多くの緑が集まった閑静な場所にある事、周りに建物が少なく独立して佇んでいる事から、近くを通ればすぐ分かるかと思いますし、探し迷うことはまずありません。
簡単に行き、その目に映し入れることができます。
住所:群馬県吾妻郡草津町大字草津468−4
駐車場が無いので車で来る人は、西の河原公園近くの無料駐車場「天狗山第一駐車場」を使うか、湯畑周辺のコインパーキングに停めて行きましょう。
天狗山第一駐車場からだと15分くらい歩きます。
翁の湯 外観

翁の湯は、古い木造一階建ての建物で、横から見ると一見普通の家の様でした。
正面から見ると下町浅草に「ある昔ながらの銭湯」と言ったような、風情ある外観をさらりと取っています。
正面には戦国時代の流れ旗を思わせるような「白く大きな旗」が架けてあり、そこに「翁乃湯・草津温泉・泉水区」と書いてあります。
これが真っ白い下地に赤の文字で、中々の強い迫力と存在感を着込んでいました。
またその上には、太くて硬い重厚な木の板に「翁の湯」という文字が、筆で書いたような粋のある形で書かれ大きく掲げられていました。

建物自体は古い歴史を感じられますが、入口自体は今風の格子ガラスが入った木製の引戸で、その見た目はとても新しく、木の温もりや清潔感も強く見受けれられたため、中に足を進め易い雰囲気を僕の心に射ました。
こういった所は初心者にとって軽い心持になれますね。
正面から見て「左が男湯」「右が女湯」の入口です。
玄関引戸辺りには、清掃時間やコロナの感染症対策、泉水区長からのお願いごとなどが書かれた紙が貼ってあるので、ここで予めサラっと目を通すと良いかと思います。
その中には新型コロナ対策により町民以外の入浴を遠慮している旨も書かれていました。
共同浴場は本来町民のために作られたもので、町民の方々が無料で管理し解放してくれています。
今は使用させて頂くのは難しいですが、無事コロナが落ち着いて共同浴場を使う際は、感謝を意識しマナーを守って使うようにしましょう。
翁の湯 内観(脱衣場)

柔らかを着込んだ引戸を、ガラスの音を震わせながらガラガラと引くと、すぐそこは小さな靴置場になっていました。
そして、すぐ目の前にまた引戸があり、脱衣場が丸見えにならないようになっています。
これは共同浴場5つ目にして初めての経験だったんですが、玄関にも中にも下駄箱などはありませんでした。
なので、玄関で履物を脱ぎ、すのこの上に上がったら、次に来る人の邪魔にならないようサンダルを端に寄せておくことにしました。
ちなみに傘立ても無いので、傘があればその辺に、邪魔にならない様に立てかけておきましょう。
※この日は朝からざあざあ降りの天気だった
次に打って変わって、さっきよりも大分重みのある、田舎のおじいちゃん家のような引戸を引いて中に入ると、そこが脱衣場になっています。
脱場は換気扇が回っているので風通しが良く、入った瞬間に風が抜ける様子を肌でさらりと感じられました。
脱衣場に入れる人数は2、3人で小さいと感じるかもしれませんが、涼し気がかなりあるためか、些細な解放感があり独特です。
脱衣場と浴場はガラス戸で仕切られています。
と言っても安心してください。
翁の湯はかなり人の出入りが少ないので、脱衣場が混み合うことはまずありませんでした。

脱衣場には高さ約150㎝の木製ロッカーがあり、各々40㎝角で12人分の荷物を入れられるようになっています。
ロッカーと言っても、浴場らしい弾力や暖かみのある扉が無い木製ロッカーで、ご丁寧に荷物を入れる白いカゴまで3個控えめに付いていました。
3個、と言っても、脱衣場は塵も誇りも無く清掃の手が行き届いていたので、直にロッカーへ荷物を置いてもなんら問題はありません。
トイレのほうもちゃんとありました。

またこれも変わっていたのですが、脱衣場からは浴場内が見えるように、ガラスの引戸以外にもはめ殺しの長方形のガラス窓が付いていて、洗い場が大きく見える様な開放的な造りになっていました。
これには僕も驚き三度もそちらに目を配ってしまいました。
これにより浴場から脱衣場は大きく目をやることができるので、管理はしやすく、気持的には安心できるかと思います。
ただ、脱衣場に置いた貴重品の管理を強く促すような注意書きが多く張ってあったので、出来る限り貴重品は持ち込まないようにした方がいいと思います。
貴重品を持ち込めばそれだけで盗まれる危険が発生します。
どうしても!と言う人は、巾着やコンビニ袋に入れて浴場内へ持って行きましょう(掛けて置いておけます)
床には大きな足ふき用のマットが敷かれていて、足の裏ではふわふわとした感触が躍りました。
草津は標高1200mで熱くなることはないので、夏でも涼しいし、冬場はホッと暖かく足を落ち着かせることができそうですね。
翁の湯 内観(浴場)

涙を流したような水垢が付く年季の入ったガラス戸を、がらりと開けて中に入ります。
これもまた長い時間の流れを感じさせます。
高鳴る心持ちを有した体を中にそろりと進めると、外からの見た目とは裏腹に広い空間が眼前にありました。
想像以上に広い...。
それと同時に、体全体をそっと包み込むような、生温かい湯気の衣も同時に感じる事ができました。

浴場内は6m×3mくらいの長方形で、それを真っ二つにして洗い場と浴槽を分けてあります。
簡素な形がまた使いやすかったです。
床から3mくらいは浴槽も含め全て石造りになっていて、全体的には硬くどっしりした重みをこの時見受けました。
温泉旅館にある岩風呂を「岩の角を取って簡素に纏めた」と言ったところでしょうか。
その上からは、こげ茶色の木板が張られた板張りの壁で、それが天井まで伸び8mくらいの吹抜けを作っています。

浴場の中には、木の柔らかな温もりが感じられる風呂椅子が大小合わせて五つ、風呂桶が六つ、手桶が三つ、巾着をぶら下げる壁掛けのフックが五つ、鏡が一つ、それと水道が二つ備え付けれています。
また浴槽縁の手前には、体を支え助けるような縦の手摺が三つ、丁寧労わる様に付けてあります。
足腰が弱いお年寄りも使いやすそうでした。
こういったものは、何度も見ても、草津町民さんの根強い優しさを強く強く感じられますね。
全体的には外観同様、年季が入っています。が、それが逆に岩風呂のような温泉らしく風流を感じました。
石造りの壁や岩は、濃淡ある灰色が固められて造られ、あちらこちらで様々な石の表情をその小さな浴場にそっと浮かべています。
草津温泉の強酸性で所々黒ずんでいる壁や床の様は、温泉の香りをちらりちらりと醸し出しながら、凛としてそこに佇んでいました。
足の裏にはその石のザラザラが神経に手を伸ばし、小さな歩を進める度に刺激を微かに送り届けて来たことを多く記憶しました。

壁は深いこげ茶色の板張りが散ることなく張られ、外の淡い風貌を無視するかのようにどっしりとしていて、強い纏まりを見せています。
それを見るとなんだか森にひっそりと潜む別荘のような、小さくも柔らかな雰囲気を感じ、安心した心持になりました。
この時、昔叔父が持っていた別荘がチラッと頭に蘇ったのを良く覚えています。

またその壁には、目の高さほどに長方形の大きな窓が付いていて、外から太陽の明るい光を燦燦と吸い込むように取り入れています。
それがまたかなり明るく、重厚感ある灰と茶に囲まれた浴場をパッと朗らかにさせていたように、強くこの目を差しました。
個人的にはこれにより、決して大きいとは言えない浴場は随分と明るくなり、そして感覚がひっくり返された様に広く感じられたような気がします。
更にその光は、下から幾度となく浮きあがる湯けむりを何度も何度も強調させるので、まるでその行先を目に追わせような、でも決して意図をしないであろう雰囲気も伺いました。
そして、そこから抜け落ちた陽光は湯面に静かに入り込み、ぷっつりとその存在を隠してしまいます。
その上には目張りされたガラリがあるのですが、それも半透明なのでどっさり光を抱えて、明るくすのをせっせと手伝っていました。
特にここが他の共同浴場と違うのは、このガラリ部分の位置が随分と低いため、明るさが所かしこにくるりと回っている事。
そのお陰からか、天井は洗い場が吹抜けで、浴槽の上の方が平坦で低いはずなのに、随分広いと心惑わすことが叶いました。
それは浴場内に居ながらも、明るさを全身から浴びているかのような感覚をありありと感じることもできました。
湯畑源泉を使う翁の湯の「湯あたり」は?
浴槽内のお湯温度は44℃(日によって変わる)、浴槽は見事にがっしりと石造りで形は正方形、大きさは3m×3mほどで、胸の内には随分な広さを感じられます。
一度に入れる人数は大人4人くらいと言った所でしょうか。
左側には温泉を絶えず供給する湯口があり、そこから勢いよくドボドボと音を響かせながら温泉を浴槽に流し込んでいました。
浴槽自体は大小様々な岩を集め、それを固めて作った石風呂で、見る面・見る面違った顔を見せてくれます。

色は無色透明ですが「見えるか見えない程度の濁り」を目の端に捉えました。
その湯面は、目の前の窓から入る陽がまんべんなく当たり、目をじっと見張るくらいきらきらと輝いています。
そして浴槽の中には、人の出入りがしやすいように22㎝くらいの石段がありました。
個人的には地味にこれがありがたいと思っていて、何故かと言うと、思っている以上に浴槽からの出入りがしやすいから体に優しいのはもちろんの事、ココに腰をかければ、温泉でも半身浴が容易に叶うからなんですね。
草津の湯は熱いことが多いので、どっぷり浸かると長湯が難しいですが、半身浴ならゆっくりと長く温泉を楽しめます。
ある程度の時間浸かっていれば、温泉の効能もみるみる働き、病気や、肌、それに精神的にも良いので、これを見つけた時は、小さく確かに喜ぶことができました。
そこも当然石造りでゴツゴツしていて、一度足を重ねると、岩のゴツゴツした刺激が足の裏に乱れるように感じられます。
岩風呂に入ったことがある人なら分かると思いますが、これにより抜群の温泉感が味わえます。
得も言われぬ幸せというやつです。
そんなこと見て感じながらも早速翁の湯に入ってみました。
手で触った時にそれなりの熱さを感じたので、桶を使い、頭から荒行のようにざばざばとお湯をかけてから入りました。
それから息を殺して、そっと足先を忍び寄るように浴槽に入れます。
足を入れた瞬間足の先から、指の隙間から、色んなところから熱さが矢のように瞬時に伝わってきます。
お湯は思った通り熱く、44℃くらいありましたが、熱さを欺くように刺激が少なく、入った瞬間は肌にそっと優しい静かなあたり方でした。
これには「以外」を意識の外から素早く差され、ハッと驚きました。
そこから腰をゆっくりと下ろして体中の神経を総動員するようにじっくり感じると、少しピリピリとする感覚を上半身に捉えられます。
ですがそれでもやはり湯畑源泉、お湯は柔らかくしっとりとしていて、親しみやすさを強く底から感じました。
お湯が温かいので体はじりじりと温められ、奥から熱が上ってくるのを胸で捉えるのは容易いことでした。
浴槽の深さは50㎝ほど。
僕の身長は170㎝ですが、鎖骨辺りに湯面が波打って落ち着きます。
鎖骨辺りに湯面が来ると、熱い時の息苦しさも大分和らぐので、長く入るほど入り心地も、ゆったりした先から得られる脱力感も、大きく変わって感じられます。
このおかげで、息が細く、長く、深くなるようにしっとりと入ることができました。
また浴槽は正方形なので、足をずるりと延ばしきっても全くの余裕を得ることができました。
ここまで広いと溢れていた解放感が更に満ち満ちて感じられます。
長方形でゆったりとした長寿の湯もかなり良いと思いましたが、これは良い意味で思わぬ誤算でした。
浴槽内が様々な形の岩を固めて作ってあり、岩風呂のような肌感なので、背中や足の裏、お尻には岩の強い刺激ゴツゴツと心地良く味わえます。
それは掌で触ることによって特にざらざらを味わうことができたので、温泉の心持ちが大きくなり、硬めの温泉も、「これもこれで温泉らしいな」とさっき以上に思えることができました。
ただし、相手が石なので勢いよく背中を着くと少々痛く、背中をいじめてしまうかもしれません。
それだけ気をつけてください。
温泉も入りすぎると体に毒なのでほどほどにしましょう。
一日3回までが良いとされています。
お湯自体の手触りは、指の隙間を抜けるようにさらさらしていて、一切の引っ掛かりを無視するかのような印象です。
それは言わば純水と同じで、無垢のようだとも言えました。
これに関して好きはあっても嫌いは無いと思います。
このお湯はサラっとした涼しい見た目を持って、じわりと体を足先から温めてくれました。
最近は空気を吸うかのように自然と温泉の匂いも確かめるようになりました。
翁の湯でも腰を深く沈めた事で、元々周囲に香ってた匂いが蛇のようにするすると器用に流れて鼻へと入ってきました。
翁の湯の匂いは草津温泉特有の硫黄臭。
底を探るように深く嗅いだら、苦いような、えぐみのような嫌味な感じはこれっぽっちも無く、親しみやすい適度な距離感がある硫黄臭です。
その柔らかな匂いはとても自然なので、意識を手離していても心地よく、ハッキリとした実態が掴めないその様は風の姿を心にくっきり見せつけました。
味は酸味を感じられるが、その中にも甘味のような滑らかさも含んでいて、頬がキュッと凋落するような強い感じはありません。
手にすくい取ったお湯を顔にパシャっとかけた時は、途端に口に入るけれど、自然の酸味として楽に舌に乗っかりました。
むしろ、どちらかと言うと砂糖のように柔軟で砕けていて、口の中に広がる感じをこの時覚えました。
翁の湯に長湯してみて気づいたこと

浴槽から立ち上がる湯気に釣られて見る天井は、道路側から望むのが一番広々として良く見えます。
小さくはあるけれど、そちら側にも小さな木製のガラリが陽の光を取り込んでいるから、それを見ることでほっとした気持ちとそっとした明かりが、柔らかく混じり合う感覚を静かに味わう事ができました。
また、男女の仕切り壁側に背中を付けてゆっくりと温泉に浸かれば、目の前に大量に立つ湯気が、明るい窓に吸い込まれる様を眺めることもできます。
その光が、もくもくとした湯けむりを我が物顔で着飾るように見えたので、温泉の気分はより一層強く、そして優しく胸に落ちました。
隙間からは、外でざぁざぁと降り続ける雨の風景が、またしっとりと艶を浴場内に転写したように感じられました。
僕は艶っぽい雨の景色が最近とても好きなので、これには風流を強く胸に感じられています。

また、そこから外を除けば、ガラリの隙間から前の道路が見渡せます。
鎖骨から上にあるその窓からは、外の風がスウッと入り込み、熱く火照った顔や胸をそっと涼しさで撫で下ろしてくれるので、それがまた最高に気持ち良かったことを深く記憶しています。
足先から太ももにかけては熱いが、顔は涼しく、その差がまた得も言われぬものでした。

一番良かったのは洗い場から浴槽、そして大きな窓、その上にある低いガラリ、さらに上の天井を一挙に見ること。
外から優しく入り込んだ光は湯面をキラキラ照らして、硫黄を含んだお湯をより一層輝かせ、くるくると渦を巻いて立ち上る湯気をより強調させ、その姿を嫌でも目に留まらせました。
火照った体を風呂椅子に預けながらこの景色を眺めると、気分がみるみるうちにそっと落ち着きます。
またそこに座っているだけで、外からフゥッと吹き込む涼しい風と、意識を持ったようにくるくると立ち上る多くの湯けむりが、体を代わる代わる駆け抜けたり、包み込んだりもします。
風はどこに吹く風よりも優しく、湯けむりの温かさはどんな上質の衣よりも着心地が良いように感じられました。
そうして心が見惚れてるいる間に、体の力は一切の意識を失い、だらんと休息を与えることができました。
とても楽です。

人がいないような独占的場面に限るけれど、脱衣場に目が向くように床に足を伸ばして座るのも良かったです。
床暮らしのようなゆったりとした姿勢です。
翁の湯は、湯口が洗い場側の浴槽縁に近いため、勢いよく湯船から温泉が溢れ、床にばさ~っと広がるように流れ続けていました。
その流れ落ちた温泉が排水溝を通り越し、座り込んだ先の足裏全体とお尻を絶えず温めてくれます。
印象で言うと、寝床湯ほど大層ではないが、でもそれは寝床湯に近いもので、常に絶えず丁度良い温度のお湯に当たれているようなものでした。
これにより、火照った体も恐ろしいほどゆっくりゆっくりと落ち着かせることができました。
やはり寝床湯の感覚は体へのあたりが細々としていいものですね。
癒されます。
湯口から落ちる湯は、絶えず川の流れを想起させるような音を立てて、耳に穏やかをそっと持ち運びました。
湯口から湯面に落ちる温泉は、一定の中に不規則を含んでいて掴み所がなく、それが頭を川へと導いてくれたのでそれはとてもとても良い心持ちでした。
これもまた、気分がホッと落ち着くことに起因しているのではないのかと強く確信できました。

ただ、こうは言っても良いことばかりではありません。
やはり良いもが有れば、悪いものがその影を強めるものです。
前の道路を走る車の音は、はたりとはしつつも耳にふと届きました。
翁の湯がある場所は、西の河原公園も湯畑も近いし、道路もそこに比べて広いからよく車が通るのだと思います。
静か・静寂が好きな僕にはその音がよく耳に聞き取れました。
なので、繁忙期などで車が一層通る時は、人によって感に触るかもしれません。
でもそれ以外はやはり、それを補うほどの良さを翁の湯は含んでいると思います。
実際にここで僕が過ごした時間は二時間半と非常に長く、時が経つのを忘れて楽しんでいたほどです。
個人的ではありますが、その二時間半の間は紛れもなく幸せな時間を過ごすことができたと感じました。
それは実際ここで味わってみないと分からないことで、百文は一見に如かずだとも言えるので、草津に来たら是非一度味わって欲しいとは思います。
それぐらい翁の湯は良い湯でした。
翁の湯の混み具合

無料で頂ける共同浴場は、ここまで話している通りその規模はとても控えめです。
そうなると、いくら良い所だと言っても「すぐ人がいっぱいになって入れないんじゃないか?」と頭に浮かびますよね。
でも安心してください。
僕は翁の湯から出た後、一時間ほど目の前のベンチ椅子で体を冷ましていましたが、この「入ってる時間+休んでいる時間」の2時間の間で翁の湯へ来たのは「二人」でした。
一時間あたりに均して考えると、一時間につき約一人とかなり少ないです。
ここへ来たのは2020年7月7日㈫で平日ですが、それでも他の共同浴場に比べれば来る人が少ないです。
なので、今の所は混み具合を考える必要は無いのかなと思います。
繁忙期は観光客数が何倍にも膨れ上がるので厳しいかと思います。

翁の湯 周辺宿泊施設
せっかく草津温泉に来たのだから「泊りたい人」も多いと思います。
なので、翁の湯付近にある旅館を一件簡単に紹介します。
【おやど みゆき 別館】
ここの旅館は翁の湯の斜め前にあります。
この場所自体は湯畑から徒歩10分と離れているので、夜は誰にも邪魔されることなくかなり静かな時間を過ごせると思います。
少し変わっているのは素泊まり限定だという事(初めてです)
ご飯が無いのはちょっと寂しい気もしますが、その分価格はリーズナブルでした。
後、女湯に露天風呂が無いので女性はそれでも良いのか?という話もあります。
まぁ、個人的には宿の露天が無くても、歩いて3分の所に600円で入れる大露天風呂「西の河原温泉」があるので、決して不便な旅館ではないのかなと思います。
清潔感や部屋の造りは、見た感じ部屋に明かりも燦燦と入って明るそうだし、造りも余計な物が無くシンプルな形なので広く使いやすいと思います。
※スマホの人は横にして見ると見やすいです▼
住所 | 群馬県吾妻郡草津町草津473(翁の湯斜め向かい) |
駐車場 | 無料 |
温泉(万代鉱源泉) | ・内湯1(男女)・露天風呂1(男のみ)・貸切露天風呂2(無料) |
チェックイン | 15:00より |
チェックアウト | 10:00 |
総部屋数12室 | 和室12室 |
公式サイト | おやど みゆき 別館 |



予約は「じゃらんやるるぶ」が手数料が安くて良いかと思われます。
トラブル時の心配がある方は、補償や対応に信頼のあるJTBを使ってもいいかもしれません。
施設情報を含む、翁の湯まとめ

では、今日の翁の湯をまとめます▼
- 場所は湯畑から西へ歩いて10分ほどの所
- 見た目は古い昔ながらの共同浴場で下町の銭湯のような趣がある
- 浴場は石造りで全体気に岩風呂のようなごっつりとした雰囲気
- 湯畑源泉を使っていて肌への湯あたりはピリッと感じる
- 浴槽に入れるのは四人程度
- 来る人は非常に少なく混雑が苦手な人に適している
今日は草津温泉の無料共同浴場「翁の湯」を紹介しましたがどうだったでしょうか。
翁の湯で個人的に一番良かったのは、洗い場から見る湯舟側の、心奪われるような幻想的な風景でした。
大きな窓の外から入り込む明るくも優しい太陽の光は、浴場内にあるものを強く綺麗に心へと映してくれました。
特に湯面から幾度となく立ち上る湯気は、温泉景色を深く奥底から感じさせ、それがまた得も言われぬほどで強く胸を打たれました。
光によって湯気の形が一旦掴めると、風に弄ばれる温泉がくっきりと瞳の奥に落ちます。
時にそれは、まるで意識を持ったようにくるくると渦を巻き、湯気が自由気ままに遊び歩いているようにも見えました。
左へ行ったり右へ行ったり、斜めに行ってみたりなど、落ち着き無く不思議な楽しみを与えてくれます。
風が良く通るように壁二面にガラリが付いている事、そして、ガラリの位置が低いため風の揺らぎを受けやすいからだと見てて感じました。
この風に戯れるような湯気の風景が見れるのは、翁の湯の特徴だと思います。
湯畑源泉を使った温泉はもちろん、肌へのあたりが柔らかく気持ちいいですが、僕は火照った体を冷ましている時に見たこの幻想的とも表現しきれない不思議な景色に引き込まれ、ひたすら見入っていました。
漠然ではありますが、やはり翁の湯にも良い所があり、それを個人的に発見できたのは何よりの喜びと幸せです。
翁の湯を体験したことで、このような場所を草津町民のご厚意で使えた事にも感謝することができました。
現在はコロナウイルスの影響で町民以外の使用は控えられていますが、直接聞いた見た所「そんな堅いことは言わない、ゆっくりしていきなさい」と言ってくれています。
そのご厚意に甘える訳ではないですが、草津に来たら一度翁の湯を体験して、心身共に癒されてみてはいかがでしょうか。
きっといい思い出になると思います。
【翁の湯】
住所 | 群馬県吾妻郡草津町大字草津468−4 (湯畑から歩いて10分) |
駐車場 | 無し |
営業時間 | 24時間 |
料金 | 無料 |
清掃時間 | 7:30~9:00 |
源泉 | 湯畑源泉 |
効能 | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症 |
禁忌症 | 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、皮膚、粘膜の過敏な人(特に鉱泉過症の人) |
最低限必要な物 | 小タオル(シャンプー等は無く、また強酸性のため必要無し) |
周辺宿泊施設(一例) | おやど みゆき 別館 |
HP | 草津温泉観光協会サイト |
忘れ物の問合せ |
草津町温泉課(0279-88-7182) 草津町交番(0279-88-2100) |
※上記は2020年7月7日現在のもの


今日の翁の湯は以上になります。どうもありがとうございましたm(_ _)m